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ジレンマを想像する 2024.11.20
髪の毛をこうしたいどうしたい、いつも通りに切りたい、変えたい、変えたくない、など。美容院には色々なご希望のお客様がいる。自分も一歩外に出れば消費者の側なので、それなりの思いで毎回美容室に行きます(あまり行かないのですけど)。
美容師側としては、その時のお客様からのご要望の先をつい考えてしまう。その方の来店周期から推測するに次来るであろう辺りにどうなっているのか。どこにピークを持ってくるかというのも重要だし、花火のように散りたいのか(あんまりいない)徐々に変化を楽しみたいのかとか。
僕は話をまずじっくり聞いて、けっこうなところまで引き出させてもらったあと一旦それは置いといて、こちら側のご意見やご提案をする。その時点でテーブルには『お客様のご要望と、こちら側からの提案』が乗ることになる。
そこから今回のご希望の理由や経緯、さきほども触れましたどの時期にピークがほしいかどうだとか、今後の手入れだとかをそれぞれ確認していって、じゃあここだね!という着地点を決めます。
まず聞きっぱなしでそのまんまをやるのは良くない。逆にエゴ満載と言わんばかりに提案をゴリ押ししてもダメ。お客様が納得してこちら側もよし!と思えるポイントを探ることが成功の8割を決めると言っても過言ではない。
トレンドも大切だが、その人の心がどっちを向きたいか、またはどっちを向いたらより上がるのか、それが1番大切で。
お店的に推し進めているメニューとか単価上げるためだけのトリートメントのおすすめとか、そうじゃねぇだろと。まず聞く、話す、カウンセリング。
で、やる。これは技術と知識。
他の美容師にツッコミ入れて業界に文句を言う前にまず自問自答し自分の日々のやり方とスキルに向き合いたいなと常々思っている。
少し逸れた。
しかしどんなにカウンセリングで向き合っても違うって事もまあまああります。完成系のイメージ予想図が少しズレると、着地点のズレがたまにある。宇宙飛行士の帰還する際の着地点のずれの様な感じで、どんな緻密にやったって多少の差は生じる。
お客様が言う暗いはどのぐらいのことなのか、強いパーマとは、栗色とは、短めとは、ギャルっぽいとは、女性らしさとは、スッキリめとは…etc…
どんなに話してもその感覚の差は仕方ない、人間だから。しかしそれをどうするか。
なかったことにしてないか?言い訳してないか?正当化していないか?
そして着地点をちゃんと話しているか。例えばブリーチをして色を入れる時、どんな色をどんな濃さで入れるか。どのぐらいもつのか、またはもたせたいのか。何月何日に1番良い状態が望ましいのか、例えば発表会や旅行があるとか。
仕上がりが理想と少し違っても納得してやって頂けているか、少しのジレンマの先を想像して伝えているか、それが美容師の仕事で大切なことのひとつ。
今日もたくさん想像した。明日も想像するよ。
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食べ過ぎには要注意