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宿泊記~HOTEL CEN~


■初めに


理由は後述しますが今回少し辛口にホテルのことを評価させて頂きました。基本的には泊まるホテルには敬意を払っているつもりだし、このnoteではホテルのポジティブなことを書くっていうことを基本スタンスとしているので悪口に見えるようなことは書きたくないんですが、今回の宿泊では自分的に許せないなと思うことが頻発した為、その気持ちを素直に文章にするとこんな感じのテイストになってしまったということです。もし不快な気持ちになってしまったら申し訳ございませんと先に謝っておきます。

とはいえ、別に部屋がめちゃくちゃ汚いとかスタッフの態度が横柄とかそういうことではないので他の人が泊っても不快かどうかは別の話です。あくまで自分とは合わなかったなっていうだけです。まぁ星の数程あるホテル、自分に合わないホテルもそりゃあるわなってな感じで特に気にせず読んで頂けると幸いです。

それでは始めていきましょう。

■新宿駅からあの新大久保へ!


職場が新宿エリアなこともあり、もはや見慣れた新宿駅前から北に向かうこと約10分。日本最大のコリアンタウンとして有名な新大久保へ。

関西にいた頃からなんとなく名前は知っていて、まぁ大阪の京橋的なエリアかなって思っていたらもっと綺麗でおしゃれな雰囲気の街だったので心の中でなんかすみませんって誰かに謝っておくことに。

分かりにくい写真だけど実際はもっと可愛らしい街


韓国カルチャーには明るくないが、BTSを筆頭にアーティスト勢は凄まじい人気があり、韓国料理は美味しいことぐらいは知っている。いつか機会があればサムギョプサル食べに来たいな(一人では入りづらいので・・・)

昔ソウルに行ったとき牛肉のゆっけ食べたのが懐かしいけど、さすがに日本では出せないのかな。

あと関係ないけどお店の色合いがカラフルなのとネオンサインが目立ってたんだけどこれって韓国のお店の外観あるなるなんかな?
まぁそんなこんなで新大久保エリアはさらっと回って、さっそく本日の目的のホテル「HOTEL CEN」へ。

■HOTEL CENとはどんなホテル?


・都内で主にマンスリーマンション事業を行っている株式会社レジデンストーキョーが所有し運営まで行っているホテル。

中小規模の不動産会社がホテル事業に参入するのは大阪の方でもよく見かけたなー。ここは宿泊以外にもグループホームの運営も行っていたりと結構手広い印象。

・建物は4階建て、客室は全44室で1室あたりだいたい12~15㎡ぐらいの広さ。
・客室タイプは12㎡のダブルベッドルームと15㎡の少し広いダブルベッドルームの2タイプ。価格はだいたい18,000円ぐらいから。
・建物の造りが結構特徴的で、オープンテラス付きのカフェ(こちらも自社運営)とホテルが同じ敷地内に隣接している。

アーチをくぐった先にホテルもカフェもあるので宿泊者だけのテリトリーっぽさに溢れている。レンガ造りのような感じの建物からは欧米のような?アメリカンなような異国感があり雰囲気はgood。

入口のアーチとその先にあるホテル棟&cafe

■「HOTEL CEN」が掲げるコンセプト


・このホテルのことが気になった最大のポイントはそのコンセプト。「DIVER CITY HOTEL & CAFE」をテーマに誰もが気軽に泊まることができるホテルなのだそう。

ホテルって割と事業の中でも目立つ存在ではあるのでソーシャルグッドな活動をホテルと結びつけることが多くなってきていると思うんだけど、たいていはエコ的な活動がその中心な気はする。プラスチックアメニティを廃止したり節水や節電で環境に配慮したりっていうことは始めやすいしね。
あとは文化の発信とか地域に貢献するとかがよく見かけるソーシャルな活動かなと思うんだけど、そんな中でHOTEL CENは「DIVER CITY」を掲げているのが素直にすごいなと思った。

ダイバーシティ、つまりは多様性ってここ最近で人口に膾炙したワードの1つだと思うけど定義があまりに広い。あちらを立てればこちらが立たずじゃないけど、すべてを丸ごと解決する手段は難しいから何に対する多様性なのかっていうのをはっきりと示した上で立てる対策っていうのに意味があるのかなっていう気はする。

