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英検一級講師が教える最強の勉強法

こんにちは。札幌の教室で英語講師をしているアラといいます。

さて2月の25日に国公立大学の前期試験が始まります。受験もいよいよ最終局面。受験生の皆さんは、今は先のことも過去のことも考えず、淡々と勉強しましょうね。

今回は、究極の勉強法、最強の参考書、超効率の良い暗記法についてお話しようと思います。結論から言うと、そんなのないよ、一つを除いて、ということです。

「説」に振り回された2年

いきなりですが、2020年の前半から始まったコロナ禍は、本当に多くの人の生活を変えていきましたよね。そしてこの2年くらいの間に、コロナの原因、症状、対策などさまざまな話題についてさまざまな「説」が唱えられては忘れられ、私たちはそういった説に触れるたびに不安になったり楽観したり、本当に気持ちが忙しい日々でした。

「今こうだから、今後はこうなるだろう。」という予想がほぼ当たらないのが日常になり、「説」を唱える頭のいい人たちに対して、多くの人はちょっと呆れたような気分になっているんではないでしょうか。

思えば、このままでは42万人が死ぬ、という話で初っ端ガツーンとかまされてしまった。未知の病気に対していきなりこの数字をぶつけられて取り乱さない人は少ないでしょう。僕も不安に思いました。でも心のどこかで、そんなわけないだろう、とも思っていました。理由は簡単、そんなのわかるはずないから。そして先日、コロナで亡くなった方が2万人をこえた、というニュースがありましたね。

そもそも予想とは

過去に似た出来事が何度も起きていなければ、まともな予想なんて出来ません。天気予報だって過去の天気に基づいているし、自動車保険の保険料だってそうだし、偏差値だってそうです。一回こっきりの現象を予想するなんて不可能です。仮にそんな予想が当たってもそれは偶然に過ぎません。

偏差値だってあくまで「あるテストの結果の散らばり具合」でしかないものです。テストを実施したら、平均点がこうなって、平均より◯点多く取った人がこれくらいいた、という情報でしかありません。でも、予備校は模試の難易度を一定に保とうと努力しているし、大学も入学試験の難易度を一定にしようと努力しているので、今回のテストの点のばらつきが、概ね次の模試や入試でも現れるだろう、と人々が予想するわけです。本来は、別のテストの偏差値を突き合わせても特に何かがわかるわけではありません。ましてや、予備校のテストの偏差値が、別の組織である大学が作ったテストの結果を予想するのに使えるのかというと、ま、かなり怪しい。それでも偏差値が重要なのは、勉強時間が伸びればテスト結果も良くなりがち、という人類レベルでの経験則があるからです。このテストでこれだけの偏差値が取れるならば、それだけ勉強しているという可能性が高いから、〇〇大学にも合格できるんじゃないか、と考えるわけですね。

究極の勉強法はやっぱりコレ

お勉強に関しては、コロナと違って無数の前例があるので、もう正解が出ていると思います。究極の勉強法は、長時間勉強することです。人によって必要な時間は違うでしょうけど、完璧な方法を追い求めて「説」から「説」へと彷徨い歩くより、無理せず、できることからコツコツやっていくしかない。上手くいかなくても諦めない。

それに、謎の力でうまいこと試験を乗り越えても、人生結局どこかで実力が試されてしまいます。人柄とか実力なんて隠し続けられるものでもないですしね。

不安から身を守る方法

コロナ禍で、WHOをはじめ各種の医療機関が「不安なときはニュースを見るな」というアドバイスを発していました。最新の「説」は決まって不安を煽るものばかりです。一度不安を感じれば、立ち直るのにそれなりに時間が必要で、何とか気持ちが落ち着いたら、また新しい「説」がやってくる。これでは身が持ちません。コロナ禍を乗り切るのも勉強を続けるのも、騒がしい世間から程よく距離をとることが秘訣だろうと思います。

「説」ハンティングの代償

ネットを見れば、東大生が教える最強の勉強法とか京大生の暗記術とか、まあ山ほど「説」があるわけです。参考になるものも多いでしょうし、そういう発信をしている人たちの勉強への姿勢から刺激をもらえることもあるでしょう。なので「説」ハンティングにもメリットはある。でも結局は勉強を続けることが答えなのですから、自分は何を目標に勉強をするのか、どうして勉強したいのか、そういうことを自分の中で整理するのが、どんな「説」よりも効くと思います。

最新ニュースを漁ることの代償が不安なら、最強の勉強法を探し回ることの代償は落胆です。あっちの「説」を試しては上手くいかず落ち込み、またこっちの「説」を試してすぐに諦める。これでは本番に間に合うはずがないですね。人生のあらゆる局面と同様に、受験勉強で常に問題になるのが、時間が足りない、ということです。もしあなたが来年以降の受験をお考えなら、効率的な勉強方法を探す前にちょっと立ち止まって、そのことから考えて欲しいです。

あ、今年の受験生はこのまま突っ走ってください、くれぐれも。

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