【フランス】サン・ジャン洗礼堂 (2回目)
場所:フランス西部ポワティエ
時代:メロヴィング朝フランク王国(5~7世紀)
昨年5月14日の記事で紹介した、フランス最古のキリスト教建築物「サン・ジャン洗礼堂」ですが、年末にフランスを訪れた際、20年ぶりに再訪することができました。周囲の景色とかは全く変わっていませんでしたが、さすがに20年もの歳月を思わせるかのように、外壁が薄汚れていて古代の建物の感じを醸し出していました。
何より20年前の訪問時には建物内部の写真撮影が許可されていなかったのに、現在はフラッシュなしでの撮影が自由になっていました。記憶にある限りでは、内部も20年前とほとんど変わっておらず、中心部には柵で囲まれた、原形を保ってはいませんが、6世紀の洗礼用沐浴槽が掘られていて、その周囲には5世紀から7世紀のメロヴィング朝時代の石棺や、ローマ時代のものを含む建造物の一部であったと思われる石の彫刻などが所狭しと展示されていました。建物内部の壁面に描かれているロマネスク様式のフレスコ画は、12世紀から14世紀のものです。地下には墓所もあったようで、床面の一部がガラス張りになっていて、その中には遺骨が置かれています。
サン・ジャン洗礼堂はポワティエの街中にあるので、街のどこからでも徒歩で行けます。洗礼堂の隣にはサントクロワ美術館があり、洗礼堂が開いていない時間などに訪れれば、時間を有効に使えます。
洗礼堂を訪れる際注意しなければならないのは、開館時間です。夏季(6月21日~9月末)は10:30から12:30と14:00から18:00まで開いていますが、初夏(4月1日~6月20日)は14:00から18:00までの午後のみ。さらに冬季(10月1日~3月31日)は14:00から16:00までのたった2時間だけです。そして毎週月曜日が休館なのは、他の博物館と同じですが、クリスマスと元旦も休館なので冬に訪れる方は要注意です。