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GPアドバンスベスト64ゲンム抜き青白天門


1 初めに

 本記事は筆者がデュエル・マスターズグランプリ2024-2ndにて実際に使用した青白天門の振り返りを目的に執筆する。今後のアドバンスフォーマットの青白天門の発展の一助になれば幸いである。

2 先行研究

 本構築はのすけ選手の公開した動画を参考に調整を開始した。以下にその動画を示す。筆者自身元々オリジナルフォーマットで青白天門を使用しておりアドバンスのデッキが決まっていなかった所であったためこれを叩き台にしてグランプリの調整を開始した。





3 仮説

調整において筆者が感じた先行研究構築の良い点と悪い点を挙げる。

良い点
1)ムザルミブーゴがオリジナルにはない強力な挙動を多数行える点。特にデッドアックス装備による面干渉と次元のスカイジェットによるバウМロマイオンの攻撃時効果使用のラグの帳消し、疑似シールドプラスとレッドゾーンバスター侵略による盾の回復の3点が特に強力だった。
2)1)に通じるが元々山を掘ることが得意だった青白天門がムザルミブーゴのシールドプラスによって能動的に山札を掘削できるようになった。これにより「必殺でつわものどもが夢の跡」を打ちやすくなった点

悪い点
1)ゲンムエンペラーの役割が薄い点。調整時点でのアドバンスフォーマットの主要なデッキにゲンムエンペラーがクリティカルに刺さるデッキが少なかった。筆者が環境デッキとして定義したのが
①天門系
②ドラゴン系
③ファイアー・バード
④黒単ゼナーク
⑤バクオンソー系
⑥籠城系
である。
 天門ミラーにおいてゲンムエンペラーはパワーラインの高いブロッカー以上の役割がなくドラゴン系のデッキもほとんどが5コスト以上のカードで構成されているため同様に大型ブロッカー以上の役割を持てない。
 ファイアー・バード、黒単ゼナークには確かに有効だが実際はハンプティルピアによってハンデスされることがほとんどであり着地まで到達することはゲンムエンペラーとウェルキウスのセットを複数枚を手札に抱えているような状態でないとほぼ無理であり現実的ではないと言える。後者についても天門側のゲンムエンペラー着地より先にゼナークが着地することがほとんどであり小型クリーチャーで自爆されるだけで簡単に返されてしまう。
 バクオンソー系のデッキにも有効ではあるのだがそもそもバクオンソー系のデッキは大型ブロッカーがきついのでゲンムエンペラーでなくともバウМロマイオン等でも十分である。 
 籠城系のデッキにはゲンムエンペラーよりもペルフェクトの方が有効でありゲンムエンペラーの封殺範囲のコスト5以下の呪文はバクオンソー系のエンドオブランドの採用やそもそもゲンムエンペラー対策でほとんど採用されなくなってしまっていた。よってこの対面でも打点以上の役割がなくレッドゾーンバスターによって打点形成は簡単に行えるので役割がない。
2)「必殺でつわものどもが夢の跡」がフィニッシャーなのに1枚採用な点。アドバンスフォーマットの青白天門は良い点2)でも述べたが山札を能動的に減らせるのにフィニッシャーである必殺が1枚しか採用されていない。エクストライフや盾落ち、ギャラクシーチャージャーによるボトムへの移動など1枚ではフィニッシュに不安があった。
3)ドローソースについて。先行研究構築では3コストのドローソースになぜ離れが採用されているがこのカードが有効な対面が黒単ゼナークと赤黒バイク位であり前者は一度の墓地リセット程度では戦局を変えるほどの影響は与えられない。後者に関しても逆転の影ガレックやザ・ヒート、ドキンダムの炎霊などで墓地を肥やせるのであまり有効には感じなかった。
4)ドラゴン系対面の不安。ドラゴン系デッキは先ほども述べたがゲンムエンペラーでは止まらないことが問題だった。特にデュエキングのモルトDreamは高いパワー、打点形成能力が抜けており天門側が先に展開してたとしても貫通される事もあった。殴るデッキ全般に対する蓋性能に不安を感じた。
5)ミラーの難しさ。アドバンスの天門系ミラーは基本的に先に展開する方が不利である。ムザルミブーゴのアタック先になってしまうからである。巨大軸のときはこれをウェルベットを先に出すやエモーショナルハードコアでムザルミブーゴを宣言することで先に展開する事ができた。しかし青白天門ではそのような蓋をできるカードが存在しないためお互い相手が展開することを待つ展開が多かった。

以上のことから
1)ゲンムエンペラーは有効なカードではない。
2)必殺でつわものどもが夢の跡は2枚以上は採用したい。
3)ドラゴン系やミラーのために攻撃制限能力のあるブロッカーを採用したい。
の3点を改善できる点として構築を考えた。

4 構築


ゲンムエンペラー抜き青白天門

これが筆者の使用した青白天門のリストである。先行研究との差異について解説する。
1)ゲンムエンペラー不採用。直前にも述べたがアドバンスフォーマットではゲンムエンペラーが有効でないため不採用とした。
2)必殺2枚。フィニッシャーのために複数枚採用した。
3)アクアTITAANSの採用。ドラゴン系やミラー対策を目的に採用した。離れ不採用によって黒単ゼナークに勝てなくなったが元々超不利対面のためほとんど影響はなかった。ツインパクトがデッキと噛み合っていてバウМロマイオンやムザルミブーゴのディアジゴクで墓地から回収できる点が強力だった。おまけのようなガードストライクも強力であった。
4)バウМロマイオン3枚目の採用。必殺を踏み倒す準フィニッシャーのため3枚目を採用した。1枚ゲームに絡めばよいが2枚絡むと複数回のエクストラターンも現実的であり3枚採用することでマナや盾などにあってもゲームに、絡みやすくなった。
5)エンドレスヘブンの採用。主にミラーと籠城系デッキ対策のため採用した。「真実を見極めよジョニー」を当てることで真エスケープによって能動的に盾回収を行えるようになった。またタップ効果も強力でミラーにおいては龍解させてエクストラターンを取りながら盤面を制圧する動きが強力であった。

5 考察

 当日の戦績や入賞リストから考察できたことを示す。
1)ミラーにアクアTITAANSが有効だった点。天門ミラーにおいて先に展開するできることはとても強力だった。また先に展開する基準をアクアTITAANSを出せるかに設定したのでプレイ方針が一貫しやすかった点も評価が高い。
2)ゲンムエンペラーについて。上位入賞したリストをみるとゲンムエンペラーを不採用とするリストが多く見られ仮説が支持されるような結果となった。
3)必殺について。必殺2枚採用のリストも多かった。アドバンスにおける禁断や封印ギミックに対して強力でありこちらも仮説が支持されたと言って良いと考える。
4)エンドレスヘブンについて。やはりミラーにおいて強力であった。デッドアックスの龍解と合わせると2面処理が可能でありミラーにおいて盤面の取り合いで強力であった。またエクストライフのついたバウМロマイオンを真エスケープから解決することで一発解体して手札に戻す動きも汎用性が高かった。

6 参考文献


7 謝辞等

最後に深夜まで調整に付き合ってくれたらなきさん、いきなりDMしたのに真剣に相談に乗ってくれたやおさんに深い感謝を。質問、誤字脱字の報告等は筆者のDMまで(https://x.com/Teru_DM

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