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Essential Parfums | Orange X Santal
以前から店頭で手に取っていたエッセンシャル パルファン(Essential Parfums)。その上質な香りの数々に惹かれ、より深く知りたくなり、本国サイトからディスカバリーセットを取り寄せることに。現在展開している全10種類を試せるセットです。
香りとの出会いはときに一期一会。それぞれの個性的な魅力をじっくりとお伝えしたく、1本ずつ丁寧にレビューしていきたいと思います。
ブランドの紹介は、10本のレビューが終わってからまとめるつもりです。
調香師について
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ナタリー・グラシア=セット(Natalie Gracia-Cetto)は、香水の都として知られるフランスのグラースで生まれ育った調香師です。薬学の博士号を取得後、香りへの情熱に導かれ、ジボダンの調香学校で学びました。
卒業後はジボダンで20年以上のキャリアを重ね、クリスチャン・ディオールやバーバリーなどの高級ブランドから、プーマのようなメインストリームブランド、さらにはヴァン クリーフ&アーペルのようなニッチな香水まで、幅広い作品を手がけています。
2004年にはバーバリー ブリットでフィフィ賞のラグジュアリー部門を受賞し、翌年にはバーバリー ブリット レッドで女性用ニッチ部門賞を獲得しました。
音楽、文学、写真といった多様な芸術的関心が、彼女の香水創作に深い影響を与えています。表現力豊かで明快な香りを作り出すという「ル・パルティプリ」の哲学に基づき、物語性のある香水を生み出すことに情熱を注いでいます。
代表作には、トム フォードのソレイユ ブラン、クロエ ラブ、パコ ラバンヌの1ミリオン ラッキーなどがあり、芸術的感性と技術力を融合させた彼女の作品は、香水業界で高い評価を得ています。
画像とプロフィール文はFragranticaから引用させていただきました。
オランジュ X サンタル | Orange X Santal
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夕暮れのフルーツガーデンで、熟れた柑橘の皮を剥く。その香りは、シチリアの陽光を纏った大人の苦味を帯びている。果皮から立ち昇る精油は、まるでエッセンシャルオイルをそのまま纏うかのような生々しさだ。
やがて、シトラスの鮮烈さは姿を変える。まるでクリームを注いだフルーツティーのように、なめらかな甘さが混ざり始める。清涼感は次第に影を潜め、代わりにスパイシーな温もりが顔を覗かせる。
時を経て、ハーブの青々しい香りが静かに主張を始める。それは、モダンなアロマテラピーサロンを思わせる落ち着いた佇まいへと変化していく。クリーミーな質感は最後まで残り、爽やかさを求めるには物足りないかもしれない。しかし、この香りは都会的なエレガンスを纏いながら、どこか懐かしいぬくもりも感じさせる。
サステナブルな栽培にこだわった原料を贅沢に使用しているのも特徴的だ。ナチュラルでありながらも、決して素朴すぎない。洗練された大人のフレグランスとして、シーンを選ばず楽しめる一本である。
調香師:ナタリー・グラシア=セット(Natalie Gracia-Cetto)
香りの強さ:★★★☆☆
香りの持続時間:★★★☆☆
まとめ
オレンジビタークールとオレンジビターオイル—この2つのオレンジビターがシャープさとフレッシュさを印象づける一方で、どこかバスクリンのような香りです。フィグを思わせるクリーミーさは、おそらくサンダルウッドの特徴でしょう。
バジルのハーバルさは控えめで、ウッディは残り香程度。ややパウダリーで肌につけて香りを確かめると、お風呂上がりの赤ちゃんを思わせる優しい香りです。爽やかさよりも、優しい甘さとクリーミーさが好みの方にはおすすめできる作品だと思います。