ラピュタへの道49 急転直下の年の瀬年明け
1年以上かけてやっと49本目の記事です。
特に楽しみにされてはいないのはわかっていますが(悲しいことに)、誰にも読まれなくとも100本は書くと決めているので、そのうちの1本がどなたかの目に止まれば幸いです。
更にそれが誰かの琴線にふれることができたのならこの上ない幸せであります。
このブログでは私の趣味であるロードバイクについて綴ってあります。
この時点でかなり間口を狭めてしまっていますが、自分の好きなことならつらつらスイスイ書けるので、書いていて楽しいし、私が楽しく書いていなければ誰も楽しくないでしょうから(素人の拙い文章なので)、せめて楽しそうに書いているのが少しでも伝わり、あわよくばロードバイクに興味を持つきっかけになればなぁ、などと思いながら書いております。
今までは自分のことを「ワイ」と表現してきましたが、どうもしっくり来ない。そのうち慣れると使い続けてきたのですが、49本目の今でもやはり馴染まず仕舞いです。
なので49本目を期に思い切って一人称を変えようかと思います。…どうでもいいでしょうが…。
私、僕、俺、わし、ワタクシ、アタクシ、あたし、んー…。
やっぱ私(わたくし)だな。普通…。
前置きが長くなりましたが、私この度、新車のロードバイクを購入することと相成りました。
断っておきますが私、決して裕福な身分ではありません。
現在4台のロードバイクを所有しておりますが、
3台は格安の中古で、1台平均1万5千円位で買ったものです。1台だけ新車で購入したキャニオンも3年ほど前、清水の舞台からのダイブで20万くらいで購入したものです(ギリ値上げ前だった)。
そんな私がどうしてまた新車を買うに至ったかと言いますと、
ある日突然、年老いた実の父親が「自転車買ってやるよ」と言ってきたのです。
正直ちょっとボケが始まったのかと心配にすらなりました。
しかし父はいたって健康でまともでした。
どうやら兄弟が亡くなり、ちょっとした相続でお金が入ったようでした。
反射的に遠慮してしまいそうでしたが、よくよく考えてみると、せっかくの父親の男っぷりを無下にするのも野暮なつまらぬ否定的な行為に思えました。
心から喜ぶ私を見せるのが親孝行なのかなと、その話を喜んで受けることにしました。
こんなことは大人になって初めてだ。
それから嬉しい悩みができてしまいました。
せっかくだから憧れのエアロバイクにしようかといろいろ見て回り、ハイエンドバイクとかは流石に高級過ぎるかとか、それともTTバイクにしちゃう?とかニヤニヤとする年末の日々が続きました。
しかし、少しづつ冷静さを取り戻してくると、どうにも心躍るロードバイクが無いのです。
トレック、ビアンキ、ピナレロ、コルナゴ、ルック、メリダ、ジャイアント、キャノンデール、チッポリーニからボードマンまで見たのですが、これだ!と言えない自分がおりました。
結局、今乗っているキャニオンが気に入っており、ホイールを変えてだいぶお気に入り度が増していたのでした。
このキャニオンより高価で軽くて走れるロードバイクはいくらでもあるのでしょうが、私にはこれくらいのギリミドルクラスのキャニオンで十分だな、愛着もあるし、と思うと何も選べないのであった。
でもせっかくのこの機会。
されどせっかくのこの機会。
せっかくだからっつってそこそこ高級なバイクの中から、これならいいか、みたいな選び方をするのは父親に申し訳ないどころか、侮辱しているみたいに思える。
いっそのこと高級なホイール、コンポ、パワーメーターとかにしようかとすら考えた。
いやいやそうじゃないだろ…もっとほら誰もが納得するような答えがあるはずだ、そう思いながら2025年を迎えた頃、
そうだ、一生モノにしよう。
そう思った。
一生モノといえばチタンバイク。
そう思い至り、デローザかなーなんて調べていると…高い…。
流石に高いなぁと諦めかけたときに、Panasonicのセミオーダーチタンバイクの存在を知ったのでした。
結構手頃でカラーも選べて、見た目もカッコイイ!
しかもPanasonic!
なんかシブ!
オサレなビアンキでもなければピナレロでもなくパナチタン!
一番気に入ったポイントは、名前を入れることができるということ。
ここに父親の名前を入れて、形見として一生乗り続ける、それが一番だと思った。
最高の親孝行だと思えた。買ってもらうくせに。
いろんな所に行って、なんとなく父親のことを思い出しながら走るのもいいものだと思えるお年頃になった私であった。
さっそくショップに行って相談をはじめた。まだ年明け間もないので、具体的な話は次回からということになったけど、私の「父の形見の生涯のロードバイク」を巡る物語は始まったのであった。
品物が届くまでまだ2ヶ月くらいかかるようだが、色々考え、ショップで打ち合わせをし、選ぶ時間から、完成車を楽しみに待つ時間まで、全てがこのバイクと父親の思い出となるみたいで、なかなか良い選択をしたなぁと思えるのだった。
いや父親ご存命ですよ。いたって健康で。
良い年、良いロードバイクになりますように。