職業にこだわる違和感について。

僕が小さいころになりたかったもの。

野球選手、サッカー選手、歌手、俳優・・etc


小さいころから、ひとつの会社に就職し、一生そこで働くということに違和感がありました。

反動として憧れたのは華やかな世界。

とはいえ、スポーツ選手は中学校や高校時代の自分の身体の成長レベルから、早々に無理だとわかってしまいました。

当たり前のように、特に興味のない場所への進学や就職を決めていく同級生を見ながら、違和感を感じていました。

自分の人生、それで終わっていくのか、と。


もちろんどんな仕事にも意義や意味があり、否定するわけではありません。

しかし、歳とともに憧れや夢が否定されるのが当然となり、教師という道を選んだ大人だけからの進路指導には、納得できませんでした。


結果的に、僕は進路未定で高校を卒業し、俳優をすると東京に行くことになりました。


数々の縁もあって、年を追うごとに俳優として仕事をさせて頂く機会も増えていきました。

同時に、職業としての「俳優」という実態もわかっていきました。

俳優のみの専業で生活をしている人はほとんどいないということです。

売れていない俳優がアルバイトをしていたりするのは想像がつくと思います。

しかし、テレビで割と見かける人も、俳優の仕事だけではなかなか厳しく、何かしらの副業やアルバイトをしている場合があります。


俳優のギャラというのは、世間で思われているより、はるかに安いのです。

若くしてスターダムにのし上がっていったり、時代のトレンドにうまく乗ったごくごく一部の人のみが、純粋な俳優の仕事のみで生活しているといってもいいでしょう。


そんな環境なので、当然のように、俳優同士では、普段何の仕事をしているのかが話題になったりもします。

おそらく、芸人さんやミュージシャンといった方の多くもそうでしょう。

僕自身も例外にもれず、様々な仕事をしてきました。

幸い、様々なご縁によって、普通のアルバイトとは違った形で収入を得る機会が多く、また、自分で収益を上げていくという考えを持つことができました。

その中で、僕は肩書や職業に関係なく、どの分野でも「自分」を売りにしていきたいという思いが湧いてきました。


20代の頃は、「俳優」である自分にこだわる度合いが強かったのですが、「自分」が行う一つの仕事に「俳優」がある、という考えに変わっていきました。

時代的には、大手の会社でも副業を認め始め、一人が一生ひとつの会社で働き続けるということはスタンダードではなくなってきています。

また、個人で様々な発信をできる時代となり、肩書や職業より、その人自身にフォーカスが当たる度合いが大きくなったと思います。


仮に、一つの肩書や所属先を失ったとしても、個人で生きていける時代ですし、その術を身に付ける必要があると感じています。







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