相談屋file No.1 「手伝い」の定義
「相談屋」シリーズについて
この記事にたどり着いた方で、「相談屋?」っと思われた方は、僕の自己紹介が下のリンクにありますので、よろしければご覧ください。
相談者:友人(子:1歳)
スタバで1人、本を読んでいた週末の午後のことでした。
ふと、聞き覚えのある声に顔を上げてみると、そこには1歳半になるお子さんを連れた友人(女性)の顔がありました。
およそ半年ぶりの再会だったので、色々話すべく、同席することに。
お子さんの成長のことやお互いの近況など、いわゆる世間話をしていたとき、相談ごとはやってきました。
「手伝う」ということ
その友人、最近夫と軽く喧嘩したとのこと。
原因は夫の「手伝うよ」という言葉。
一聴(一見)すると、何も問題ないように思えますが、友人曰く、「『手伝う』ってことはあくまで自分はサブだという気持ちの現れ。自分の役割だという意識がない。家事や育児は妻の仕事だと思ってるからそういうことが言えるんだ」とのこと。
彼女の相談は、「どうしたら夫が主体的に家事や育児をしてくれるようになるか」です。
結論
僕の答えは、「見方を変えれば、夫は主体的に家事や育休を担ってると思えるよ」です。
実態は?
この結論を出す前に、色々質問してみました。
Q.普段の夫が仕事から帰ってくる時間は?
A.最近は20時前後、遅いと23時とか。
Q.休みの日はどうしてる?
A.一緒に買い物したり、食事の用意は私(妻)だけど、その間子どもを見ててくれる。夫1人で出かけることはほとんどない。
Q.家の掃除とか洗濯、その他の家事は?
A.夫が仕事の日は全部私で、休みの日はそれぞれ気になった部屋の掃除や片付け、洗濯物溜まってるの確認したら気づいた方が洗濯機回して、終わった時動ける方が干す。
取り込むタイミングはだいたい私がやるか手を離せなければ言ったら夫がやってくれる。
畳むのは一緒にか、子どもの面倒を見てない方。
ゴミ捨ては、各部屋のゴミ箱から気づいた方がゴミ箱に入れて、集積場所には夫が仕事行く時に持っていく。
Q.家計の管理は?
A.私(妻)
Q.夫は子どものおむつ換える?風呂入れる?ご飯食べさせる?絵本読む?散歩行く?子どもと2人だけで出かける?寝かしつけはできる?
A.おむつ:換える
風呂:入れる
食事:食べさせる
絵本:読む
外出:する
寝かしつけ:できる時とできない時がある
Q.夫は家事とかに何か文句を言う?
A.ない。ただ、「自分がやるよ」ではなく「手伝うよ」としか言わない。
みなさんどう感じますか?
話を聞く限りでは、夫はら何もしていないわけではなく、ある程度家事も育休も担っている様子。
明確な担当分けがあるのは食事の用意と家計の管理くらいで(もちろんそれだけでも大変ですが)、あとはお互い気付いたらやるスタンスらしい。
言葉の意味とイメージ
そうなると、問題になるのは夫の「手伝う」という言葉のチョイスです。
確かに「手伝う」という言葉からは、「あくまで主担当がいて、その補助をする」ような印象が伝わってきます。
実際、国語辞典にも「他人の仕事を助けて一緒に働く」(デジタル大辞泉参照)とあります。
しかし、使っている方(夫)は、本当にそういう意識で「手伝う」という言葉を使っているでしょうか。
近年の日本人の言葉の使い方からして、辞書通りの意味で言葉をチョイスできているかは疑問です。
「手伝う」という言葉は、先述の辞書の最後にあるように、「一緒に働く」という意味があります。
この夫は、この部分だけを(無意識に)切り取って、「自分もやるよ」という意味で「手伝うよ」と言っているのではないでしょうか。
僕が質問した回答の内容からしても、夫が家事や育児に消極的な姿勢であるとは思いません。
だから僕は、先述のとおり、回答したのです。
「日本語って難しいよね」という言葉を添えて。
彼女は、かなりスッキリした顔になり、その後も色々話し、結局2時間くらい話し込んでから、一緒に店を後にしました。
ちなみにこの間、彼女の子はずっとスヤスヤ寝てました。(なんて良い子なんだ!)
全ては捉え方次第だ
僕がこの相談から学んだことは、「全ては捉え方次第だ」ということです。
これは、僕の大好きなMr.Childrenの「centre of universe」という曲の中に出てくる歌詞です。
みんなが言葉の正しい意味を知って、その通りに使えれば、誤解が少なくなるとは思います。
しかし、現在の日本において、本当に正しい意味で言葉を使えている人はなかなかいないように思います。
だからこそ、受け取る側次第で、印象が決まってしまうこともあると思います。
ネガティブな受け取り方もポジティブな受け取り方もできる場合、ポジティブな受け取り方をするように意識するだけで、小さな諍いはなくしていけます。
そして、その分みんなが少し幸せになれる、そんな気がします。
さて、今回の話について、みなさんはどう思われますか?
自分や家族、周りの人の行動と比べてみて、考えてみるといいかもしれません。
それではさよなら、また会う日まで。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?