令和5年 オリジナル課題【補足/スパン調整】
ポイント
『ここまでのエスキスは、ただの情報処理であって、決定事項ではない』ことを意識する
出てきた情報から『スパンや建物の形状』を推測する
手順
01. ボリュームの確認
1階のボリュームは、24コマ必要(参考資料 01の①)
建築面積は、最大24コマしか使えない(参考資料 01の②)
1階のプランニングを慎重に行う必要があることが分かる
02. Vコマの確認
既存樹木により、2コマの切り欠きがある(参考資料 02)
1階のボリュームは、24コマ必要なのにも関わらず『22コマ』しか取れていない(問題点)
スパン調整が必要なことが分かる
※『必要なコマ数の確保』ができていない状況でプランニングを行うからプランがまとまらない
03. Sコマの確認
ヨリ寸法の確認
道路斜線から最小のヨリが2m(参考資料 03の①)
車路の確保より7m(参考資料 03の②)
既存樹木の確保(参考資料 03の③)
スパン調整を行うことができる箇所の確認(参考資料 03の④)
04. 推測
『22コマのボリューム』を『24コマのボリューム』にするためには、短辺方向でスパン調整を行えば良いのでは?(参考資料 04の①)
※上記の『03. Sコマの確認』でスパン調整を行うことができる箇所を確認している
『7mスパン』から『8mスパン』への変更を最低でも『2ヵ所』行うことで、約『2コマ分』のボリュームを増やせる(参考資料 05の①)
※参考 → エスキスを始める前の【基礎知識/面積・スパン調整】
Sコマで最大の建築面積を検討した時点では、短辺方向が、『29m』であったので、『8mスパン』を『2ヵ所』使った場合、建築面積がオーバーする可能性があることが分かる(参考資料 06の①、②)
建築面積がオーバーすること(問題点)が分かっているので、建築面積が増える分だけ、建物の形状(ウツワ)を削り、調整する必要があることが分かる(参考資料 07)
まとめ
スパン調整を行う前に以下の点を意識しておく
エスキスの手順を順番に行えば、プランが完成すると思わない
エスキスの手順ごとに決断しない
エスキスの第一の目的は、『情報の整理』と『問題点の把握』であることを常に意識する
出そろった『情報』や『問題点』を、最後に調整していくイメージをもつ
最近の試験は、問題用紙に書かれている情報量が多く、それを整理するだけで、手一杯でプランを考える時間を、ほとんど取ることができない
試験元が平成21年の設計製図試験内容の見直しで
専門分化している建築設計を調整し、取りまとめていく基本的な知識・能力等を確認する
と明言しており、多岐にわたる情報の整理能力を合格基準に設定している可能性がある問題用紙に書かれている『一つの情報』だけで決断を行うと『プランがまとまらない』あるいは『不合格答案になる』ように設定されている気がする
まずは、『情報の整理』を行いそれらを『調整』し、『最適化』されたものを『プラン(計画)』として、提出することを心掛ける
チビコマまでのエスキス
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