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長野市「道とん堀 長野青木島店」名人とのひと時

店名 道とん堀 長野青木島店
場所 長野県長野市青木島町青木島449-2
電話 050-5868-8842
ジャンル お好み焼き
バリアフリー ◯
駐車場 あり
食べたもの 「もち明太子チーズ玉」528円、「ランチセット」242円、「ごはん」165円


常日頃から申し上げている事だが、私はグルメではない、味もわからない。いや美味いまずいくらいはわかる。だが「グルメ」の名の元に失敬なことをする輩が多いのだ。そばやうどんの香りを楽しむためとかいってツユを用いずに食べたり、寿司屋のカウンターで真っ先に玉子焼きを注文したりすることを「グルメ」と思っているヤツらに失礼という概念はないのだろう。わかってる?キミのことだよ。

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グルメとは能力でも経験でもなく「血統」であると思うのだ。何代も前から美も食も極め、美味いものを喰らいつくし酸いも甘いもわきまえきり、すべてを美しく表現できる者だけに許される「称号」であるべきなのだ。でなければ、よそ様が気持ちを込めて作り上げたものを、あれが美味いこれはダメなどと言ってよいわけがないではないか。毎度同じようなことを書いてしまい恐縮至極だが、たまに表明しておかないと勘違いされてはいけない。

という事で私が重視するのは味ではない、気持ちであり気概でありシチュエーションである、真の贅沢とはなにかを探求することである。贅沢とは金銭で測る事はできない。そして今日も贅沢を追求するのだ。

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今欲する贅沢は名人に、目の前で調理してもらい食すこと。余人を介さず私のみのために場を求め、材を整え、気概を込めて調ぜられることがもっとも贅沢な食事といえよう。関西出身である名人と向かったのはこちらだ。


「道とん堀 長野青木島店」

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有名なお好み焼きチェーン店でランチとなる。名人はプロの調理人ではないが、生来の料理センスと長きに渡り培われた技量によって超絶ともいえる威力を発揮する。よし、これを焼いてもらおう。


「もち明太子チーズ玉」528円

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小さな二切れの餅とひと腹の半分ほどサイズの明太子、そしてトロけるチーズによる美味いものだらけのお好み焼き。適当に放置して焼いていても美味くなりそうだが、名人の手にかかるとレベルが上がる、いやステージが上がるといってよいだろう。

トロける餅とチーズにソースとが見事な相性をみせる。そして明太子のピリッとした辛味がすべてを引き締める。素晴らしい。

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名人のその手つき、コテ捌きなど惚れ惚れするような動きだ。そうだこれなのだ、味だけではないこのシチュエーションそのものが贅沢なのだ。私がその技を褒め称えると、謙虚な彼は言う。

「粉物は気構えることなくリラックスして食べるもの。お店はお店なりに、ご家庭はご家庭なりに楽しみながらいただくものです」

手捌き、技量を愛でるものではないということか。愛にあふれたまことに深い言葉だ。素晴らしい。

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「お好み焼き定食」

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という事で味噌汁、ご飯付きでいただいたのだが、ご飯が硬すぎた。どうやら厨房で水加減を間違えたらしい。替えてもらおうとしたら名人がそれを制し、鉄板でささっと炒飯を作ってくれた。

「関西流の始末ともいえます」

なんて贅沢なひとときであった事であろう。素晴らしすぎる。

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