過去問研究【スパン調整/ポイント】
ポイント
スパン調整のポイントは、問題用紙に書かれている 一つの条件(情報) だけでスパンを 判断しない ことが一番重要である。
一級建築士試験を作成している 建築技術教育普及センター は、平成21年に『一級建築士試験設計製図内容の見直しの具体的な対応について』というタイトルで公表している資料の中に 製図試験 で 確認する内容 を 明確 にしている。
この資料の中に
と書かれている。
製図試験に求められている能力は、専門的な知識ではなく、様々な情報を整理し、取りまとめられる能力 だとこの文章から読み取ることができるのではないだろうか?
そこで今回は、以下のことを意識しながら、平成28年、令和5年、令和4年の課題を使い、具体的に問題用紙から得た情報を俯瞰しながら、どのようにそれらの情報を使い調整し、取りまとめていけば良いのかを考察してみたい。
01. 全体構成の把握
『調整し、取りまとめていく』には、全体を把握 できていなければ不可能である
問題用に書かれている一つ一つの情報に惑わされないためには、まずは 情報を整理 し、俯瞰 できる状態をつくる
02. 主たる機能の把握
計画建物には 目的 がある
その目的の機能を果たすために 主となる 『部門』や『要求室』 を 把握 する
主と従の関係 を理解し、計画の 優先順位 を明確にする
※倉庫から計画しない
03. 6マル
敷地の条件 を確認
計画建物の オモテ と ウラ を把握
主たる機能 を意識
要求事項 を反映
『直接行き来』など ツナガリ を 考慮 しながら作成
04. 24コマで計画
答案用紙Ⅰのサイズ(A2)を考慮すると 敷地の大きさ が 想定 できる
敷地の大きさから 計画建物の大きさ が 想定 できる
1コマ を 7m×7m の49㎡(約50㎡)を 基準 とした 24コマ (6コマ×4コマ)で 計画 を始める
24コマ を 変形 させていく
※24コマになる根拠が知りたい方は エスキスを始める前の【基礎知識/敷地】 を参照
05. ゾーニング・動線計画
製図試験は ゾーニング・動線 の 試験 である
『想定した ゾーニング が各階で成り立つのか』、『利用目的の異なる人たちの 動線 が交錯していないのか』を 常に意識 する
06. 情報を俯瞰
問題用紙から得た 情報 を 俯瞰 する
一つの情報 だけを元に 計画 し ない
情報 をまずは 俯瞰できる状況 をつくる
情報を俯瞰 し、問題点を把握 する
07. 調整・取りまとめ
問題点を解決しない 状態では 合格答案 が完成し ない
情報を俯瞰し、プランニング の 優先順位 をつける
優先順位にそって プラン の 修正 を行う
全て の居室を 良く する 必要はない
過去問研究【スパン調整/目次】に「 戻る 」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?