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ラピュタへの道41 スーパーチーム

 2年半前にようやく手に入れた新車のキャニオン。実に色んなところに行った。奥多摩、飯能、檜原村、道志みち、ヤビツ、日光、などなど自走で行ける範囲はほとんど網羅した。
 それらは全て購入したときの完成車のままで走って、特に何の問題もなく野を駆け山を超え、事故もなく帰宅し、まだ見ぬ地を目指し走り続けている。

ANOTHERTIME ANOTHERPLACE…

 しかし唐突に、青天の霹靂的に、フェリスはある朝突然に、ワイのキャニオン号はグレードアップのときを迎えることとなった。

 特にカスタムに無関心だったわけではない。むしろ興味津々だった。
 しかし、車体が軽くなったり、転がり抵抗が減ったり、そういうことはまだワイには早いと心の何処かで思っていた。
 大して速くもない自分がカスタムをして速くなったとて、それは自分が成長したわけではない、なんかズルい。そう思っていた。
 むしろ、重いホイールを履いたままのほうが自分を鍛えられるとすら感じていたのだ。
 もちろん金銭的な問題もあった。例えばタイヤ1本に1万円?ムリムリムリ!と反射作用みたいにアマゾンのページは閉じられた。
 
 それに加えてワイは生粋のぼっちライダーなので、仲間のナマのグレードアップ感動秘話を聞くこともないし、新調したてのまばゆいチェーンリングを間近に眺める場面も皆無だというのも要因の一つであろう。

 そんなワイのキャニオンが最初から履いているホイールは「フルクラムレーシング900」比べようもないので重いと感じたこともなかった。
 しかしネットなどで見聞きすると決して高価で高性能というわけではなさそうだ、という自覚を持ちつつも、日々新たなホイールを夢見ることもなく湾岸線をひた走り、和田峠をレー900の重みを呪うこともなくヒルクラし、

レー900で和田

矢野口ローソンにずらりとぶら下がった高そうなロードバイクの高そうなホイールを指をくわえて横目で見ることもなく、ホイール何履いてんの?と聞かれたこともないので何の負い目も感じることもなく、

いつでもどこへでもレー900で

 ただただレーシング900は文句も言わず、へそを曲げることもなく、律儀に愚直に生真面目ひたむき一心不乱に回り続けワイを運び続け、脱兎のごとく蜘蛛の子散らし、威風堂々猪突猛進疾風怒濤電光石火臨機応変に風切って見栄切って走り続けてくれていた。

 そんなある日の休憩時間、ワイはごつ盛り
を食べながらスマホで「ジモティー」を眺めていた。ずっとGIOSアンティーコを誰かが売りに出すのを虎視眈々と待ちわびているのだ。9ヶ月間。
 そこに掲載されていたのを見つけてしまった。
「スーパーチーム」を。
 29000円のホイールを。
 もう一人のワイがワイの胸ぐらを掴んで「行っとけぇ!」と背負投げよろしく投げ飛ばした。
 「うーわ…」と実際声を発しながらワイは取引したい旨を、ごつ盛りが伸びることもなく打ち込み送信したのであった。
 取引はこの上なくスムーズに進み、あっという間にキャニオン号はいかついディープホイールを履くこととあいなりましたとさ。

コレ(Racing900)から


こいつに

  あまりに急展開だったので、バブルエクステンダーの色も選べなかったし、カーボンホイール用ブレーキシューも吟味できなかったりしたけど、どうにか無事にキャニオン号にスーパーチームが装着できた。

 早速走りましたよ。
 なんかヒュルヒュルいいます。ワイの付け方のせいだろうか?
 まいいやと走り続ける。
 確かに悪くない問題ない。

 つまり違いはよくわからない。

 はっきりと言えることは、劇的に速くなったり、明らかに巡航が楽になったりだとかは全然感じなかった。

 ちょっと検索すればレビューなどたくさん出てくる。
 それらに綴ってある絶賛、落胆、嘲り、絶望…。ワイにはとてもじゃないけど自信を持って書くことはできませんが、一つはっきり言えるのは、ラチェット音そんなにデカくない。ぐらいです。
 それ以外はもうちょっと乗り込んで、様々な状況を共に走り抜けることで、少しずつ理解していくタイプなのでしょうな。ワイは。
 じわじわと感想を綴っていこうと思っとります。 
 違いのわかる男になりたいものです…。
 

 時々思うのですが、ネット上に数多あるロードバイクのブログで、グループライドの楽しそうな記事や、ネット上で呼びかけ合って集まってのカフェライド、チーム練の猛々しい備忘録や、どこぞの峠で誰かと偶然出会ったとか、ライド中に知り合って友達になったとか、ワイにはそんな経験一度もないし、特に望んでもいない。
 一人で乗っているだけで十分楽しいし、孤独にも感じない。
 自転車って基本そういうものなんじゃないかとすら思っている。

どこに行くのも自由気まま

 もちろん頑なにボッチでいたいわけでもないし、ひねて強がってるわけでもない。
 だけどただでさえメジャーとは言えない趣味。会社にロードバイクが趣味の人がいないほうが大多数だろうし、知らないサイクリストに話しかける勇気を持ち合わせている人は希少だろうし、SNSの集いに単身参加できない人の方が圧倒的に多いと思う。

 もしかしたらぼっちライドを淋しいと感じ始めたときが、サイクルライフの転機か末期なのかもしれませんな。

 スーパーチームのホイールのレビューを書こうとしたら話が随分逸れてしまった。
 ライド中もこういうことってよくありますよね。…何処や…ここ…?って。

 ワイのおニューの(中古だけど)スーパーチームのレビューじみた感想は毎回綴っていこうと思っていおります。
 
                                                                                                     

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