【『緊急事態条項』たった数人議論で戦争へ?!】9条改憲より恐ろしいナチスの手口・緊急事態条項!「恐ろしいことが着々と」国民主権が自然死する~日中戦争させたい黒幕米国~


■「緊急事態」条文化、協議入りへ 維新・国民7日幹部会談
時事通信 2023年03月06日

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日本維新の会と国民民主党は7日、国対委員長会談を行う。
憲法改正を巡り、大規模災害時の国会議員任期延長など「緊急事態条項」の条文案づくりの検討開始で合意する見通し。
維新の馬場伸幸代表が協議を呼び掛けていた。
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「緊急事態」条文化、協議入りへ 維新・国民7日幹部会談
時事通信 2023年03月06日




■維新・国民など、緊急事態条項の条文案を共同策定へ
朝日新聞  2023年3月9日

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日本維新の会、国民民主党、無所属議員の衆院会派「有志の会」の2党1会派は8日、憲法に緊急事態条項を新設するための条文案づくりに向けて、実務者協議を始めた。
3月中にとりまとめ、憲法審査会で提案する方針。
憲法改正に前向きな野党勢力が結集することにより、改憲議論を加速させる狙いがある。
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維新・国民など、緊急事態条項の条文案を共同策定へ
朝日新聞  2023年3月9日




■緊急事態条項めぐり議論 「条文案作成」に維新・国民民主など着手 衆院憲法審
東京新聞 2023年3月9日

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衆院憲法審査会は9日、今国会2回目の自由討議を行い、与野党が憲法への緊急事態条項の新設を巡って意見を交わした。
自民党は論点整理の議論の加速を訴え、改憲を目指す3会派は条文案作成を主張。
立憲民主党や共産党といったリベラル系の野党は改憲しなくても現行憲法下で有事に対応できると反論した。
自民党の新藤義孝氏は緊急事態時の任期延長について「上限を1年とし、再延長も可能とするのが合理的だ」と提案。
内閣に国会が議決していない予算の執行と法律の制定を認めることなど八つの論点の資料を配布し、議論するよう各党に促した。
公明党の北側一雄氏は、2011年3月の東日本大震災を受けて地方選挙が延期されたことに触れて「巨大地震が起こった時は被災地だけでなく、全国的に国政選挙などできない」として、任期を延ばす規定の必要性を訴えた。
日本維新の会と国民民主党、無所属議員でつくる「有志の会」は、月内に緊急事態条項の条文案をとりまとめる方向で実務者協議を始めたと説明。
国民の玉木雄一郎氏は、審査会の議論加速に「寄与したい」と意欲を示した。
一方、立憲民主党の奥野総一郎氏は、衆院が解散されていても参院で緊急集会を開催できると指摘した上で「非常時でも国会をまず動かすべきだ。緊急事態条項を設けるまでもなく、現在の制度でかなりのことができる」と主張。
共産党の赤嶺政賢氏は「『緊急事態』と称して政府に権力を集中させ、国民の権利制限を強化しようとしている」と批判した。(佐藤裕介)
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緊急事態条項めぐり議論 「条文案作成」に維新・国民民主など着手 衆院憲法審
東京新聞 2023年3月9日




■倉田真由美氏 “緊急事態条項”3月中に条文案取りまとめを警戒「恐ろしいことが着々と」
東スポWEB 2023年3月12日

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漫画家の倉田真由美氏が12日、ツイッターを更新。
着々と進む「緊急事態条項」に警戒感を示した。
日本維新の会、国民民主党、衆院会派「有志の会」は8日、緊急時の国会議員の任期延長、憲法改正など「「緊急事態条項」についての初会合を開き、3月中に条文案をまとめる方針で合意した。
緊急事態条項は東日本大震災の後、平成24年に自民党が発表した憲法改正草案に盛り込んだもの。
草案では総理大臣が緊急事態を宣言すれば内閣が法律と同じ効力を持つ政令を定め、国会の承認は事後に得ることにななる。
戦争やテロ、大規模災害に対処するため、政府の権限を強化する規定だ。
維新の音喜多駿政調会長は「スピード感を持ってとりまとめ、憲法審査会に示せるよう努力したい」と話している。
倉田氏はこの経緯を報じる産経新聞の記事を引用した上で「恐ろしいことが着々と進んでいる」と指摘。
続けて「『スピード感をもって』というが、こんな重大事項、充分過ぎるほどの時間をかけて議論し国民に説明していくのが当たり前。早くやってしまえ、という類のものではない」と警戒感をあらわにしている。
緊急事態条項は「政府に権力が集中しかねない」「内閣に独裁権を与えるに等しい」など反発の声が出ている。
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倉田真由美氏 “緊急事態条項”3月中に条文案取りまとめを警戒「恐ろしいことが着々と」
東スポWEB 2023年3月12日





