ESKIMO CALLBOY

2017年の今頃、ESKIMO CALLBOY(以下EC)の3度目の来日ツアーの真っ最中でした。アルバム『THE SCENE』を発売し、3年ぶりの来日となるツアーでした。それからあっという間にもう4年…

昨年はECもメンバーチェンジがあったり、その後からはコロナで世界が大変な状況になったりと、バンドにとってもかなり大変な時期だったかと思います。日本では音楽業界に対して、世間からきびしい目を向けられてたり、あまり明るい話題がないけど、先日リリースされたECの新しいMVはそんな暗さを吹っ飛ばしてくれるモノでした笑

4年前の今頃、彼らとの回っていた日本のツアーは僕にとってすごく特別なものなので、そのツアー時の裏話や、ECとの出会いのきっかけや最近のエピソードなどを書きたいと思います。少しでも明るい気持ちになってもらえると嬉しいです。

ARTEMAとESKIMO CALLBOY

2016年にHER NAME IN BLOODがECのヨーロッパツアーに参加した経緯などは、以前にもこちらの記事にも書きました。

そもそも僕がECと出会ったのは2014年。きっかけは当時僕がマネージャーをやっていたARTEMAの曲に、ECのボーカル2人KevinとSushiがゲストとしてフィーチャリングしたことでした。その楽曲がこちら。

ECは2012年の初来日時にARTEMAと共演して仲良くなったらしく(まだ僕はECを知る前で、ARTEMAのマネージャーになる直前でした)、そしてレコード会社が同じWARNER MUSIC JAPANで、担当者も同じという縁でこのコラボが実現。↑の映像は2014年の2度目の来日ツアーの際に撮影されました。そのツアーの時に僕はECのツアーマネージャーとして東名阪に同行していました。

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ARTEMAとECの楽器隊たち。全員若すぎる笑

当時Kevinは激ロックでコラムの連載を書いていて、このツアーのことや、母国ドイツでのツアーやフェスなど、色々書いてるコラムで面白いので、ぜひ他の記事も読んでみてほしいです。

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東京2公演、吉祥寺SEATAと新木場STUDIO COAST

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移動はこんな感じでECクルー8名と僕とでマイクロバス移動でした。

来日中にタトゥー

ツアーが終わってから、Sushiが日本で漢字のタトゥーを入れたいとのことで、その段取りもしてあげました。日本語で、筆で書いたような漢字の入れたいと言ってて、入れたい文字や意味、雰囲気などの相談に乗り、HNIBのメンバーも入れてもらってる彫り師のヨミくんにお願いしました。当日スタジオまで同行した時の写真がこちら。Sushiの足には漢字で「夢」と入ってます。

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Sushiとヨミくんと当時のPA。このPAはECのタトゥーを入れてもらってたけど、酒癖の悪さで後にクビになったそうです笑

Sushiの新バンドGHØSTKID

そんなSushiですが、現在彼はGHØSTKIDという新しいバンドを始動し活動しています。既にアルバムが1枚CENTURY MEDIAからリリースされていますが、Sushi在籍最後のECのアルバム『REHAB』を更にダークに、シリアスにした印象。あぁ、Sushiはこういう方向に行きたくて、合わなくなってしまったんだな…と納得してしまいました。

ギターのJappoはずっとECのギターテックを務めていて、2016年のヨーロッパツアーの時は彼も一緒にツアーを回り、かなり仲良くなった奴でした。SushiのEC脱退は寂しかったけど、JappoがGHØSTKIDに加入したニュースは嬉しかったな。

そしてベースのStanniは、Sushiの後任としてECに加入したNicoと一緒にTO THE RATS AND WOLVESで活動していた人物。色んな繋がりがありますね。

Sushiのお好み焼き

ちなみにSushiとはしょっちゅう連絡とってて、こないだちょっと気になってたことを聞いてみました。SNSなどから"Sushi"という表記がなくなって、全てGHØSTKIDの表記になってるので、もしかしたら"Sushi"というのはECの中での芸名みたいなもので、もう使ってないのかな?と思ったのですが、そんなことはなく、"Sushi"は昔からのニックネームなので、今でもみんな"Sushi"と呼んでるし、Sushiと呼んでもらって全く問題ないそうです。"Sushi"だけど、最初の来日でお好み焼きが大好きになったらしく、先日は「ちゃんと作れるようになったぜ!」と、お好み焼きを作ってる動画が送られてきました。なんとおたふくソースまで手に入れてました笑 

実現まであと一歩だった2019年の来日ツアー

実は2019年にECの4度目の来日ツアーを調整していました。2019年になってすぐ、彼らのブッキングエージェントから5月にECの来日ツアーをできないか相談があり、さっそく動き出しました。アルバム『REHAB』のリリースに絡めたツアーを計画していたのですが、アルバム発売予定の時期もずれていき、最終的にに11月でスケジュールは決定しました。そしてこのツアーはECとロシアで一緒にツアーを回ったSHREZZERSからも来日の相談が来ていたので、SHREZZERSも同じタイミングで初来日させて、2バンドで回る予定でした。調整もほぼ最終の段階まで進んで、日程も会場も決定、あとはいつ発表するか、ぐらいまでの段階だったのですが、なんと土壇場でブッキングエージェントから延期にしたいと連絡…延期にしたい理由も「こんな土壇場での変更がこんな理由!?」と思うぐらい不自然なものだったんですが、今にして思えば、タイミング的にもこの時既にSushiの脱退のことなどが絡んでいたのかな…?と思います。

