【千葉県】山武の石仏
場所:千葉県山武市嶋戸
時代:不明(奈良時代またはそれ以前?)
千葉県は広いので東京に近いところと成田空港以外、ほとんど馴染みがないのですが、ここ山武市も「やまたけし」かと思っていたら、正しくは「さんむし」でした。Googleマップを見ていたとき、この地に謎の石仏があると知って、いつか行ってみようと思っていましたが、やっと昨日4月20日に早起きして行ってきました。都内からJR総武線で千葉駅へ行き、JR外房線に乗り換えて成東駅で降ります。秋葉原からだと2時間弱の距離でした。駅からは北の方角へ約2.3kn歩いたところに石仏があるとのことでしたが、実際は迷うのでもっと歩くことになります。Googleマップでは「真行寺廃寺跡からの山武市の石仏」とポイントが示されていますが、石仏はここにはありません。
このポイントは奈良時代に当時の武射郡に建立された真行寺という寺社があった場所で、現在は真行寺廃寺跡の案内板があるだけの、ただの農地でした。さて、問題は石仏の場所です。真行寺廃寺跡から北東に300mほどの、古墳の中腹にあるというのはわかりましたが、肝心の石仏への案内標識がありません。荒れた狭い農道を少し進むと三叉路があり、まずここで迷いますが、正しくはまっすぐ真ん中の道を進みます。しばらく杉林の中を歩くと、やっと石仏への案内板「山武市指定文化財石仏」と書かれた標識が現れます。これでたどり着けると思ったら、ここからも一苦労。全く人に出会うこともなくさんざん行っては帰り、迷った挙げ句もう諦めようかと思ったとき、木の根元に肥料袋のビニールを巻き付けた木の棒があるのを発見。何かの目印に違いないと思い、そこから山の方の道なき道を進んでみました。
数十メートルほど行くと石仏の看板が見え、石仏は木の根元に鎮座していました。ほっとすると同時に、これはなかなか難易度高すぎるのではと思いました。ここまで来るのにどれだけうろうろ歩かされたか。看板と違ってビニールを巻いた木の棒では、いずれ近いうちに消えてしまうだろうし、歩道から逸れて山に入るこの場所こそ案内板が必要です。石仏のある山だと思っていた場所は、杉林の中の草ボウボウの場所なので全くわかりませんでしたが、実は古墳(方墳)なんだそうです。
石仏の材質は砂岩で彫りはかなり素朴な感じなので、本当に仏様を彫ったものなのかちょっと疑問です。制作者や制作年代は不明だそうですが、奈良時代の真行寺廃寺と関係があるかもしれないとの説もあるようです。古墳の中腹にあることや石仏の風化具合などをみると、かなり古いものだということはわかるのですが、もしかすると真行寺ができる以前の、古墳に由来するものではないかと想像しています。
とにかくここを訪ねてみたい方は、あまり人の往来がない杉林の中の歩道と草むらを歩くことになるので、ぬかるみの多い雨上がりの日とか、あと季節的には虫の多い夏はおすすめしません。4月はまだ蚊もいませんでしたが、蜘蛛の巣がしょっちゅう顔に絡みつくのは我慢しなければなりませんね。最近はあまり遠出していないので、今回ちょうどいい運動になりました。
下のGoogleマップでは真行寺廃寺跡の位置になっており、実際の石仏のある位置ではありません。マップに修正の投稿をしていますが、まだ反映されていませんでした。