■自民改憲草案の怖さとは…意見広告150本の弁護士が語る
日刊ゲンダイ:2016/10/24

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発明対価を争った青色LED訴訟を勝ち取り、長者番付に名を連ねた百戦錬磨の弁護士・升永英俊さんが、賛同者とともに新聞各紙にたびたび意見広告を出している。
その数、150本以上。1票の格差是正の訴えに始まった意見広告は、憲法改正にテーマを広げている。
ズバリ指摘しているのが、自民党の改憲草案に並べられた緊急事態条項や言論の自由を奪う怖さだ。

・ヒトラー独裁にも“緊急事態”は利用された

――改憲草案を批判する意見広告を出そうと思われたきっかけは?

改憲草案98条、99条で戦争や内乱、大規模災害が発生した場合に首相は「緊急事態宣言」を出せるとしています。
これは9条改正とは比べものにならないほど怖いものなんです。
麻生財務相が「ナチスの手口に学んだらどうかね」などと発言して物議を醸したことがあったでしょう。
僕の頭の中で、緊急事態宣言と麻生発言がリンクした。そうしたら、腹の底から恐怖心が湧き上がってきた。
マスコミが取り上げないので、意見広告を出して世間にその恐ろしさを訴えているんです。


――麻生発言というのは、2013年の講演会での「ワイマール憲法がいつの間にかナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気が付かないで変わったんだ。あの手口に学んだらどうかね」ですね。

ヒトラーは第1次世界大戦や世界恐慌で疲弊したドイツ経済を立て直し、失業率を改善。
それで、国民の圧倒的支持を背景に1933年3月に全権委任法を成立させ、独裁を完成したとされている。
僕もそう思い込んでいて、民主主義にもリスクが潜んでいる、多数決は危険だと考えていた。
ところが、調べてみると全くの誤解だった。
ヒトラー独裁は、国政選挙での多数決によるものではなかった。


――どういうことですか。

ヒトラー内閣の発足が33年1月。
その直前の総選挙でヒトラー率いるナチ党の得票率は33・1%に過ぎませんでした。
そこで、ヒトラー政権は大統領に2回の緊急事態宣言を発令させた。
1回目の宣言で報道や言論の自由を停止。
国会議事堂放火事件の直後に2回目の宣言を出し、ほんの数日間で約5000人を逮捕・拘束したのです。
それで一気に独裁政権を樹立した。
33年11月の総選挙でのナチ党の得票率は92・2%という異常な数字に達したのです。


――緊急事態宣言を巧妙に利用し、恐怖政治で国政の多数決を仕立て上げた。

国会議事堂が焼失したため、全権委任法を成立させた国会はクロル・オペラハウスで開かれました。
オペラハウス周辺や議場代わりの会議場には銃を手にした突撃隊(SA)や親衛隊が配置されていた。
会議場の正面には大きなカギ十字を描いた旗が掲げられていました。
そうした異様な雰囲気の中で採決が行われたんです。
国会の決議と呼べるようなものではなかったんですよ。
緊急事態宣言がそうした異常事態を可能にしたんです。
80年以上前の出来事ですが、いまトルコが置かれている状況はこれと非常に似ています。

・“お手本は”とトルコと中国

――トルコでは7月のクーデター未遂事件を受けて、エルドアン大統領が、「非常事態宣言」を発令しました。

マスコミは「非常事態宣言」と表記していますが、あれは緊急事態宣言そのものです。
それ以降、大規模な粛清を行っている。
まるで魔女狩りです。
3万5000人以上を逮捕・拘束し、8万人以上を免職や停職処分にしたと伝えられています。
エルドアン大統領も緊急事態宣言で独裁政権を確立した。
これが緊急事態宣言の怖さなんです。


