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旅との出会い、TABIPPOとの出会い。
「決めた。俺、旅に出る。世界一周に行くわ。広い世界をこの目で見てくる。」
あれは20歳のある冬の日のこと。
毎日バイトとカラオケとボーリングばっかりしていた田舎の大学生が、「旅」と出会った日。
*
海外への興味はあるけど、そんなお金は持ってないし、大人になってお金が貯まったらハワイにでも行ければそれでいいかなあ。なんて思っている、どこにでもいる普通の大学生の僕。
友達は多い方じゃないかな?昨日もバイト先の友達と飲んでとことん騒いだ。楽しかったけど、なんか物足りないというか薄っぺらいというか…。
いつまでこんな生活続けるんやろ…(笑)
かと言って、いま夢中になっているものとか将来の夢は特にない。
そりゃあお金持ちにはなりたいし、でっかい家には住みたいし高級車は欲しい。だけど、そんな生活で自分は本当に幸せになれるのか?とも思ったりもする。
*
大学2年の冬休みが終わって数日が経った。僕の大学は関西の田舎の方にあって、冬は雪こそあんまり降らないものの大阪や神戸よりもいつも2,3℃低い。
今日もまた凍えるくらい寒い。いつものように大学で授業を受けていると、隣に座っていた友達がiPhoneの画面を僕に向けて言った。
「なぁ、2月にあるTABIPPOっていうイベント行ってみいひん?先輩に来てって頼まれてさ〜。」
「なんやねんその変な名前…。旅のイベント?? 登壇するゲストは聞いたことない名前の人ばっかやし、そもそも長期の海外旅行とか世界一周なんて金持ちのやることやろ?そんな話聞いても今の俺にはためにならんし、全然行きたないわ〜」
「いやホンマに頼むって!今度なんかおごるからさ?ええやろ?」
「お、まじで?まあ別にその日空いてるし、そこまで言うなら行ったってもええよ?」
こうして僕は友達に誘われたのをきっかけに、TABIPPO2014大阪というイベント(今のBackpackFESTA)に、ふらっと行くことになった。
*
今でも、なぜあの日自分がイベントに行こうと思ったのかは分からない。本当に、偶然予定が空いていて偶然気分が乗っただけなんだと思う。
迎えた2月11日。いつも遊びに行っているのと同じように新快速電車に乗って大阪へ向かった。
イベントの会場であるオリックス劇場は多くの人で賑わっていて、なんだかいろんなブースがあった。あまり興味を引くものは無かったので、イベントの内容もよく分かってないままとりあえず座席に座る。
「本日は満席ですので、隣との間隔を詰めてお座りくださ〜い!」
パーカーを着たスタッフが大声で叫んでいる。このデカい会場が満席になるなんて、結構凄いイベントなんかな?
貰ったサンプリングバッグの中身をテキトーに見ているうちに、アナウンスとともにTABIPPO2014大阪が開演した。
何度も、雷にうたれたような衝撃を受けた。
世界一周が実現するコンテストwizTABIPPO(今のDREAM)。
3人の学生が、世界一周への熱い想いを語る。同じ世代の学生が、こんなにも大きな夢を持って、しかもそれを2,000人以上が集まる大舞台で堂々と話している。今の自分との差に愕然とした。
それと同時に、自然と頭の中で考えたことがあった。
もし自分が世界一周をするなら、どんな旅をするだろうか?
世界中を旅したゲストの話は、今まで自分が知らなかった世界の広さと、それに挑む人類の可能性を教えてくれた。
当日イベントが始まるまで、旅や世界一周をしている人がこの世の中にいることすら知らなかった。
これまで自分がいかに狭い世界で生きてきたのか思い知らされた瞬間だった。
帰り道、イベントに誘ってくれた友達に僕は言った。
「決めた。俺、旅に出る。世界一周に行くわ。広い世界をこの目で見てくる。」
イベントが閉演した瞬間、決断していた。
ゲストの話から連想させられた風景に自分の姿を重ね、世界中を旅する自分を思い描くと、家に帰った後もいつまでもワクワクと鳥肌が止まらなかった。
なんだかこれから自分の人生が一気に凄いものに変わるような気がして、
俺、”旅人"になるんだ、”世界一周"にいくんだ、って。
その2つの単語がいつまでも頭から離れなくて、僕はまず夏に東南アジアへ旅に出ることを決めた。
今思うと、本当に単純で、ミーハーだったと思う。でも何か、旅に対して自分の中でビビッとくるものを感じたんだろう。
2014年の2月11日は、僕の人生が大きく変わった瞬間。つまりターニングポイントってやつ。
熱中できるものが無くて、だらだらと毎日を過ごしてた自分に、旅という選択肢、旅の魅力、そして世界はそこまで遠いもんじゃないってことを、TABIPPOが気づかせてくれた日。
そして、世界一周するって夢ができた日。
これから先もずっと、あの日のことは忘れないと思う。
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