【コラム】コリント式?、イオニア式?、ドリス式?オーダーの種類と特徴
こんばんはひろです
前回の中之島の建築探訪紀や東京旅行記で紹介した迎賓館赤坂離宮で出てきた、オーダーという言葉を覚えているでしょうか?
コリント式のオーダーやらイオニア式のオーダーやら
いったい何のことを言っているだって思った方もいるかも知りません。
今回はオーダーとは何か、そしてオーダーの種類と特徴についてまとめていきたいと思います!
『ぶらり、中之島建築さんぽ』、『【旅行記】東京にでも行くか04【2021.11】』についての記事はこちらから↓
オーダーとは?
オーダー( Order )とは柱の下部から軒までの造形と比率の定式のことです。
これだけ見ると、何を言ってるんだと思った方もいるかもしれないですね。
ざっくりというと、デザインと柱の下部の直径を基準とした、他の部材の寸法に関するルールのことです。
Order:秩序 という単語の意味のまんまですね。
オーダーの種類
オーダーには次の5種類があります。
トスカナ式
ドリス式(ドーリア式)
イオニア式
コリント式
コンポジット式
今回はこの5つの中でも、主要なオーダーであるドリス式(ドーリア式)、イオニア式、コリント式の3種類のオーダーについて詳しく解説していきたいと思いま
ドリス式( Doric )
まずは、古代ギリシア初期の様式であるドリス式(ドーリア式)から
今回紹介する3種類のオーダーの中で、最も古いのがドリス式(ドーリア式)です。
ドリス式のオーダーの建物の代表例としてはギリシャのパルテノン神殿があります!
ドリス式のオーダーの特徴としては、
・柱頭部の装飾がほとんどないこと
・柱が太く、短いこと
・フルート( flut )と呼ばれる柱に施される溝が20条前後あること
の3つが挙げられます!
柱が太くて短い、武骨な印象を感じるドリス式(ドーリア式)のイメージは屈強な男性です。
イオニア式( Ionic )
次に紹介するのは古代ギリシア中期の様式であるイオニア式
イオニア式のオーダーの建物の代表例としてはアテナイのエレクテイオンがあります。
先日紹介した中之島の日本銀行大阪支店旧館や迎賓館赤坂離宮の主庭側で見ることができます!
イオニア式のオーダーの特徴としては、
・柱頭部の渦巻模様の装飾
・エンタシスは目立たない
・フルートは24条
・フルートの彫りが深い
の4つが挙げられます!
ドリス式に比べて線が細く、装飾が施されているイオニア式のイメージは、優雅な女性です。
コリント式( Corinthian )
最後に紹介するのは古代ギリシアの最後に生まれたコリント式
コリント式のオーダーの建物の代表例としてはローマのパンテオンがあります!
先日紹介した中之島の大阪府立中之島図書館や迎賓館赤坂離宮の前庭側で見ることができます!
コリント式のオーダーの特徴としては
・柱頭部のアカンサスの葉や蔓を模した装飾
・エンタシスはほとんどない
・華麗、派手
の3つが挙げられます!
イオニア式に比べて細く見えるコリント式のイメージは、華麗な少女です。
まあ、コリント式のオーダーは基本的には柱頭部の装飾以外はイオニア式と同じという認識でほとんど大丈夫です。
ちなみに装飾に使われているアカンサスはギリシャの国花であり、アザミに似た葉はコリント式オーダーのみならず、建築物の内外装のデザインに用いられています!
(アカンサスはギリシア語でトゲという意味だそう)
まとめ
今回はオーダーとは何か?、そしてその種類とそれぞれ特徴についてまとめました!
読者のみなさんがどこか出かけたときに、あれは〇〇式のオーダーだ!と建築デザインを楽しんでくれたら、嬉しいです!
ではまた