審判格付けチェック 第5問解説+審判という仕事について
解説
ゴールキーパーがバックパスをキャッチしてしまったときはPKではなく、間接FKになります。
ペナルティーエリア内なのにFKで、守備側がゴールライン上に並んでいる映像を見たことありませんか?
こういうんです。主審が手を上げているのが間接FKの合図です。
間接FKは味方に当てなくてもよくて、だれかに当たればいいのです。こういう風に選手が並んでいたらその選手たちをめがけてシュートをぶち込んで、ゴールに入れればいいのにと思っています。ルールを知っていると得することもあるので、指導者の方是非ルールについては深く知っておくといいかと思います。
サッカーの競技規則は毎年細かな改正がなされるのですが、最近の改正で上記解答画像の話が明文化されました。いつの改正だったかは忘れました。
このような間接FKとなるシーンでキーパーを警告もしくは退場にすることはできないのです。
というわけで、Cを選んだあなたが正解です!
格付け結果
これは正解が少なく3割弱の方にとどまりました。
今回の絶対アカン
絶対アカンは2つあります。バックパスを取っただけなのにPKにしてしまったあなた、アカンです。2ランクダウンです。
格付け最終結果
皆さんは何問正解で、何問「絶対アカン」を選んでしまったでしょうか?
一流審判員のまま終わった方おめでとうございます!この格好を現在日本国内で出来る審判員は西村雄一さんと佐藤隆治さんしかいません。本当の一流審判員です。
(スペシャルバルキーンはJリーグ最優秀主審賞の特典で、現役審判員では上記のお二人しかいません。)
審判という仕事について
是非、一流審判員以外だった方面倒だとは思いますがお読みください。
今回、私も大好きな番組である「芸能人格付けチェック」をオマージュして、「審判員格付けチェック」という企画を軽はずみに始めてみました。来年やるかは未定です。
本当の番組では、映像から消えるだけで済みますが、仮に試合を担当する中で審判員がこの問題を間違えると割り当て停止の処分が必ず待っています。
一問だけでもです。
誤審には2種類あって、判定の際に主審の主観にゆだねられている部分が他人とずれて誤審になるものと競技規則に書かれたこととは異なる適用を行ってしまう誤審の二つです。
後者が今回の問題にしたようなミスですが、こういうミスを「適用ミス」と審判界では言っています。前者に関しては何とかかばいようがありますが、後者はかばいようが全くないのです。
こういうミスをしたときには、許されないのが審判員なのです。今回の格付けチェックで「一流審判員」でいることは試合を担当する審判員に課せられた義務なのです。
審判員のシビアさについて少しお判りいただけましたでしょうか?
だからといって、審判員を無条件に肯定してくださいといっているわけではありません。私もJリーグの某クラブの熱狂的サポーターで、自分が応援するチームが不利になる判定を受けたときにはスタジアムで大ブーイングしています。(2020年はもちろん2節以降できてませんが。。。)
ただ、しっかりとルールを知ろうとしていただきたいということと条件反射のように名前をみて叩いたりしないでほしいということです。ルールは難しいし、競技規則はわかりづらいです。ただ、ネット上で見れるので、いきなりたたくのではなく、少し調べてみてください。私も審判員の端くれとして、分からないことがあればお教えします。その代わり、戦術やサポーター目線など教えてください!
サポーター、選手、指導者、審判員、ボランティアの方々などサッカーに関わる全ての人がお互いにリスペクトしあえることが大切だと思っています。
怒りに身を任せて、「○○クソ」とか口汚い言葉で罵る前に、是非お互いにリスペクトという言葉を思い出してみてください。正直、審判員の側から選手・指導者・サポーターへのリスペクトが足りていない部分もあると思っています。リスペクトは相互関係の下にのみ成り立つので、お互い学び合い、リスペクトを育んでいけることを望み、この記事を終わらせていただきます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
是非今後ともよろしくお願いいたします
普段は、審判に着目し、自身のパフォーマンス向上のための分析をを目的にしたフルマッチ分析「WEEKLY REFEREEING ANALYSIS」という企画や審判のポジショニングに特化した「ポジショニング類型論」という企画をやっています。下に人気記事のリンクを張っていますので、是非ご覧いただけると嬉しいです!よろしくお願いいたします!
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