で、ホテルってそもそも多様性を受け入れるのが前提みたいな場所ではあると思っていて、例えばジェンダー。ジェンダーに関しては主にLGBTQに関することが言われるけど、そもそもホテルってプライベートな空間を提供する施設で滞在に関してはジェンダーフリーなので、特有の問題ってあんまり起きないんじゃないかと思っている。

外国人や人種に関しては言わずもがなで垣根無く歓迎している。ここを受け入れないホテルはおそらくほとんどないんじゃないか?とくに今はインバウンド全盛の時代だし。

■ホテルにおけるDIVER CITY(多様性)


てな感じで、ホテルがあと包摂すべきものって宗教だったり年齢だったり、あとは障害の有無だったりするかなと思っている。
いずれにせよ、どれに対応するとしても非常に難しいとは思う。これらの領域に対応しようとするとコストは掛かってもリターンが見込めない。

例えば宗教の多様性をテーマにイスラム教の方でも気軽に来られるホテルを造るとすると、まず近くにモスクが必要になるし、食事にハラールを提供しようとすると肉を扱っている調理器具は避けてハラール料理用の調理器具が必要になる。
障碍者に対応しようとしても同じように専門のスタッフや徹底したバリアフリーなどコストが過大になり、その割に集客に繋がらないということになる。

社会に必要性の高い問題ほど対応にコストがかかるから後回しになってる感はある。だからこそ、もしこういった分野に対して多様性を広げているホテルがあるなら非常に興味があるし、一度見てみたい。つまりはそういう目的をもってこのホテルに宿泊することにしたという経緯なのであった。

■思ってたのと違った・・・が、いったんホテル紹介


まぁ冒頭で良く思わなかったと言っているので期待していたものと違ったということになるのだけど、それはそれとして順を追って簡単にホテルを紹介していこう。

アーチをくぐってエントランスへ。フロントスタッフがいるがチェックインは自動チェックイン機を使って行う。

自動チェックイン機、最近更によく見かけるようになったな。

コンパクトなエントランスながらアートも展示している

廊下は結構シンプルというか無機質な感じ

館内は全体的に少し暗め

客室到着

コンパクトな約15㎡の客室


トイレ&シャワーはガラス張り

ガラス張りのトイレとシャワー、コンクリート打ちっぱなしの内装。

建物の外観と合わさっておしゃれだと思う。


客室内の掲示


館内に展示しているアーティストの紹介

んー----

で、ダイバーシティは?

■DIVER CITYってなんだっけ?


そう、客室だったり館内になにかダイバーシティを感じる要素やイベントなんかがあるのかな?と思っていたら全くない。
トイレとシャワーに入るには大きな段差があるのでバリアフリーではないし朝食も1メニューのみで宗教やベジタリアンに配慮しているとも思えない。(もしかしたら対応しているかもしれないが、少なくともそういう案内はチェックアウトするまで1回もなかった)
加えて部屋内の注意事項や案内は英語と日本語表記のみ。ダイバーシティを掲げている割にはそれを感じることができるものが見当たらない。

唯一、ロビーにジェンダーフリーのトイレがあったが、名前がジェンダーフリーとしてるだけで普通の多目的トイレである。必要な設備だがこれならば普通のホテルにもある。

先に言ったように多様性といってもすべてを網羅することは困難なので何にフォーカスしているかが大事だとは思う。しかしこのホテルがなんの多様性を目指しているのかは少なくともチェックインから客室に入って見まわしても何も分からない。分からないなら調べようということでネットを叩いてみることに。(現地にいるのにネットで調べるのもおかしな話に思えるが・・・)

そこで分かったのはDIVER CITY HOTELとして以下3点を実施しているということ。
①従業員にLGBT研修を行い、マイノリティに配慮したサービスを提供していること。
②外国人やLGBT人材の積極採用
③コンセプトの設計にLGBT当事者のデザイナーを起用

うん、なるほど。主にはジェンダーマイノリティに対する多様性を推進しているホテルということね。

・・・いや、待て待て待て

突っ込みどころが多いぞ!
まずLGBTの研修は良いと思う。当事者にしか分からない悩みや問題を知ることでパーソナライズされたサービスを提供できると思う。
しかし自分はチェックイン時にスタッフと会話したが、マイノリティであるとかないとか一言も言っていないし聞かれてないぞ?もし自分がマイノリティであったなら研修で培ったサービスがなにも提供されていないことになるぞ。
自分から言う必要があるの?でもそれって安心して利用できるって言えるの?

