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ぶらり、中之島建築さんぽ【2022.02】

就職活動で急きょ大阪に行くことになった。
ふと思い返すと大学生になってから東京では何度も建築巡りをしているが、大阪では1度もない。
せっかく大阪に行くならなんかみたいななんて思いながら、インターンシップの準備を進める。

インターンシップ当日、就活とは無縁であろうカメラをカバンに突っ込み大阪へ向かった。
大阪に到着したのはお昼過ぎ
このまま建築巡りに行きたいが、そうは行かずとりあえずインターン先へ向かう。

お昼過ぎから夕方近くまでのインターンシップをこなし、いざ建築巡りへ向かった。
(インターン自体も多くの社員さんとたくさんコミュニケーションを取ることができて、大変ためになりました。)

行き先はインターンシップ先から電車で1本で行ける中之島
先日、開館したばかりの大阪中之島美術館が記憶に新しい。

電車に揺られ、中之島に到着したのは17時半
時間の許す限り建築巡りを楽しむ

まずはじめに向かったのは安藤忠雄設計の『こども本の森 中之島』

こども本の森 中之島

開館時間は午後5時までなので、中には入れず外観のみとなった。
安藤忠雄と言えば打ち放しコンクリートの作品が有名であるが、『こども本の森 中之島』も例に漏れず打ち放しコンクリートの外観が印象的だ。

2020年7月に開館したこの図書館は設計者である安藤忠雄が大阪市に寄贈したものだという。

蔵書の貸し出しを行っておらず、館内全体が閲覧スペースというどこか珍しい図書館

自分は卒業設計で図書空間を組み込もうとしていたので、新建築などで図面を何度も繰り返し見たこともあり、館内を見学したかったがそれはまた今度。
つぎ大阪に来るときは来館予約を忘れずに取らねば…

大阪市立東洋陶磁美術館

続いて訪れたのはすぐお隣にある大阪市立東洋陶磁美術館
こちらは日建設計が設計した作品で、BCS賞も受賞している。

水平垂直のラインがきれいな建築作品である。
タイル貼りの外観も美しい。

現在は改修工事のため長期休館中。
リニューアルオープンするのは2023年の秋ごろの予定。

後から調べてみて面白かったのはこの美術館の館長が出川哲朗さんということ。ただ、やばいよやばいよのあの出川哲郎さんとは同姓同名別人だという。

大阪市中央公会堂

アーチの上にあるのは、メルキュールとミネルバの神像

お次は大阪市中央公会堂
まず外観を見て思ったのは、「絶対、辰野金吾関わっているやん」
赤レンガ花崗岩白いラインを描き、屋根を配置した外観からは辰野式建築の特徴が色濃く感じられる。

おそらくネオ・ルネサンス様式なんだろうけどどこかネオ・バロック感が感じられる外観

長〜い庇は、多くのひとが雨宿りできるようにするためとか

調べてみると、岡田信一郎が設計案をもとに、辰野金吾片岡安の監修で実施設計がなされたという。
やっぱり、辰野金吾が関わっていましたね!
岡田信一郎の設計案の時点では、ネオ・バロック様式だったらしいが、実施設計の段階でネオ・バロック様式が抑えられて、ネオ・ルネサンス様式へと変更されたという。

いざ、中に入ろうと思ったらなんとこの日は休館日
よりによって月に一度の休館日に当たるとは運が悪い…
(いや、むしろ一周回って運がいいのか…?)

大阪府立中之島図書館

お次は大阪府立中之島図書館
設計者は野口孫市日高胖の2人
(初めて名前を知ったお二方)

大阪府立中之島図書館の特徴は何と言ってもギリシア神殿のような正面玄関と、ドーム状の中央ホール
どこかパンテオンような雰囲気を持っている。

ギリシア神殿のような正面玄関はルネサンス様式を基調としている。
コリント式のオーダーに、その上に乗っかっているペディメント(三角破風)は細やかな装飾が施されていて美しい。

ドーム状の中央ホールは外観とは対照的にバロック様式を基調としている。
中央には緩やかな曲線美を描く階段が配置されている。
ドームの天井を見上げると、ステンドグラスの天窓が設けられている。
見る角度によって様々な表情を見せてくれる。

階段や回廊、それを支える柱は国産の木材が使われており、どこか日本らしさを感じる。
海外だったらこのあたりの部材も大理石などの石材が用いられるに違いない。

ドーム内はイオニア式のオーダー
木目とツヤが美しい
何材を使っているのか気になる

日本銀行大阪支店 旧館

大阪府立中之島図書館から歩くこと数百メートル、到着したのは『日本銀行大阪支店 旧館』
設計者は辰野金吾である。

しかし先ほど紹介した、大阪市中央公会堂とは対照的に辰野式建築の特徴がまったく感じられない!!

近づいてみると玄関ポーチイオニア式のオーダーが使われている。
円柱角柱が併用されているのも珍しい気がする。

国立国際美術館

日本銀行大阪支店 旧館から歩くこと10分程度、国立国際美術館に到着した。
もうすでに閉館しており、外観のみ

設計者はあべのハルカスの設計者でもあるシーザー・ペリ
国立国際美術館は世界的にも珍しい完全地下型美術館で、地上部のモニュメンタルなエントランスゲートが印象的

エントランスゲートは「竹の生命力と現代美術の発展・成長」をイメージとしてデザインされたもの。
動物かなにかをモチーフにデザインしたのかと思っていたが、どうやら違ったようだ。

開館したばかりの大阪中之島美術館を横目に駅に向かう。
新大阪駅に向かい、新幹線で名古屋へ帰る。

短い時間であったが、充実した時間を過ごすことができた。
次は朝からきて建物内も見学したい!


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