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将来有望と言われた県庁職員が、転職して新たなキャリアを歩み始めるまで(実体験)

こんにちは。元公務員のあらたです。

念のため自己紹介をしておくと、私はこんな経歴です。↓

・文系私大卒
・新卒で某県庁入庁(行政職)
・インフラ系部署で数年従事(やっていた業務内容はTwitterプロフィール参照)
・コロナ禍(2020年)に転職し、現在はIT系ベンチャー企業のコンサル

下記のツイートより、私の公務員退職から現在に至るまでの実体験を書き残すことにしました。


この記事は全て無料で公開しますが、細かい内容とか書くのがしんどいトピックとかは、別立てで少しづつ書いていきながら公開していく予定です。
(なるべく無料公開にしますが、内容によっては一部有料にするかもです。)

本記事では概要的な感じで、公務員を辞めたい人が気になるであろう
・なぜ公務員を辞めるに至ったのか?
・どうやって転職活動をしたのか?
(そもそも論、公務員って転職できるの?)
・転職して良かった?悪かった?

の3点をポイントとして書いていきます。

情報商材系アカウントにありがちな「有料級」な記事をご提供できればな、と(皮肉)。


なお、大事なことなので、あらかじめ言っておくと「全ての公務員が転職すべき!」とは思っていません。

むしろ、公務員が合っている人はそのまま続けてほしいし、自治体行政をさらに良くしていきたいと思って今も仕事をしています。(陰ながら応援している立場です。)


ですので、こちらの記事は「今公務員として働いてるけど、諸事情で辞めたい。でも、情報不足でなかなか踏み切れない。」といった方を想定して書いております。

さらに補足しておくと、私は行政の全てを知り尽くしているわけではありません。また、経験が浅い部分もあるので、全てが参考になるわけでもありません。元公務員という立場を高らかに主張したいわけではなく、公務員を辞めた一個人のロールモデルとして見ていただければ幸いです。

約5,000文字の長文になってしまいましたが、しばしお付き合いください。

1.なぜ公務員を辞めるに至ったのか?

大前提として、私は「安定」を理由に公務員になったわけではありません。


大学在学時に感じた、「自分の出身地があまりにも知られてなさすぎる。いいところたくさんあるのに!!○○県をもっと知って欲しい!!」

という、今思えば非常にピュアな反骨精神?(笑)がベースになっています。

そのため、新卒の就職先の軸が「地元を広く知ってもらえる仕事」となり、当時の自分が色々考えて行動した結果、某県庁に入庁することになりました。


さて、話を戻しますと辞めた理由はこれまた色々ありますが、メインとなりそうな理由は以下の3つです。

  • 他にやりたい仕事が見つかった(IT系)

  • 人事課に人生の方向性を委ねるのは何か違うと思ったから

  • 意味のない仕事に時間と労力をかけることに疲れたから

簡単に解説します。

①他にやりたい仕事が見つかった(IT・システム系)

きっかけは、副担当として進めていた新システムの導入業務。

仕様内容の調整や公募準備などをしていく中で、「業務効率化につながる仕事って楽しい!」と思うように。


行政の仕事って、効率化できる作業なのに担当者が気づいていなかったり、ソフトで事足りる仕事を職員が汗水垂らしてやっていたりするんですよね。

そういう現場を変えていくの、面白いんじゃね?

でも内部から変わるの難しいよなー

だったら、外から変えていく方がやりやすいのでは?

と思ったのが理由です。


②人事課に人生の方向性を委ねるのは何か違うと思ったから

公務員なら定期的な異動が付き物。

私のいた職場も御多分に洩れず約3年で異動するのですが、希望通りの異動にはならないのが現実です。
(人事評価の際に、希望の異動先を書け、と言われるのに・・・。)