次に急に出てきた外国人の積極採用。これはなんだ???
ジェンダーと外国人、2つの課題に対して多様性を広げるということか?
しかし先ほど言ったように館内の掲示や案内は英語表記と日本語表記しかない。これで外国人を受け入れてますって矛盾してないか?一般的なホテルでも中国語や韓国語表記に対応しているホテルは少なくない。
そもそも外国人旅行者を受け入れることも外国人をスタッフとして採用することも別になんら珍しいことではない。ホテルならば普通のことだ。
様々な国籍・人種の方が訪れるホテルにおいてスタッフが多様であることはホテルにとって大きなメリットだ。外国人を積極採用していることをダイバーシティと言うならほとんどのホテルがダイバーシティの推進者となってしまう。

そしてLGBT当事者の採用。積極採用することが悪いわけではないし、そういう会社の方がマイノリティの人にとっても居心地がいいとかもあると思うが、それはあくまで会社としての方針であってホテルのサービスにはたいして関係のない話だと思う。事実、自分も滞在中別に特別な接客や質問をされたわけではない。

LGBT当事者がデザイナーとして参加したというのは一番理解できる。当事者だからこそ見える設計やデザインはあると思う。とはいえこれも館内が大して広くないということもあると思うが、別に特別な施設や設計がなされているとは思わなかった。

■誇大広告的な感覚

なんだかなー。ていう感想。
断っておくが、本来はホテルを悪く言うことはしたくない。そんなことの為にnote始めたわけではないし、自分もホテル業界においてもまだまだ勉強中の身であることは自覚しているつもりだ。ただ今回のHOTEL CENに関してはそのコンセプトに対して期待値が高かった分、がっかり感も大きかった。

ちなみに、なにもダイバーシティに対する取り組みの見解の相違だけでこれほど恨み節を書いているわけではない。
というかこんな感想を抱いたのも、それをnoteで書いているのも本当に大きな要因は別にある。
その一端が先に写真でもお見せした掲示物などにある。

再掲

写真でわかるかな?これ普通のA4用紙にラミネートしたものが机の上に置かれてるだけなんですよ。せっかくおしゃれなデザインの建物になっているのに客室内の掲示物や案内がこんなんじゃ台無しなんですよ。
しかも写真には出さないが宿泊約款も置いてあったけど、100均のファイルに不揃いに入れられた約款を見てセンスがどうとか以前にやる気がないなと感じた。

このホテルの場合、オーナー会社が直営で運営しているのでプロ(専業)の運営会社っていうわけでもない。だからだと思うが基本的にホテル業に対するやる気が感じられない。言い過ぎかもしれないが、とりあえず稼働させといて収益あげればok、そのうち売却するしって感じがこういうところから伝わってくる。

そしてそれは掲示物のみならず

■誰がターゲットなのか?

ダイバーシティというコンセプトとこのホテルの外観、さらには立地からどういう顧客をターゲットとしているかは必然的に絞られる。テーマとしているマイノリティ客を除けば言うまでもなく外国人客と若者だ。ダイバーシティなんていう言葉に反応するのは若者世代だし、そもそもラブホ街という立地的にも若者以外にはなかなか選ばれにくいとは思う。
なら徹底してトレンドを追えばいいと思うのだが、そういうわけでもないらしい。歯ブラシやスリッパに使い捨てのものを置いている時点で自分はこのホテルの方向性が分からなくなった。ダイバーシティを推進している割にはプラスチック廃棄。いやもちろんホテルごとの自由だしプラ廃棄しているホテルが悪というわけじゃないが、せっかく若者世代を取り込むならこういう点にも取り組んでいた方が首尾が一貫してると思う。

