ラピュタへの道 2
明日のラピュタリベンジを控え、ワイの頭はラピュタでいっぱいとなる。
仕事上数々のミスを犯しながらも考えた道順は大垂水経由で裏和田へ。そして鎌沢の停留所からラピュタへ向かうと、ラピュタ入り口に辿り着くまえにも結構な激坂を登らされる(初めてのときはもうラピュタ始まっていると思った)ということを経験上知っていたので、鎌沢の先からのアプローチにしようと考えた。
決戦の日。
桜が満開の多摩サイから浅川へ、そして高尾山口を経て大垂水へ。ゆるゆると。
足の温存のためだったらなりふり構っていられない。なんせ自宅からここまで80キロあるので。
そして辿り着いた生涯2度めのラピュタ坂。
入り口の広場で十分に準備を整える。
ウインドブレーカーを脱ぎ、グローブ、ウエストバック、アームカバーも外し、ボトルも下ろす。汗をしっかり拭い、深呼吸し、入念にストレッチをして、呼吸を整え、しばし体力を回復させた。
決戦の前の静かな時間が流れるほど、ワイはなんだか緊張してくる。
勝手にその空気に耐えられなくなって、追い詰められるみたいにワイのラピュタリベンジは始まった。
最初のT字路まで一気に登り斜度が緩むそこで一瞬休む。
よし、俺、なかなか冷静だぞ。とか思いながら再びダンシングを開始。
そして…
敢え無く撃沈。
圧倒的な斜度と、ゴールの見えない絶望とで身も心もあっという間にズタズタになって、バイクを降りてしまう。
足も限界なのだが、それよりも呼吸ができなくなってしまう。本気で溺れてしまって救助されたみたいな感じだ。
脚力不足もそうなのだが、心肺能力も鍛えないとラピュタには辿り着けそうにない。
しかもワイ、軽度ながら喘息も持っていたな、と10年ぶりくらいに思い出す事となった。
こりゃあ次のリベンジは秋まで持ち越しだな、と自分の実力不足を情け容赦無く思い知らされ、失意の撤退を余儀なくされた。
…はずだった。
ところが何故か翌週もラピュタへ挑むこととなる。
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