東京に来て4年が経った僕が和歌山にUターン移住を決めた理由
地元の和歌山市にUターン移住をすることにした。東京在住の社会人6年目、28歳のこのタイミングでなぜ和歌山に帰ることを決めたのか。
端的に言うと、「豊かさの追求」と「地元への貢献欲求の高まり」の2つ。
もっと豊かな生活を送るために
東京の生活は刺激的。イベントは毎週のように新しいものが開催されて、美味しいお店・おしゃれなカフェは数え切れないほどある。欲しい物があればすぐ買いに行けるし、終電を逃しても始発までは4時間程度で、時間の潰し方なんていくらでもある。
東京は便利で楽しい。でも確かな楽しさを味わい続ける一方で、モノに溢れている毎日に対する疲労感や違和感を抱き始めるようになった。
この町は選択肢が多すぎて、1つ1つに愛着を持ちづらい。自分はここにあるものを消費するばかりで、1つのもの、店、道、景色を大切にできていない。そんな今は豊かじゃないと、いつの間にか思うようになっていた。
自分はもっと身近なものを大切に繰り返し使って、愛を積み上げていくような人生を送りたい。
やりたいことが簡単に叶ったり欲しい物が簡単に手に入るより、ちょっと満たされない毎日を送る方がいいんじゃないか?その方が自分の好きなものを大切にする生活を送れるんじゃないか?
だんだんとその考えが強くなってきていて、もう見過ごすことができない程まで大きくなった。
東京は地域との繋がりがほとんどないのも心のどこかに引っかかっていた(先日やった幸福度診断では地域との繋がりの数値がめちゃくちゃ低かった)。
和歌山で生活していた頃にいた近所のおばさんや友達、駄菓子屋のおばあちゃんとの他愛もない会話やゆるい繋がりがある生活のほうがもっと幸せに暮らせる気がして、今は地域のコミュニティとの結びつきを感じられる豊かな生活を目指したいと考えている。
もちろんコロナ禍の影響で出社をほとんどしなくなったり、人と会う予定が減って東京の楽しさを感じづらくなったというのも大きい。
そして今は東京にいる必要がない働き方ができているし、いつでも東京に来れるからこそ、ここに住んでいる必要はなくて気が向いた時にたまに来るくらいでいい。それができるのは今の環境のおかげでもある。
和歌山はやっぱり良いところ
ここ2年間、国内の色んな場所を訪れた。これまで旅といえば海外でしょという考えが強かったけれど、日本にも魅力的な地域はたくさんあって好きな場所がたくさんできた。
沖縄では独自の文化と美しい海を毎日感じられたし、高知では川のある暮らしに引き込まれて、また行きたいと思える場所が無数にある。
これまで40以上の都道府県を旅して地方の魅力に気づいたのと同時に、地元・和歌山県の魅力の強さを感じた。海と山に囲まれて、川もたくさんあって、美味しいものも数え切れない程ある。そしてそのレベルが他の地域に比べて高い気がするし、これからその魅力がもっと伸びていくポテンシャルを感じた。
そして帰省する度に、故郷への愛着が自分の中に強くあることをじわじわと感じていた。生まれ育った町の景色は随分と変わってしまったし、なくなった場所もあるけどその空気はあの青春時代を過ごした頃と少しも変わっていない。
地元の友達は結婚をしたり子供がいたり家を買ったりと、自分とは全く違うライフスタイルを送っていて話は全然合わないけど、それでも一緒にいると心地がいいしいつまでも他愛もない会話をしていたいと思える。
地元の魅力が日本中に広まることで訪れる人が増えて、地域の人も活力に満ちていけば、自分の大切な人たちがもっと幸せになるんじゃないか。そしてそれが自分にとっての幸福にもつながるんじゃないか。
そんなことを考えて、地元の和歌山に貢献して盛り上げる活動をしたいと思うようになった。
そしてそれをやるのは自分だという根拠のない使命感のようなものを抱いて、なぜか今はワクワクしている。
28歳で東京を離れてUターンをするこの選択が正解かどうかなんてわからないけれど、今やらないと何かを逃すような漠然とした勘が働いた。
行動して失うものはないし、思うようにいかなくても何も困らないからとりあえず勢いのままに移住を決めたってこと。