「係長ぐらいになったら、さすがに人事も意向は汲み取ってくれるっショ!!」

と、当時入庁してまもない私は思っていたのですが、その後色んな人に話を聞いてみると、異動はあまり楽しくないイベントのように感じました。

  • 「一度も希望通りになったことなんてないぞ(50代課長補佐)」

  • 「異動先はガチャだから(30代主任、後に激務部署へ旅立たれた方)」

  • 「適正配置という言葉はこの職場にはない(20代主事)」


言い方を変えれば、
「経験がない分野でも挑戦できる」
「修行ができる(自己の成長が見込める)」
「薄く広くジェネラリストを目指せる」

といったメリットもありますけどね。

ただ、異動する場合は基本的に3月中旬頃一斉に異動命令が出るので、異動先での働き方について、事前に家族に相談することはできません。


独身でそういった志向があれば別にいいかな、と思っていましたが、私の場合は在職中に結婚していて家庭を持っていたこと、また自分がなりたい・やりたい分野がある程度決まっていたので、人事課に働き方や仕事内容を決められるのはちょっと・・・と思った次第です。


一応、タイトルの伏線を回収しておくと、私がいたポジションは将来有望なコース的な位置付けだったようです。(前任&前々任が某機関へ出向。その流れで私も出向になるという計画があったとかなかったとか・・・。)

また、どうやら仕事内容が合っていたのか、卒なく仕事をこなすことができある程度の評価を得ていたので、
「よっ!将来の課長候補!」
「○○省で大暴れしてこい!」
「あらた君は必要不可欠」
といった非常に有難いお言葉をいただいてました。(自分で言うのもなんですが・・・。)

期待してもらえるのは大変良いことではありますが、その期待度と評価によって自分のキャリアをさらにコントロールできなくなることを懸念しました。

※あらたの人生の優先度は
家庭>趣味=仕事
な感じです。


③意味のない仕事に時間と労力をかけることに疲れたから

この小タイトル見て批判されそうなのであらかじめ言っておきますが、行政全部が意味のない仕事と言っているわけではありません。

市民の生活に直結する仕事もたくさんあります。

ただですね、この記事をご覧になられている方はご承知の通り、一部本当に「何これ?」な仕事もあるわけでございまして・・・。

特に、財政協議は印象深い仕事(仕事ではないかもしれないですが)でしたね。

同じ庁舎(スポーツで言えばチーム)なのに、なぜここまで非協力的に進めるのか理解に苦しみました。

財政課:お金がないからできない、だからやらない。
原課:やらなきゃいけないんだから、予算出してください(控えめ)

で、ずっと平行線。

財政課から「数字の根拠資料出せ」と言われ、深夜まで残業して出した資料を見るなり「これ出されても出せないものは出せない!」と根拠求められたのに、なぜか根拠なき鉄槌を下され撃沈。

結局予算はつかず、次年度もその次も同じことの繰り返し。

所属していた担当係の皆様とあれやこれやと手法を変えてアプローチを試みますが、どうにもなりませんでした。

思わず出た、一言。

「これ、つまんないし疲れるだけですよね。」


・・・という一例を出しましたが、他にも出すとキリがないのでこの辺にしておきます。

「意味のない仕事に、時間と労力をかけざるを得ない環境」と言った方が正しいでしょうか。


補足しておくと、仕事内容次第では業務効率を改善できたり無くすことも可能です。

口で言うのは簡単ですが、少ない職員数で多岐にわたる業務を担当していますので、業務効率にメスを刺す時間が現実的に取れないという問題がありますけどね(ここを外から変えられないかな?と思って転職しました)。


本当に簡単に書きましたが、以上が辞めるに至った理由です。

2.どうやって転職活動をしたのか?
(そもそも論、公務員って転職できるの?)

さて、在職時の愚痴はほどほどにしておいて、辞めることを決心してからどうしたのかを綴っていきます。

まず、思いついたのが転職サイトの登録。

周りに転職した人なんて全くおらず、相談もできない中でとりあえずCMや電車内の広告で見たことがあるサイトに片っ端から登録していきました。

結果、メインで使っていたのは下記の3サイトです。

リクルートエージェント(以下、RA)
DODA
マイナビ転職

RAでは、求職者に1名は必ずエージェントが担当するようになります。
(しかも無料で。冷静に考えてすごい。)