という裏事情で、実現できなかったECの4度目の来日ツアーは、SHREZZERSのヘッドラインツアーに切り替えて開催しました。EC用に会場を押さえてたので、SHREZZERSにはキャパ大丈夫かな?と心配してましたが、予想以上にお客さんも来てくれて、こちらも良いツアーとなりました。彼らもまた呼びたいなと思っています。

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ちなみに、このSHREZZERS、来日ツアー直後にボーカルのSamが脱退したんですが、ちょうどその後にECがボーカルオーディションを開始して、このSamも応募してたみたいです。その様子はECがインスタに投稿したAUDITION UPDATEでアップされてました。世界は広いようで狭いです。

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MC THUNDER Ⅱ秘話

2020年の2月頃Kevinから「歌詞に日本語を入れたくて、協力してほしい!」と連絡が来ました。それがこのMC THUNDER Ⅱでした。「サビで何か日本語を入れたくて、例えばKawaiiとか…」という内容でした。途中から相談内容が変わって、MVに日本語の文字を入れたくてそれを訳してほしいという相談になり、それがこの「Dancing Like a Ninja=忍者の様に踊る」でした。どう訳すかの雰囲気なども相談して、あくまで海外の人がステレオタイプな日本のイメージで持っている、ちょっと笑える雰囲気にしたかった様子だったので、"Google翻訳で出てきたものをそのまま使いました感"にしました笑 そして最初に相談されてたサビの歌詞の方の日本語の方は、MVを見てそのまま"Kawaii"を採用したことを知りました笑

本当はこのMVも日本で撮影する構想だったらしいですが、コロナで無理だったそうです、残念!でもドイツで活動している日本人の俳優さんを起用できたので、面白いものが出来た!と満足してました。

特別な思い出となった2017年の来日ツアー

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というわけで2017年の来日ツアーが今のところ最後にECが来たツアーなのですが、このツアーはとても特別なものとなりました。

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初日に観光で行った名古屋城。僕がばっちり名古屋城を隠しています。

このツアーのこともKevinがコラムに書いてくれてます。このコラムの他にもアルバム『REHAB』の時のインタビューにも僕のことも書いてくれてたのを、遅ればせながら去年ぐらいに知って、とても驚いたし嬉しかったです!

このツアーが特別だった理由のひとつは、ヨーロッパツアー後に活動休止したHNIBと僕にとって、ECと回ったヨーロッパツアーの思い出は、活動休止のツラい時間の支えとなっていたので、そのECと、そして新しいドラマーのMAKIと、今度は日本で回れることが最高に嬉しかったんです。

もうひとつ僕にとって特別だったのは、最終日が僕が元々働いていたライブハウス新宿WildSide Tokyoだったこと。HNIBファンの中には知ってる方もいると思いますが、MAKIをHNIBに紹介してくれたのがこのWildSideの店長のTK氏でした。そのTK氏のハコにHNIBは初出演、そしてこのWildSi日はMAKIの誕生日!もう祭になることが確定している夜なのでした。

ESKIMO CALLBOYと民泊

Kevinの提案で、誕生日になった瞬間にMAKIに動画メッセージを送ったんですが、動画を撮ったのが先のKevinのコラムにも書いてた、東京の時に宿泊したAirbnbで取った宿。このツアーの時、東京に3泊だったのですが、都心部で7名が3連泊できて手頃なホテルが全く見つからず!Airbnbで見つけたのが、この新宿のほぼ一軒家でした。寝室はだだっ広い部屋にベッドが8台あり、僕も2泊そこに一緒に泊まったんですが、修学旅行みたいな雰囲気!ECにとっても新鮮な雰囲気だったみたいで、逆にいつもより楽しい宿泊となりました。

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"Happy Birthday To You"のあの歌を、日本語で歌って、MAKIに動画メッセージを撮ってくれました。右にいるのはPAのBollo。

MAKIのバースデイダイヴ

最終日のこのWildSideは、HNIBとECのスペシャル2マンにしました。キャパ100だったのでチケットは即完売でした。HNIBのライブではサプライズでMAKIのお祝いも完了。

MAKIも恐らくサプライズはこれで終わりだと思ったでしょうが、ECのライブのアンコールでKevinからご指名でバースデイダイヴ!ついでに僕もMAKOTOに投げ込まれてダイヴ!

こうしてECの3度目の来日ツアーはとてもハッピーなムードで終了したのでした。

HNIBへのメッセージ動画

ここには書ききれないけど、ECとは本当にまだまだたくさんの思い出があります。バンドが大きくなっても態度が変わることもなく、最初に出会った時からずっとナイスガイ達。残念ながらSushiとは別々の道を歩むことになったけど、友達であることに変わりありません。HNIBが解散を発表した時にもわざわざ連絡をくれたので、僕はKevinとSushiにメッセージ動画を送ってくれないか?と相談しました。2人とももちろん!と即答でオッケーしてくれました。Kevinは新ボーカルのNicoと一緒に、SushiはGHØSTKIDのギターのJappoと一緒に撮影して送ってくれました。本当はかなり前に送ってもらってて、以前アップしていたヨーロッパツアー動画に続けて最後にアップしようとしてましたが、色んな事情で遅くなってしまい、それならこの4年前の来日ツアー最終日と同じ、MAKIの誕生日にアップしようと決めました。

というわけで、長いヨーロッパツアーの動画シリーズからの、この来日ツアー最終日、MAKIの誕生日ダイヴで、僕がECとHNIBのファンに見てほしかったストーリーは完結です。またESKIMO CALLBOY、そしてGHØSTKIDを日本に呼べるような日が早く戻ってくるとよいですね。

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2017年のツアー写真はPhoto by Shumpei Kato

PS. MAKI誕生日おめでとう。

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