そして、その割には客室にテレビを置いていない。別にデジタルデトックスとか謳ってないからなんで置いてないのかは分からんが、この流れだと単に経費削減に見えてしまう。
本当に誰に訴求しているのか聞いてみたい。

■自分的ホテル宿泊史上初、朝食にありつけず

そんなこんなで過去一テンションの上がらないホテルステイになったわけだが就寝中にも悲劇は起きる。トイレの換気扇が異常にうるさく安眠を妨害される。
トイレ&シャワーと寝室を区切るのがガラスの窓のみということが仇となったのか、振動が伝わってめっちゃうるさい。もはやこの辺に関してはただの愚痴吐き出しマシーンと化しているが今回はこのまま行かせてもらう。
寝れはしたが、あれはクレームの基となるだろうな・・・

そしてそして、一番最後に自分的には一番ありえないことが起こってしまう。(嫌なことって重なるもんだね)

起床して準備して着替えてチェックアウト。
チェックアウトもスタッフの案内の基、自動チェックインにて行う。ものの数十秒で終わりチェックアウト完了。対応してくれたお兄さんも良い感じの雰囲気なのになぁと思ってしまう。

朝食は隣のテラス付カフェなのでロビーを出てカフェに移動。中にはスタッフのお姉さんが一人いて忙しなく動いている。そういえば1人で利用したのに部屋が2人用だったということで2人分の朝食券を頂いていた。2人前食べるのは難しいので1人前に少し追加してもらえるか聞くと快くOKをもらう。このお姉さんの対応も良い感じ。スタッフは悪くないなと思う。
そして若干の肌寒さはあるがせっかくなのでテラス席へ行き朝食を待つ。

朝食を待つ・・・

10分経過・・・

15分経過・・・

20分経過・・・

およそ30分待つも朝食運ばれてこず。あれ?おれ釜めし頼んだっけ?って勘違いするほどである。
というか原因ははっきりしていて、外から店内見てみるだけでお姉さんがめっちゃバタバタしてるのが伝わってくる。というかほぼワンオペで回しているように見える。キッチンスタッフいるのか?別でいたらさすがにこんなに待たんか。
なんかテラス席あたりで仕事してるホテルスタッフぽいのいたがテメーは手伝わないのかよと心の中で突っ込む。

さすがに朝食で30分待ちはない。これも先ほどの会社側のやる気の問題だと思ってて、人件費削減なのかなんなのか分からんが、明らかに人手が足りていないのと連携できていない感がある。(今日たまたまトラブルがあった可能性もあるが)

ついでに言うとカフェのすぐ隣が喫煙スペースでたばこの臭いがテラス席にも漂ってきたので、仮にすぐ朝食が運ばれてきたとしても不快だったろうな。

そんなこんなで多分もうちょっと待ったら食べれたんだろうけど、これほど待たされるならもういいやと思って朝食はキャンセルすることに。自分の分は次に待ってる人に渡してあげて欲しいと伝えて退散。
お姉さん申し訳なさそうにしていたけどバタバタしていてそれどころでもなさそうな感じ。
休みの日だから別に待つこともできたけど、ささやかな反抗と色々あってこうやってnoteにも書きたかったので朝食代払うことで幾ばくか正当化する為でもある。

■結局のところ

なんやかんやとありましたが、まぁ結局のところ何が言いたかったかと言うと、大して運営に力を入れれるわけでもないなら過剰なコンセプトを打ち出さないで欲しかったなっていうこと。これもホテル業界全体に言える話かもしれないし、自分のワガママな話なのかもと思うけどね。

実際、コンセプトに魅かれて泊まる人がどれぐらいいるのかなと考えたときに、まぁ大して多くないだろうっていうことは想像できるし。まだまだ泊まる為だけにホテルを利用する人が圧倒的に多い中でコンセプトとかって別に気にされてないのが現実だろうて。それでもホテルが決めたコンセプトであればそれに沿った運営をしっかり行って欲しいとはやっぱり思う。もう一度言うがスタッフの対応は良かったので、いまのままだとスタッフがかわいそうだなと感じてしまったのだ。

まぁそんな感じで気づいたら超長文になってしまったnoteはこれにて終わります。次は事前調査ももうちょっとやったうえで泊まろうかな。これはこれで学びになってる気もするが。

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