ウズラ卵の消費減少~産地の豊橋で「うずLOVE運動」~そこのキミ、もっと殻を破ってみないか?
小学校の給食に出されたウズラ卵で誤嚥(えん)事故があったのは、2024年2月。これ以降、ウズラ卵の消費が減少しています。日本一のウズラ卵の産地、愛知県豊橋市はいま、「うずLOVE運動」として消費喚起を進めています。
■JA記者会で紹介
JAグループ愛知は9月27日、名古屋市内で定例の記者会を開き、今月の話題としてJA豊橋の「うずLOVE運動」を紹介しました。
豊橋市は全国一のウズラ卵の産地です。愛知県は国内市場の6割を占めていますが、このうち8割は豊橋市とのことです。
JA担当者が県内でウズラ卵を扱う食品メーカーに聞き取りしたところ、事故後の3~5月の出荷量が前年同期比70%に減少したそうです。そのため在庫が積み上がり、同1.7倍になっていました。
■「うずLOVE運動」とは
豊橋市とJA豊橋、豊橋養鶏農業協同組合、県養鶏協会は生産者を支援するため、ウズラとラブ(LOVE)のウズラ愛で、「うずLOVE運動」を始めました。日本農業新聞愛知版(9月6日)によると、活動の第1弾は8月下旬。豊橋市民球場で開催されたプロ野球ウェスタン・リーグ公式戦で来場者1000人にJA豊橋がウズラ卵の水煮や燻製(くんせい)卵を配っています。
■10種類のメッセージカード
豊橋市はウズラ卵応援のため、「そこのキミ、もっと殻を破ってみないか?」など10種類のメッセージカードを作成して応援しています。
はがきサイズで、「うずLOVE運動はじめます。」の宣言文。裏返すと、「食べたくて食べたくて うずうず してんじゃないの?」とか、「うずらは、おとなにこそ 食べてほしい。」などのキャッチなコピー文があります。
「今日、温玉10個 食べました」もいいですね。私も記者会の日の夕食から翌朝、燻製や水煮、ゆでたウズラ卵を10個近く食べました。
■栄養価高く、保存食にもオススメ
ビタミンA、Bは鶏卵の約4倍。鉄分や葉酸は約2倍(可食部100㌘あたり)あるそうです。
賞味期限は燻製が2025年1月まで、水煮は同2月までと保存期間も比較的長く、栄養価も高いので、防災用のローリングストック食に防災士としてお奨めしたいと思います。
■ウズラってなに?
ウズラはキジ目キジ科ウズラ属です。大辞泉によると、全長約20㌢。ユーラシア、北アフリカに分布。古くは鳴き声を楽しむために飼育された。肉・卵ともに美味とありました。
愛知県農政部農政課発行の「よくわかる あいちの農林水産業2024」によると、鎌倉時代に家禽として飼育され、大正時代以降本格的に改良され、ニホンウズラが作出されたとあります。
■飼ってみたいが・・・
田舎の実家で飼ってみようかと思ったのですが、JA担当者によると家禽の中では野生に近く、いかにストレスを抑えてあげるかが肝要とのこと。
そのため、飼育に最適な温度は22度~26度。鳥インフルエンザなどの防疫も欠かせません。ワクチン、消毒、環境管理などなど。なにより、エサはニワトリに比べて栄養分の高いものを与えるというので、飼料代もかかりそうです。
せめて、ウズラの卵を買って、一羽ごとに異なる殻の模様を眺めてみることにします。
(2024年9月30日)