
【コラム】日本最古の社殿形式『大社造』
こんばんわ、ひろです。
先日こちらの記事で出雲大社を紹介しました!
出雲大社は歴史が古く、御本殿の社殿形式である『大社造』は日本最古の社殿形式といわれており、古代から伝わる格式高い建築様式のひとつです。
今回は日本最古の社殿形式といわれる『大社造』について、その特徴と代表的な神社について紹介していきたいと思います!
そもそも『社殿形式』ってなに?
『社殿形式(しゃでんけいしき)』は、神社建築における様々な様式のことです!
神社の社殿は、主に神様が祀られている本殿とお参りをするための拝殿(はいでん)などから構成されており、その中で代表的な形式のものを社殿形式といいます。
細かいところまで見ると、ひとつとして同じものはありませんが、屋根のかけ方、庇の伸ばし方など共通の特徴があったりします。
これらの共通して見られる特徴をまとめたものが社殿形式と思ってください。
社殿形式の分類についても、また別の記事で紹介する予定です!
大社造とは?
大社造は、日本最古の神社建築のスタイルのひとつとされており、特に出雲大社に見られる社殿形式です。
大社造は、他の社殿形式とは異なる独特の風格と厳かさが感じられます!

大社造の特徴
切妻造り 平入り
大社造の特徴でまず思いつくのは、切妻造りで妻入りなところです!
切妻造り(きりづまづくり)は写真のように、本を開いたまま伏せたような形のシンプルな屋根の形式のことです。
一軒家なんかでもよく見る、一般的な屋根のカタチですね。
また、屋根の両端には『千木(ちぎ)』と呼ばれる2つの木材を交差させた装飾も取り付けられています!
実はこの千木にも様々なスタイルがあります。

妻入り(つまいり)とは棟に対して垂直方向の面である妻側に入口がある形式です!
妻入りとは逆に棟と平行な面に入口が設けられているものを平入り(ひらいり)と呼びます。

写真の場合、棟と平行に入り口が設けられているので平入り
多くの神社は『平入り(ひらいり)』ですが、大社造では妻入りとなっています。
珍しい妻入りだからこそ、他の社殿形式とは異なる独特の風格と厳かさを感じられるのだと思います!
二間四方の田の字型プラン
内部は二間四方(縦横ともに2間ずつ)の田の字型のプラン
一般的には1間=約1.8mの長さですが、寺社建築では柱と柱の間のことを指します。
中心には心御柱(しんのみはしら)と称する太柱
棟木を支える2本の柱は宇豆柱(うずばしら)と呼ばれています

宇豆柱のところに棟木がかかります!
心御柱と正面向かって右側の側柱との間は板壁となっていて、中が仕切られており、壁の向こう側には御内殿(ごないでん)と呼ばれる小さな社
御内殿の中には御神体を安置する御神座(ごしんざ)があります。
御神座は入口正面を向くことが多いですが、大社造では違います!
柱の構造
大社造の柱は、土に柱を直接埋める掘立柱(ほったてばしら)!
出雲大社の柱も以前は掘立柱でしたが、現在は石の土台の上に柱をたてる礎石柱(そせきばしら)となっています。
高床式の本殿
大社造の建物は地面から高く持ち上げられた高床式となっています。
中学校で学んだ、高床式倉庫は湿気や害虫から守るために高床式となっていましたが、大社造における高床式は、神聖な空間を物理的に区分けする意味も持っています。
代表的な神社
出雲大社(いづもおおやしろ)

ひとつ目は日本を代表する神社であり、大社造の代表格でもある出雲大社
旧暦の10月には全国の神々が集まる「神在月(かみありづき)」も有名です!
神魂神社(かもすじんじゃ)

https://www.kankou-shimane.com/destination/20261より引用
ふたつめは出雲大社と同じく、島根県にある神魂神社
出雲大社ほどの知名度はありませんが、本殿は現存する日本最古の大社造であり、国宝にも指定されています!
まとめ
今回は社殿形式のひとつである『大社造』について解説しました!
日本最古の社殿形式と呼ばれる『大社造』は、シンプルでありながら力強いデザインを持ち、多くの人々に神聖さと歴史の重みを感じさせます。
次に神社を訪れる際には、その社殿形式にも目を向けてみてください。
大社造の奥深い魅力に気づくとともに、新たな視点で神社を楽しんでもらえると嬉しいです!
ではまた
いいなと思ったら応援しよう!
