ラピュタへの道24 ワイの大冒険編
ラピュタの坂の2連敗の後の秋の空の下。
今日はそれほど時間もないので、以前から気になっていた4つの塔に行ってみようと思った。
決してラピュタに行くのが億劫とかではありませんよ。
ラピュタに向かうときとは違って、気ままなライドを楽しむ。
ってわけではなく、ラピュタに備えて足の温存とかはしないので、踏めるところは踏んでいく。
日々是精進。
いつものように向かい風の中、ワイにしてはなかなかのスピードで多摩サイを遡る。
ロードバイクにハマりだした頃、何が楽しいかと言うと、やはり、どこまででも行けそうな、どこにだって行っていいという開放感。それがたまらなかった。
3年半乗り続けて、今はあの頃とは比べ物にならないくらい走れている実感。それがじわじわ嬉しい。
足が売り切れてくると苦痛しかなくなるけど、どうにか帰宅しシャワーなど浴びていると、全身が痺れるような疲労感に包まれる。それが心地よい。
面倒くさがらずに走りに行ってよかったな、って思う。心から。
今はそういう段階。はたしてあと何年ロードバイクに乗るだろうか?乗れるだろうか?
ペダリングを工夫して、省エネながらスピードは維持できる力の入れ方がワイの中で開発されつつあって、それを確立しようと、言語化を試みながら走り続ける。
『踏む足の外側の筋肉を使うのではなく、太ももの骨を太ももの裏側の筋肉を使って引っ張る感じ』
かなとか、ぼっちディスカッションしながら4つの塔が見えた来た。
一体何の塔なのだろうか?
巨大なトロフィーみたいな…。
近づくにつれその大きさにワイのテンションも上がる。
なんだかSF映画とかロールプレイングゲームの主人公みたいな気分になる。
若者の皆さん、年を取っても考えることってそんなに変わらないものですよ。安心したまえ。
どうだす?なかなか少年心を突いてくるでしょ?このフォルム。大きさ。質感。
何棟も団地が立ち並ぶ、広大な敷地内に配置されているその様子は団地を守る砦のような、団地を見張る監視塔のような…。
近くを歩く人々はいるけど、ワイ以外誰も気にしていない。
むしろ塔に興味を持っているワイの方を珍しがっているようにも見える。
4塔の内一つにはロープが張られていて、近々取り壊されてしまうのかも。
だとしたら断固反対運動をしてほしい。
近寄ってもなんの説明はなく、ヒントも見つけられなかった。
アクティブな人だったら、地元の人に聴くのでしょうが、そこはワイなんで…。
一つ一つの塔の最上階には、塔を守る守人(もりんど)が一人いて、侵入者が来ると、内部の螺旋階段を猛獣とともに駆け下りてきて、人知れず葬っているのだ。
その4人全員を倒し鍵を4本集めると…
みたいな。
さて帰ろう。
あくまでワイはロードバイクで走るのが目的。ブログのネタを探しているわけではないのだ。
帰りもガシガシ踏んで我が足をいじめたよ。
速くなりたい、と思っているけど、一番しっくり来るのは「衰えたくない」なのかもしれませんな。
翌週もワイの大冒険は続く。
ジモティーで格安中古ロードバイクを買った。
受取先は茨城県のひたち野うしく。自宅から80キロ程。9時に受け取れば午前中に帰ってこれる、という算段のもと決めた。
6時の電車に乗って向かい、知らない街を歩いた。
ワイの足は自転車しか無いので、買い物も自転車。
サイクリング用のロードバイクは買い物には向かないので、荷台付きのロードが欲しかったのだ。
それまで乗っていた買い物用のはFUJIオリンピック、という40年位前の自転車。
これもジモティーで買ったのだが…ボロすぎて買い替えたかったのだ。
駅から1時間歩いて売り主であるリサイクルショップに到着。
いざ現物を眼の前にすると、何故か早く話を切り上げてしまいたくなる。
コミュ障なのかなワイ…。
ろくにチェックもせず「おーいいっすね~」とか言って1万円を払い店を出ようとすると、空気が入ってなかった。
空気入れを借りようとすると、ママチャリ用の空気入れを渡される。
仏式の空気入れを探してもらうと、運良く商品としてあったので、それで空気を入れ、サドルの高さを調整し、晴れてひたち野うしくからの冒険が始まる、と思ったのだが…リアのギアが変わらなかった。トップに固定…。
さすがにやんわりとクレームをつけると、
「それは、すいません…」との反応。
自転車屋ではなくリサイクルショップなので店員さんには直せそうもないし、ワイも無理。
キャンセルにしようかとも思ったけど、ここまでの交通費1340円が無駄になるし帰りも1340円かかることを考えると、シングルギアのロードを買ったと思うことにしようと考え(何故か)て「ま、いいよいいよ、直せる直せる」と謎の大風呂敷を拡げさっそうと店を後にするワイであった。
かろうじてフロントのギアは変わるし、足回りは良いので結構順調に走れた。
道中、結構な坂に差し掛かる。
普段なら少しテンション上がるのだが、リアがトップ固定というなかなかのハンデマッチ。
ダンシングというより、懸命な立ち漕ぎでどうにか登坂。
ふ・普段はもうちょっと登れるんですよ!と叫びたい。
そのうち、いつの間にかサドルの高さが下がってきていた。リサイクルショップの店員さんが電動ドライバーで締めてくれたのだが、甘かったようだ。
迂闊なことに工具を持ってくるのを忘れたワイは、目についた自転車屋に助けを求めるが「あー工具は貸してないし」と無下に断られる。ツレナイ…。
しばらく低すぎるサドルで進むけど、こりゃあ膝を悪くしてしまうぞぅ…と不安に包まれる。
やっと見つけたガソリンスタンドに助けを求めたら快く貸してくれた。お礼の意味を込めて一番高いコーヒーを自販機で買って、心から感謝を伝え走り出す。
茨城から千葉を通り都内に入ると信号が格段に増えストップアンドゴーが増える。
地味に「ほぼシングルギア」が足にダメージを与えてくる。
我が家の暗黙のルールの「サイクリングは午前中のみ」が気持ちを急かせる。
たった40キロ走っただけなのだが、相当疲労が溜まってくる。
まだ半分?と絶望すらする。
途中「お、何だあれ!」という建物をいくつか見かけるけど、もう既に11時。
写真も撮らずに先を急ぐ。
気がつくとスカイツリーの近くまで来ていてこれだけは撮ろうと急いで寄り道。
もう午前中に帰宅するのは不可能なので、少々開き直って「こうなったら銀座のルイヴィトンの前でこの新しい相棒Asahiラトゥールの写真を撮ったらいい画になるんじゃないか?」とか思い立ちちょっとテンション上がる。
しかし実際銀座に着くと、あまりの人の多さ、綺羅びやかさに
「ワイのような人間がこんな所をうろついていいのだろうか」と卑下スイッチが入り、逃げるように銀座を後にするワイとラトゥールであった。
結局帰宅したのは14時。疲れた…。
この日の教訓。
中古自転車を買うときは、現物をしっかり見て、細部をチェックしましょう!
工具、空気入れを持参しましょう!
都内を走るときはいつもの倍時間がかかると予定しましょう!
写真は恥ずかしがらずに堂々と撮りましょう!
だ。
1万円で、荷台付きロードバイクと貴重な経験を得られたと思えば安いものだすな。
FUJIオリンピック誰か買ってくれるかな…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?