――それでも、自民党などの改憲派は緊急事態条項を支持しています。

改憲派は自然災害に備えるために緊急事態宣言条項を定めた改憲草案98条、99条が必要だと主張しています。
しかし、地震や津波といった自然災害などへの対処は、現憲法で十分に対応できます。
すでに▼災害対策基本法▼武力攻撃事態法▼原子力災害対策特別措置法▼石油コンビナート等災害防止法――が整備されています。
不足があれば補強するなり、新法を制定すればいいのです。
憲法改正は不要です。


・広告のために沈黙するマスコミ

――最近の意見広告では言論の自由の停止をクローズアップされていますね。自民党改憲草案と中国憲法がソックリだと指摘しています。

改憲草案21条1項は表現の自由を認めていますが、2項で〈前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない〉としている。
1項を全否定しているのです。この仕組みは中国の憲法と実質的に同じです。
中国憲法も35条で〈国民は、言論、出版、集会、結社、行進、示威行動の自由を有する〉とし、言論の自由を保障しています。
示威行為やデモまで認めています。
ところが、51条で〈国民は、自由と権利を行使する時は、国家、社会、集団の利益および他の国民の合法的自由や権利を害してはならない〉とうたっている。
つまり、35条を否定しているのです。
自民党改憲草案も中国憲法も「公」を優先しています。

――抜け道をつくっているわけですね。

改憲草案がそのまま成立すれば、共産党による事実上の一党支配が続く中国と同じような状況が生まれかねません。
中国の国民が直面しているリスクを日本の国民も背負わされる可能性があるのです。
改憲草案21条2項は現憲法が保障する言論の自由を明らかに否定しています。
これは右寄りの人にとっても、左寄りの人にとっても受け入れがたいことでしょう。

――自民党が改憲草案で緊急事態条項にこだわる理由は何だとお考えですか。

正義感でしょうね。
尖閣諸島をめぐり、中国との緊張が高まっている。
有事が起こった場合のことを絵空事や机上の議論ではなく、本当に真剣に考えているんだと思いますよ。
だから、右寄りの人たちも賛同する。
だから非常に厄介な問題なんです。
でも、これを通したら日本はおしまいです。
アウトですよ。

――マスコミがこうした事実を報じないのはなぜだと?

政権与党は法人実効税率を29%台まで大幅に引き下げるなど、企業を優遇する政策を取っています。
一部の企業が自公政権の継続を望むのは自然の流れだと思いますよ。
マスコミの収入は広告が柱でしょう。
政権に不利な報道をするマスコミへの広告を止めるとにおわせられたら? 
実際、自民党の若手議員らが集まった勉強会で「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」「沖縄の2紙は潰さなければいけない」といった趣旨の暴言が平然と吐かれていました。

・3000万人の反対で止められる

――改憲勢力で3分の2を手にした安倍政権はこの臨時国会で憲法審査会を再始動させます。仮に、国会採決を突破したとしても、改憲には国民投票で過半数の賛成が必要です。

投票人が約6000万人。3000万人が反対票を投じれば止められます。
世間が自民党の改憲草案の恐ろしさを知れば、そう簡単に通るわけがありません。
意見広告を繰り返し出せば、阻止するチャンスが膨らむでしょう。
僕はチャンスがないことはやりません。
悲観論からは何も生まれない。
楽観主義者しか結果を出せないと思っています。
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自民改憲草案の怖さとは…意見広告150本の弁護士が語る
日刊ゲンダイ:2016/10/24




■9条改憲より恐ろしい「緊急事態宣言」条項!
福岡の経済メディア NetIB-News 2015年11月13日

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10月下旬に新聞に掲載された意見広告が警告した「緊急事態宣言を可能とする憲法改正の危険性」が来年夏の参院選挙後、現実のものになる危険が出てきた。
安倍首相が11月10、11日の衆参予算員会の国会閉会中審査で、憲法改正の極めて重要な課題として、「緊急事態条項」の必要性を強調したからだ。
自民党は、来年の参院選で与党が77議席以上当選し参院で3分の2以上を占めれば、憲法改正の発議を狙うことができる。
自民党憲法改正草案の緊急事態宣言条項には、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」とある。
緊急事態が宣言されると、「何人も、法律の定めるところにより」「国その他公の機関の指示に従わなければならない」という内容だ。

