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廃棄ロス削減へ筆柿フェア~筆柿風呂や詰め放題など岡崎市で11月7日まで

 柿の「筆柿」は、愛知県幸田町が主産地です。JAあいち三河(岡崎市)はこれまで、管内の主力品種の販売促進を進めてきました。今年は、廃棄ロスを減らそうと一工夫した筆柿フェアを11月7日まで開催しています。
■筆柿とは
 形が筆先に似ていることから筆柿と呼ばれています。概要は、noteに2021年10月1日に配信した「一本の木に甘柿と渋柿~愛知県幸田町は筆柿シェア95%」をご参照下さい。
 この時の記事では、JAあいち経済連と協力して大手スーパーに販売を働きかけ、特設ブースを設ける動きを紹介しました。
■初のフェア
 JAあいち三河と岡崎市内にあるスーパー銭湯「おかざき楽の湯」が、「柿の日」の10月26日から11月7日まで、おかざき楽の湯で開催しています。ちなみに柿の日は、全国果樹研究連合会カキ部会が2005年に制定しました。
 26日は初日限定で筆柿詰め放題のイベントを開催。7日までの期間中は筆柿を風呂桶に入れて浮かべる「筆柿風呂」もユニークです。柿のジュレを使ったソフトクリームも館内の食事処で提供しています。
 ふだん出荷しない柿の葉を砕いて塩と一緒にした柿の葉塩サウナもあります。
■廃棄ロス削減へ

風呂桶にいっぱいの筆柿(JAあいち三河提供)

 筆柿には渋柿もあるため、渋みを感じにくくさせる脱渋という処理をしています。JAによると、渋柿と判定した筆柿は、5日間かけて脱渋しています。収獲から時間がたつため、味は変わらないものの表皮が傷んでしまい、脱渋柿の出荷時点で1日あたり3~4割が出荷できないといいます。
 今回のフェアでは、傷んで出荷できないもの、ふだんは出荷しないものを銭湯で活用することで、廃棄ロス削減につなげようという狙いです。
◼️2021年の再掲
 2021年の農政ジャーナリストの会主催のオンライン勉強会で、金子信博福島大学教授の話しです。
 「いまは業務用に野菜などの規格を統一して、農家自身で小袋に入れて出荷するやり方です。これを例えば、売り場に農産品を山積みにしておき、買い物客が(規格外でも)好きなものをエコバッグに入れてレジで精算すれば、農家の手間が省ける」という趣旨でした。
■不ぞいでも良い
 商品として規格を統一する、いわゆる目ぞろえは大事です。その一方で、多少の形のゆがみや傷があっても味が良くて安ければ消費者が買う傾向が強まっています。もちろん有機ならなおさらです。
 目ぞろえと不ぞろい。消費者目線で出荷していくことで、廃棄ロスを減らす方法が多彩であることを、JAあいち三河の取り組みが教えてくれます。(2024年11月1日)

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