信州と名古屋14号
■水技術活用シンポジウム
信州と名古屋を結ぶイベントが相次いで開かれました。ひとつは名古屋市中区の中日ビルで開催された「中部圏から全国へ!水技術を活用したまちづくりシンポジウム」(信州大学など共催)です。
■グリーンエネルギー地産地消
飯田市の佐藤健市長は、基調講演でグリーンエネルギーの地産地消モデルの構築の取り組みについて説明しました。
現在の水素ビジネスは、海外からの輸入、沿岸部大規模プラント、膨大な輸送コストで二酸化炭素発生という課題があります。
飯田モデルは、内陸部での水素供給、需要に合わせた中小規模プラント、輸送コスト大幅減ができます。海のない飯田市でも水素ビジネスの可能性が広がってきます。
さらにバイオエタノールの製造を進めることで、バイオプロパンに置き換えるなどの取り組みも視野に入れた構想です。太陽光と水から生成されるグリーン水素に加えて、既存の製造方法の水電解グリーン水素などを組み合わせて、飯田・下伊那地域全体でグリーンエネルギーの生産、消費サイクルを生み出したいと説明しました。
伊那谷を通るリニア中央新幹線
の開業がさらに延期されたなか、「リニアを迎える10年の間に実現したい」という飯田市の思いは、新しい目標として動き出しています。
■防災・減災からも中経連が期待
シンポジウムを後援した中部経済連合会の水野明久会長は、防災・減災の面からも水技術に期待を寄せています。
「災害大国といわれる日本において、防災・減災という大変重要な課題に対して、水技術がそのワンピースになり得るのではないか」とあいさつ。能登半島地震を例に、「普段当たり前に使っている安心な水を身にしみて感じることとなった。(水技術の)被災時への活用を見出していただきたい。経済界からのお願いです」と実用化を要望しました。
■地球の恵ファーム
エア・ウォーターの「地球の恵ファーム・松本」は、2025年完成予定です。シンポジウムの招待講演者は、エア・ウォーター地球の恵ファームのグループリーダー、江口明日美さんです。日本初のバイオマスガス化炉や食品廃棄物を使った湿式メタン発酵施設、その資源を生かしたトマトの水耕栽培ハウス、サーモンの陸上養殖施設が約1万平方㍍の敷地に設けられています。ファームでは、地下水を再生し、循環させることも試みています。
■ORIGAMI
二つ目は、ヤマザキマザック美術館(名古屋市東区)の展覧会「布施知子 ORIGAMIー紙の鼓動ー」です。
布施さん(1951-)は大町市在住の折り紙のスペシャリストです。展覧会では、「ユニット折り」、「スパイラル折り」、「平折り」、「無限折り」など様々な折り方によって無限に形を変化させる作品約50点を展示しています。
会期は2025年3月23日まで。一般1300円、小・中・高生500円、小学生未満無料。
■昭和100年は巳年
2025年は昭和元年から100年です。布施知子展では、折り紙のスネークの作品もあります。長野県の皆様も巳の年にご鑑賞ください。