・独裁国家をつくったナチス・ヒトラーの手口
冒頭に紹介した意見広告は、10月下旬に朝日新聞などに掲載されたもので、「ナチス憲法 あの手口に学んだらどうかね」という麻生太郎財務相の発言を取り上げながら、自民党憲法改正草案の「緊急事態宣言」条項の危険性を訴えていた。
意見広告を出したのは、一人一票の実現に取り組んでいる升永英俊弁護士、伊藤真弁護士らだ。

麻生財務相が「学んだらどうか」と言った手口と言えば、ナチス・ヒトラーが、1933年3月、行政府(内閣)に立法権などを与えた全権委任法によって、国民の知らないまま憲法を変えて、独裁国家をつくった歴史が思い浮かぶ。
当時もっとも民主的と言われたワイマール憲法が停止させられ、ナチス・ヒトラーが権力を握った。
だが、ナチスが圧倒的多数を占めたのは、全権委任法の結果だけではない。

・ナチスに反対した7割が緊急事態宣言でほぼ全員賛成に!!
升永弁護士は、ナチス・ヒトラーが選挙で圧倒的多数の議席を握った事情を、こう説明する。
「1933年2月28日に、ドイツでは、『緊急事態宣言』が出た。1933年2月28日から数日中に、約5,000人が司法手続きなしで、逮捕・予防禁され、行方不明となった。32年11月6日の選挙では、66.9%の選挙人がナチス以外の政党に投票した。『緊急事態宣言』下、1年後の33年11月12日の総選挙(投票率95%)では、ナチス支持票が、92%であった。すなわち、32年11月6日の選挙ではナチスに反対する政党に投票した、全選挙人の66.9%のほぼ全員が、ナチスを支持した。すなわち、1932年のドイツ人(ただし、32年11月6日の選挙で、ナチスに反対する政党に投票した、全投票人の66.9%に人々)は、ほぼ全員、司法手続きなしの、逮捕・予防拘禁・その後の行方不明を知って、恐怖心と無力感と諦観から、ナチスを支持した」。
つまり、「1933年のドイツ人は、緊急事態宣言下の司法手続きなしの逮捕・予防拘禁・行方不明を知って、心は、折れた」(升永弁護士)のだ。

・緊急事態宣言で、国民主権が自然死する
緊急事態宣言が可能となると、言論の自由も、表現の自由も、報道の自由も、デモも封殺される。
9月に成立した安保法にしても、憲法調査会での憲法学者3氏の違憲発言や、SEALDsの国会前デモがなければ、もっと早く無風状態で成立したのは想像に難くない。
安保法案反対の行動ができたのも、表現の自由が日本にあるからだ。
しかし、緊急事態が宣言され、ナチス・ドイツのようになれば、弾圧される覚悟なしには、海外派兵反対もTPP反対も、プラカード1枚掲げられなくなるだろう。
民主主義が機能するには、単に投票権があれば足りるわけではない。
候補者選択を判断する十分な情報が言論の自由、報道の自由によって提供され、容易にアクセスでき、意見表明や、デモなど政治的行動の自由がなければ、民主主義は機能せず、国民主権は、形式上存在しても、自然死する。
護憲派は、長く憲法改正の焦点として「9条を守れ」をスローガンにしてきたが、来年の参院選まで約9カ月の今、緊急事態宣言条項阻止に重点を移すときだ。
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9条改憲より恐ろしい「緊急事態宣言」条項!
福岡の経済メディア NetIB-News 2015年11月13日





■ナチ研究の第一人者が看破 自民案「緊急事態条項」の正体
日刊ゲンダイ:2017/09/19

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「(政治は)結果が大事だ。何百万人殺したヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくてもだめだ」。
派閥会合でこう発言し、撤回を余儀なくされた麻生太郎副総理。
4年前にも「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に代わった。あの手口に学んだらどうかね」などと、安倍政権の改憲を後押しするためにナチスを例に挙げて批判を浴びた。
ユダヤ人の大虐殺(ホロコースト)や近隣諸国に侵略して第2次大戦を引き起こしたヒトラーの動機を「評価」し、「手口を学べ」とは正気の沙汰とは思えないが、そのヒトラーが独裁のために乱用したのがワイマール憲法第48条の「大統領緊急措置権」。いわゆる自民党の改憲草案98~99条に規定された「緊急事態条項」だ。
北朝鮮情勢の緊迫化を口実に好戦姿勢を強め、改憲をもくろむ今の安倍政権は、ドイツ近現代史の専門家である東大大学院教授の石田勇治氏の目にどう映っているのか。

