短歌 「でてこない」
数えてみれば、2021年の間に117首、メモに書き溜めていました。その中から抜粋して20首ほど、ここに残しておきます。
1(スーパーマンに捧ぐ)
この星で2本足で立つ術が「集中」なんだと思う、今翔べ
2ぼくたちの月を蝕むおおぞらは一体どんな心地だろうか
3 君が今失ったのは才だけど、得たものもまた才だと思う
4 ゴシップに一喜一憂できてたらもっと友達多いと思う
5 (友人との旅に)
一緒なら愛だ恋だをしなくともアルバムがすぐ埋まってしまう
6 むなしさはいつだって後付けだから足音を消すために再生
7 僕が今怖がっているのは飽きではなくて慣れなんだ、人柱
8 幸せはいつだって偏在してるからテーブルにいっぱいの肉
9 頑張ってない日の酒はいつもより鈍く回って心に悪い
10 持てる語彙尽くしてもまだ素面では言えないことを𝓛𝓞𝓥𝓔と呼びたい
11 偽物のマヨネーズ味のポテサラはいくつになっても苦手なままで
12 4、8 とっ 8、16 たっ つてたつと 血が巡ったら 心が揺れる
13 何文字のリズムでだって踊れるし、傷つくこともできるのだから
14 お友達になりませんか？なんてこの歳でいわれると思わず「是非」
15 (星街すいせいに捧ぐ)
鳴り止まぬ音楽が僕の脈拍 いつだって君は星だからさ
16(亡き友人へ)
きみが筆をそっとおいたその日から少しだけ深く息をしている
17 かつこよい雰囲気よりもかつこよい生き方でありたいな チューハイ
18 とうとうと屁理屈理屈並べたて朝になったら全て忘れる
19 いまあなたに無理させた分、私の悪口ちゃんと後で吐いてね
20 (”誰がロックを殺すのか“を経て)
鼓膜より先に震えた心から出づる想いがロックンロール
短歌って写真みたいだな、と思います。
動画の撮れる今、一瞬を切り取ることみたいに、何文字だってインターネットの海に流せる今、31字に、きまったリズムに整える。
思い出深い一枚は、切り取った一瞬以上にたくさんのことが思い出せるみたいに、短歌も整理していくと、当時の心象風景ごと蘇ってきて、そこがとても好きです。
2021年は、これの他に2つしか記事を書くことができませんでした。サボっていた、というよりかは、ここに切り出せるだけの、「自分」の余りがない一年でした。
自分の進路と向き合う中で、沢山の人に自分を話して、沢山の人の話を聞きました。大学最後の一年だからと、誘いはできる限り断らず、いろんな場所に、いろんな人と、いろんな時間を過ごしました。
進路選択は、自分の納得のいく形で最後まで向き合うことができて、悔いない結果になり、本当によかった。
2021年は、「人と過ごす楽しい時間」がきっと人生で一番多かったと思います。
でも、どこから自分の言葉か、分からなくなってしまった一年でした。
「誰かの言葉(=思い)」を届けること、誰かの言葉を受け取ることは、僕の発信活動全般のやりがいです。そこに向き合って、自分にできることもなんとなくわかってきました。
自分にも、自分のモチベーションにも向き合えたから、余計わからなくなったのだと思います。そんな中でも心が動くことはたくさんあって、それを整理するだけの自分の言葉がなくて。
だから最後の手段が、短歌でした。せめて31文字を、切り取っておくことで、「これはまだ自分の言葉だな」と思えたりして。そうやってこの世の中に出力する術があって、本当によかった。
特に今年の本垢のツイートには、それが顕著に出ていたんじゃないかなって思います。
そして今年は「話す」ことが多かったです。僕はなんとなく筋道を立てることとか、具体化することとかはとっても得意なので、プレゼンはもしかしたら話す方が向いてるかもと思ったりします。
でもそればっかりだと余計、どっから自分の言葉か、見失うんです。得意だから、テクニックになってる部分もあって。
だから2022年は、「自分の言葉で届ける練習」の年にしたいなと思います。1年とかじゃきっと、全然上達しないと思うけれど、少しずつできるようになりたいのです。お付き合い頂ける方は見守っていただけると、嬉しいです。
それでは、決意表明もしたことですし、今年はこの辺で。ここの記事まで追ってくださるような皆さんには、言わせてください。
来年も「新井 怜」をよろしくお願いします。
ではまた。
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