伝統と革新の融合:大丸松坂屋百貨店、メタバースに挑む
上記の記事を参考にブログを書きました。
和の趣とデジタルの共演:異彩を放つブース
東京ビッグサイトで開催された「コンテンツ東京」。そこに一際目を引くブースがあった。のれんと砂利、そして法被姿のスタッフ。一見すると日本の老舗旅館を思わせるその空間の主は、なんと大丸松坂屋百貨店。そう、あの創業300年以上の歴史を誇る老舗百貨店だ。
しかし、彼らが扱うのは着物でも茶道具でもない。「高級アバター」という、デジタル時代の最先端プロダクトだ。この意外な組み合わせに、来場者の目は釘付けになっていた。
2万8000円のアバター?百貨店の挑戦
大丸松坂屋が展示したのは、VRChat用のオリジナルアバターだ。一般的なアバターの価格が3000〜5000円程度である中、同社の商品は2万8000円から。まさに「高級」の名に相応しい。
現在12体を販売中で、その中にはアーティストAdoさんのイメージディレクター・ORIHARAさんの作品も含まれる。百貨店らしく、一流クリエイターとのコラボレーションにこだわった商品展開だ。
なぜ百貨店がメタバース?DX推進部長の思惑
「なぜ百貨店がメタバース事業?」という疑問に、大丸松坂屋百貨店DX推進部部長の岡崎路易氏は明快に答える。「メタバースで生活している人がいるから」。
岡崎氏自身、社長の指示でメタバースを調査するうちに、自らゲーミングPCを購入。気がつけばVRChatの世界に没頭していたという。そこで彼が発見したのは、VRChat上で"生活"する多くのヘビーユーザーたちだった。
「正装」というコンセプト:百貨店の矜持
大丸松坂屋のアバターは「正装」をコンセプトに制作されている。複数の実力あるクリエイターと共同で、百貨店の名に恥じないデザインとクオリティーを追求した結果だ。
これは単なるデジタル商品の販売にとどまらない。岡崎氏は「若手クリエイターの育成も担う」と語る。現代アートや工芸家のキュレーションで培ってきた、ブランドやアーティスト、デザイナーとのネットワークという百貨店ならではの資産を、新たな形で活用しようとしているのだ。
メタバースコンサルティング:百貨店の新たな挑戦
さらに驚くべきは、大丸松坂屋が百貨店の枠を超え、メタバースのコンサルティング事業にも乗り出すという点だ。米VRChatとの公式パートナーシップを締結し、アバターの制作・販売で得たノウハウを活かしたB2Bサービスの展開を目指している。
まとめ:伝統と革新の融合が生み出す未来
和の趣漂うブースで最先端のデジタルアセットを販売する。一見すると矛盾するこの光景は、実は日本の伝統と革新が融合した姿なのかもしれない。
大丸松坂屋百貨店の挑戦は、単なるデジタル化strategy戦略ではない。長年培ってきた「質の高さ」への追求と、新しい技術や文化を受け入れる柔軟性。この2つを併せ持つことで、彼らは新たな時代の「百貨店」のあり方を模索しているのだ。
今後、彼らがメタバース空間にどのような「正装」をもたらすのか。そして、それが実世界の百貨店にどのような影響を与えるのか。大丸松坂屋の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
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