・麻生発言は国益を損なう

――麻生副総理の発言をどう捉えましたか。

ナチ・ドイツやヒトラーの歴史の受け止め方というのは、国や地域によって異なるとはいえ、国連総会がアウシュビッツ収容所の解放日にちなんで「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」(1月27日)を定め、人権侵害の再発防止を世界中に呼びかけている。
そんな中で、肯定的とも受けとれる言葉でヒトラーを引き合いに出して自分の考えを伝えようとした。
それも、政権中枢にいる副総理が、2度もです。
今回の失言も全世界に配信されましたから、国益への打撃は大きいと言わざるを得ません。

――麻生発言に対して中国や韓国は即座に反発しました。

「やはり日本は信用できない国だ」「そういう政治家を選挙で選んだ国民も問題だ」と近隣諸国から指摘されかねません。

――ナチ・ドイツを評価する発言の真意はどこにあると思いますか。

麻生氏の発言は歴史家が検証してきた史実から乖離している部分も多く、勝手に思い描いたナチ・ドイツのイメージに彼がどんな憧れや共感をもって発言しているのかは不明です。
しかし、「緊急事態条項」を日本国憲法に加えたいと主張する自民党の政治家が「ナチスの手口」を学ぶべきだと公言したことを見過ごしてはなりません。
ナチスは「大統領緊急措置権」すなわち「緊急事態条項」を乱用して独裁への道を開いた。
つまり「ナチスの手口」とは、ずばり「緊急事態条項」のことなのです。

――自民党の改憲草案の解説書「Q&A」では「緊急事態条項」を盛り込む必要性について〈東日本大震災における政府の対応の反省も踏まえて〉と述べています。
2015年11月にパリ同時多発テロが発生した際、オランド仏大統領は非常事態宣言を出しました。
日本でも当時、改憲して「緊急事態条項」の規定を盛り込むべき――といった声が出ましたが、どこが問題なのでしょうか。

オランド大統領が出した非常事態宣言は、憲法ではなく、法律に基づくものですから、これを持ち出して改憲論議を進めるのは筋違いです。
憲法上の「緊急事態条項」は、国難に直面した際、優れた指導者がきちんと判断してくれることを期待して国民が持つ権利を停止し、あらゆる権力を政府に委ねること。
つまり、性善説に立っています。

――あくまでも為政者が誤った判断をしないだろうと信じて一時的に強権力を与えるのですね。

しかし、憲法に基づいて政治を行う、立憲主義を止めてしまうわけですから、それまでの民主的な統治形態を放棄してそのまま恒久的な独裁に転じる危険性を秘めている。
憲法で国民の自由を保障したまま、法律によって、緊急時にのみ「例外的に」「一時的に」自由の制限を行うことと、「緊急事態条項」を憲法に書き込むことは大きく異なるのです。
1933年に首相となったヒトラーは、ワイマール憲法48条を徹底的に乱用しました。
例えば、新聞に少しでも批判的な記事を載せたら、たちまち拘束するなど言論統制を進めました。
そして「国会議事堂炎上事件」が起きると、緊急事態を宣言して、国民の基本権を停止しました。
「一時的な措置」だとされましたが、結局、1945年の終戦まで独裁は持続し、ホロコーストに帰着しました。


・自民党改憲案は実に乱用しやすい内容

――確かに今の日本で政権や政治家に性善説を求めるのは難しいですね。

問題が起きても真実はごまかし、国民の目からそらしてばかり。
これから10~30年後、あるいはもっと先にどんな政治家が現れるのかを考えた時、従来のような性善説に立った発想で権力を委ねていいのでしょうか。
仮に日本国憲法に自民党改憲案のような「緊急事態条項」が盛り込まれ、悪意ある政治家、あるいは悪意はなくとも、時の為政者の誤った判断で乱用されたら、取り返しのつかない事態に陥ります。
そんなリスクの高い独裁権力を政府に与える必要はありません。
大災害に備えるためというのであれば、現行の災害対策基本法などを周知徹底し、法律を整備して対応すればいい。
それで十分です。

