過去問研究【スパン調整/令和4年 事務所ビル】
01. 全体構成の把握
課題名
事務所ビル
課題条件
敷地
方位、接道、周り間、周辺環境、その他の施設建築面積
容積率
要求事項(必ず守らなければならない条件)など
シェアオフィスから屋上庭園への出入、天井高さ、面積指定など
02. 主たる機能の把握
主たる機能の部門
事務所部門
メインの要求室
主たる機能の要求室の中にも優先度の違いがある
※貸事務室とシェアオフィスはどちらが重要?サブの要求室
共用スペース、コミュニティホール、事務所部門を管理するために必要な室など
関連する部門
レストラン部門
設備部門
03. 6マル
計画建物のオモテ・ウラ
道路幅員、道路の長辺・短辺、周辺環境を考慮
要求事項などを考慮
メインの要求室
計画建物の目的を達成する主たる機能の室から配置
04. 24コマで計画
基準階のボリュームのあたりをつける
階数の指定がないため、基準階にどれぐらい大きさの貸事務室を配置したら良いのかが分からない
今回は、在籍者数30人以上から貸事務室のボリュームを計算主たる機能の室
貸事務室A、貸事務室B
※使い勝手を考慮して、どの位置に配置した方が良いかを意識コア
事務所ビルにおいては、階段とEV、トイレ、共用廊下、給湯機などを含めたボリュームが一つのパッケージとし、コアと呼ぶ
※約4コマ必要ゾーンの確認
下階の要求室のボリュームを確認
レストランのボリュームがコアに干渉
コアの位置を移動基準階のプランを確認
このまま南北に貸事務室を配置するプランで進めるのかを上下階のボリュームを検討
整形なボリュームを取りにくいことを把握基準階のプランを変更
必要な貸事務室のボリュームを南側に確保することができる
センターコアでなく、片コアに変更した方が良いと判断可能その他の施設
敷地図の記入
事務所部門用に一般駐車場(1台)と車椅子使用者(1台)の配置
レストラン用のサービス用駐車場(1台)の配置
レストラン用の駐輪場(10台)の配置計画建物のウツワを確認
敷地の大きさ、ヨリ寸法、スパンの幅
05. ゾーニング・動線計画
床面積の大きい室から配置
貸事務室から配置
上下階のボリュームを意識しながらコアを配置
細かな面積を意識し過ぎない
大きなボリューム(貸事務室、レストラン、コミュニティホールなど)を仮置きすることで、自ずとコアの最適な位置が見えてくる。
一つの情報だけを見て、決定しない
想定したボリュームを24コマの中に入れてみて、各階でゾーニング・動線が成立しているかを必ず確認する。
06. 情報を俯瞰
現在の状況を確認
現在の状況を把握することの必要性
情報を俯瞰するためには、一目で現在の状況が把握できる状況を作る必要がある。24コマに想定した要求室のボリュームを入れる
まずは、24コマの中に想定した要求室のボリュームを入れてみると、
計画建物の全体像がぼんやりと見えていくる。
問題用紙から描き出した情報は極力消さず、検討した内容を残すことで、調整が行いやすい。
問題点を把握
廊下が大きい
短辺方向を4コマで計画するとスパンの長さが短くなる
12コマでは、基準階に要求されている床面積を確保できない
07. 調整・取りまとめ
短辺方向のコマ数を4コマから3コマに変更
→1スパン7mの経済的なスパン長さを使うことができる。余っているコマを貸事務室の面積に使う
→貸事務室のコマ数を12コマから14コマに変更することで、基準階に要求されている床面積を確保できる。
考察
『24コマで計画』した時と『調整・取りまとめ』を行った後の計画を比較
短辺方向のコマ数は4コマから3コマに変更しているが、短辺方向の南北にはそれぞれ道路斜線を調整する0.5コマが隠れている。
断面で確認すると短辺方向のコマ数の使い方良く分かる。
0.5コマを使い計画建物を高くするのか、0.5コマを使い切り計画建物を低くするのかを受験生が調整し、取りまとめていかなくてはならない。
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