転職活動の流れはざっくり↓な感じです。

  1. RAで初回面談。自分の希望する条件を伝え、転職活動の方向性と送ってもらう求人情報の確認。

  2. 職務経歴書の作成。作り方はネット記事を参照しながら、適宜RAのエージェントに添削してもらう。

  3. 履歴書用の写真を撮りにいく。USB or SDカードを持っていって、必ずデータでももらうこと。(今時の会社はPDF提出が多い。ネットで無料で作成してPDFに落とせるサービス(ヤギッシュ)とかあるのでめっちゃ便利)

  4. DODA、マイナビで希望条件を登録。適宜求人情報をチェック。

  5. 登録媒体で「入社してもいいかも?」ぐらいも会社は基本応募。

  6. 面接、選考をこなしていく


詳しくは下記記事にまとめましたので、気になる方はご覧ください。


そして、そもそも論な公務員は転職できるのか?という問い。

一個人の意見ですが、本人に転職する覚悟があれば、私は可能だと思います。

重要なのが、「転職する覚悟」です。


そりゃもちろん、安定といわれている公務員ですからね。
職場や家族からの反対は少なからずあると思います。

そういった周囲の声を振り払ってでも転職できますか?
ここが曖昧な動機だと、スパッと転職することは厳しいです。

また、どうしても一般的な転職市場では公務員の経験はあまり評価されません。

会社によっては「スキルなし」と判断されてしまうところもありますね。

そんな中で、行政経験をどう強みとしてどう表現していくかがとても大切です。

公務員はとても真面目で謙虚な方が多い印象なので、自己評価を下げてしまったり、自分にはスキルがないと思われる方が結構いらっしゃる気がします。(私もそうでしたが。)
※公務員の転職に必要な自己分析の方法は別途記事にしたいと思います。

ですので、以上のことを踏まえると、公務員からの転職って割とハードル高めだったりします。

「覚悟」が必要だと言ったのはそういうことです。


3.転職して良かった?悪かった?

結果、私は転職して良かったと思います。

一番は、「自分の進みたいように進めること」ですね。

その他に感じたメリットとしては、

  • 副業にチャレンジできた

  • 市民の目が怖くない(別に悪さをするわけじゃないけど)

  • 「職場がどうしても合わなければ転職すればいい」という考えになった(辞め癖にならないように注意は必要)

  • 自分の得意分野を活かせるフィールドに身を置きやすくなった

  • 働き方の柔軟性が上がった(今はほぼリモート勤務です)

  • 行政経験を活かした仕事ができるようになった

あたりでしょうか。


逆にデメリットも少なからずあります。

  • 賃貸の入居審査が少し厳しくなった(公務員の頃は即OKが出た、多分ローン審査も同じかも?)

  • 公務員は雇用保険に加入していないので、退職して無職になる場合は、雇用保険給付金がもらえない(貯金と退職金で頑張るしかない。これ地味に大きい問題ですよ。)

  • 転職時のスキル(前章記載。ただし、表現次第でどうにでもなる。)


こちら、参考にしていただければと。

また、辞めた後どうするかによって、やるべきことやそれに伴うメリット・デメリットも変わってきます。

幸い?にも、私はフリーランス・無職・会社員の3つの期間を経験していますので別の切り口でまた記事にできればなぁと思っています。

気になる方は個別にTwitterでDM等でご相談ください。

4.まとめ

今思い出せる限りまとめるとこんな感じになりました。

重要なことなので、こちらでも再度言っておきますが「全ての公務員は転職すべき!」「行政は意味のない仕事だ!」と言っている訳ではございません。

この記事の趣旨は、「公務員を辞めたいのに踏み切れない人の背中を少しでも押してあげられたらいいな」という思いです。


私もそういった方から相談を受けますが、
・公務員という安定的な身分
・難関試験を突破したという過去の栄光
・周りからの意見
そういったことから多くの方が辞めたい気持ちを肯定できなくて、心に蓋をしてしまっているように思います。

だから、何とかして理由を作って辞めることを客観的に肯定したい。

そう思っていませんか?

ここまで書いておいてなんですが、「周りがこう言っていたから」ではなく最終的には「自分がどうしたいか?」を最優先してください。

私の実体験は一例として、あなたのお役に立てれば幸いです。


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