罪の森 another episode ベラドンナ・リリーと狼男の月夜②
前回までのあらすじ
ベラドンナに復讐する為に森へと戻ってきた
オトギリ、彼女は妙な薬を注射をうつと
怪物へと変貌し、ベラドンナを襲う。
間一髪のところを救ったのは
白銀の毛並みをした人狼だった。
ベラドンナ
「コリウス、、貴方なの?」
人狼に問いかけるベラドンナ、しかしその
問い掛けに答えてはくれない。
怪物に変貌したオトギリの牙が人狼の肩を噛む
人狼は叫ぶが痛みを堪えて、怪物を強く殴る。
怪物化したオトギリは怯み、その場を離れた。
人狼とベラドンナだけになった静かな森
月夜が雲に隠れると人狼は姿を変える。
人間の姿、現代の格好をしているが
紛れもなく過去にベラドンナが愛したコリウス
に瓜二つだった。
ベラドンナ
「コリウス...」
コリウスに瓜二つの男は何も言葉を告げず
傷付いた肩に手を当て男はその場を後にした。
去ったあと、タイミング良くベラドンナを
探していたダチュラとストレリチアがベラドンナを見つける。ダチュラは涙ぐみながらベラドンナに近付く
ダチュラ
「ベラ様〜!!大丈夫ですか!?お怪我されてるではありませんか、早く治療しないと!」
ベラドンナ
「別に大した事ないわ、、、、」
ストレリチア
「ベラドンナ、一体何があったんだ?」
ベラドンナ
「オトギリよ、彼女が罪の森に来てるの
しかも、変な薬を使って怪物になったわ、、
もう本当にめんどくさいわ」
ストレリチア
「オトギリか、やはり人間の研究所から
逃げ出した事に間違いないな。
森の罪人達にオトギリを捕まえよう
連絡をせねばなるまいな、、、
ベラドンナ、他に変わった事は?」
ベラドンナ
「...ないわ、それだけよ」
ダチュラ
「ベラ様!早く治療してお風呂に入りましょう!
ささっ、早く早く!屋敷に戻りましょう」
ベラドンナはコリウスに似た人間が
人狼に化けた事は言わないでいた。
ストレリチアが地面の鮮やかな血に気が付き
持っていたマントにわざと付けた
ストレリチア
「一応、ラナンに調べてもらうか、、、」
ストレリチア
「オトギリ、、必ず生け捕りにしてみせる」
ところ代わって罪の森の大浴場
アリウムとタンジーが湯船に浸かっている。
アリウム
「平和だなー、タンジー。風呂は良いよなあ」
タンジー
「アリウムの兄貴〜もうあがりましょうって
もうのぼせちゃいますよ〜」
アリウム
「それは私の正義に反する、あと10分」
タンジー
「もう〜兄貴ってば〜..あれ?」
脱衣所に人影が、、声も聞こえる。
ベラドンナ
「よせ、ダチュラ。自分で脱げるから大丈夫だ」
ダチュラ
「はいはい!汚れたドレスはラナン様が作った
復元機に入れときますので、さあ入りますよ
ベラ様!」
大浴場にダチュラとベラドンナが入ってきた
ダチュラ
「あら、アリウム様とタンジーじゃない!
稽古はもう終わったの?」
アリウム
「やあ、ダチュラ、あれ?ベラドンナ怪我してるのかい?ここのお湯は傷を癒す効果があるからね、ささ、早く浸かろう。ベラドンナ
しかし、あれだな。ベラドンナが一体どうして
こんな傷付いているんだい?ダチュラ」
ダチュラ
「アリウム様、実はベラドンナの命を狙ってる
怪物がいるらしいの、、、!今でもその怪物は
この森に隠れているらしいの」
アリウム
「それは大変だ!森を警備する身としては
なんたる失態!くそっ!タンジーついてこい!
その怪物を正義をもって捕らえにいくぞ!」
タンジー
「兄貴〜まだ10分たってな、、
アリウム
「そんな事はもう言ってられん!早くいくぞ!」
タンジー
「ま、待ってよ、アリウムの兄貴〜!!」
ベラドンナ
「やれやれ、慌ただしいわね。いつもあの二人は」
ダチュラ
「ベラ様、オトギリがまた襲ってくるか
わかりません。傷が癒えたらすぐに屋敷に
戻りましょう」
ベラドンナ
「ダチュラ、、お願いがある。」
ダチュラ
「ベラ様が私にお願いですか!?今までそんな事1度も無かったのに!ベラ様、よっぽど怖い思いをされたのですね、、シクシク」
ベラドンナ
「実はオトギリから私を救った者がいるのだよ」
ダチュラ
「えっ?ベラドンナ様、それは一体、、」
ベラドンナ
「皆には言うなよ、、、実は」
ラナンキュラスの実験室
ストレリチアとラナンキュラスの2人がいる
ラナンキュラスはストレリチアが採取した
血を顕微鏡だったり特殊な薬品を付けたりして
調べている最中だった。
そしてラナンキュラスは口を開く
ラナン
「素晴らしい!細胞の活性化により
Alpha波の数値が他の血液よりも高い!
しかし、この化け物は凄い生命力を
もっているなあ、、、実験したい!」
ストレリチア
「で、オトギリが怪物に化けた薬の成分が
何かわかったのか?ラナン」
ラナン
「オトギリが摂取したのは今、人間達が
秘密裏に開発している生物ウィルスだよ
間違いない、こないだ
同盟を組んでる人間の科学者から聞いたよ」
ラナン
「人間の科学者、バターカップか
私もちょいと記者のライトレイクに頼んで
ちょいとその線について調べてもらうとするか」
ラナン
「私を取材したあの言い難い名前の男か、、
しかし、あいつは実に興味深いし面白いやつだ
あいつの片眼もちょっと調べてみたいとこ、、
おっとストリー、、これをみてくれ」
ストレリチアが顕微鏡を覗いた
ストレリチア
「...?」
ラナン
「わかった、分かりやすく説明すると
現場にはオトギリ、そしてベラドンナの血以外に
たもう1匹、いやもう1人いたことがわかった」
ストレリチア
「なんだって、、
ベラドンナはオトギリしかいなかったと、、」
ラナン
「もう一人、、ベラドンナとオトギリ以外の血があるんだよ。この血の染色体は、、
狼と人間の混合種、、初めてみるが
多分、ライカンスロープが出来る特殊な人間だ」
ストレリチア
「ライカンスロープ、、、?」
ラナン
「任意に狼に化けれる
特殊な能力を持っている力か、私も
噂を聞いた事があるが、まさか現物の血液を拝見するとは、、やはりまだこの世は興味深い
もう少し調べるよ。ストリー、また来てくれ」
ストレリチア
「ベラドンナ、、、何故、私に嘘を、、?」
月夜に照らせれた男、肩の傷口が塞がり
姿を狼に変え、森を駆ける。
オトギリだった成れの果て異形の怪物は
また突然変異を繰り返し、四肢は鋭い
突起物が生えてきている。
月夜に照らされる罪の森をふたつの怪物が
静かな夜を変える。
この月夜はベラドンナにとって
忘れられない残酷で儚い月夜になるでしょう。
まだまだ物語は続きます。
そして、狼男の正体は
正真正銘のあのコリウスなのか、、、?
罪の森の大罪人達は
オトギリを捕らる事は出来るのだろうか?
次回をお楽しみに