――それでも安倍政権は改憲して「緊急事態条項」を盛り込みたい考えです。
とりわけ最近は北朝鮮のミサイル・核開発の危険性をあおり、世論を喚起するような姿勢が目立ちます。
ナチ・ドイツがワイマール憲法48条を乱用していった時と今の日本の状況は似ているのでしょうか。

今の政権を見ていて、確かに政治姿勢やメディアの使い方、ポピュリズム的な対応の部分で危険な兆候が見られます。
しかし、今の日本がナチ前夜の状況なのかと問えば、それは違う。
なぜなら、日本国憲法のなかに「緊急事態条項」が存在しないからです。
仮に日本国憲法に自民党改憲案のような権力の集中に対して警戒心の薄い「緊急事態条項」が盛り込まれたら、たちまちナチ前夜のような危機的な状況になるかもしれません。
「ナチスの『手口』と緊急事態条項」の中で憲法学者の長谷部恭男さんと議論したことですが、緊急事態の期間の設定の仕方や司法によるチェックに重きを置いた、米独仏などの「緊急事態条項」と比較すると、自民党改憲案のそれは政権に対して甘い内容、実に乱用しやすい内容なのです。

――安倍首相は5月に独自の改憲案を新聞発表し、高村副総裁は来年の通常国会に改憲原案を提出したい意向を示しました。
安倍首相はなぜ、これほどまでに改憲したいのだと思いますか。

ひとつには、「アメリカに憲法を押し付けられた」というルサンチマン(恨みつらみ、憤り)でしょうか。
しかし、憲法というのは、世界の人権の歴史とほぼ一緒に発展してきた普遍的なものであって、日本固有なものが必要だという考え方は理解しがたい。
もうひとつは、日本をいざとなったら戦争態勢だってとれる「普通の国」にしたいのでしょう。
「緊急事態条項」は9条の問題とリンクしていると思います。
「緊急事態条項がなければ戦争はできない」と為政者が考えても不思議はありませんから。

・ドイツは日本と違って過去の問題を避けなかった

―――北朝鮮問題に対し、ドイツのメルケル首相は一貫して「平和外交」を強調し、「圧力を強める」と声高に叫んでいる安倍首相の姿勢とは真逆です。
同じ敗戦国でありながら、依然として中国や韓国とギクシャクしている日本はドイツと何が違うのでしょうか。

ドイツは地理的に遠いので、北朝鮮への対応が違うのは当然でしょう。
ただ過去の問題への対応も違います。
ドイツでは1960年代から、ナチ時代を反省する声が出てきました。
どの国も自国の負の部分については目を背けたいもの。
しかし、ドイツでは政治家も国民も、ナチ問題は国の根幹にかかわる深刻な問題として受け止めました。
そして1990年の東西ドイツ統一をきっかけに加害の過去と向き合う公的規範ができあがりました。
一方、日本の場合は、かつての軍部独裁や、南京虐殺、731部隊などの戦争犯罪が提起する問題に、政治家も国民も十分に向き合ってこなかった。
ドイツが日本と異なるのは、そうした過去の問題を避けなかったことです。

――「緊急事態条項」を阻止するためにメディアは何をするべきだと思いますか。

メディアは単に情報提供するのではなく、アジェンダセッティング(議題設定)もジャーナリズムの重要な役割です。
「緊急事態条項」についても性善説で論じられる問題や危うさをきちんと報じるべきです。
この条項が憲法に書き込まれ、いつか発動されたとき、真っ先に失われるのは言論・報道の自由だと思います。
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ナチ研究の第一人者が看破 自民案「緊急事態条項」の正体
日刊ゲンダイ:2017/09/19





■「思考停止」が生み出す怪物。ヒトラーがドイツ国民を熱狂させたたった1つの技術とは
ZUU online 2021/12/03

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・「思考停止」が生み出す怪物
人間の脳は、強い脅威を与えられ制御のきかないストレスに晒されると、理性の中枢といわれる前頭前野の働きが弱まり、思考停止に陥ってしまうことが脳科学の研究でわかっている。
また別の研究では、人間の脳には、難しく考えることを嫌う特性があり、短くて刺激的なわかりやすいフレーズを好むこともわかっている。
前述のように、マスコミが大衆誘導をする場合などに頻繁に用いられる手法で、「○○をぶっ壊す」「既得権益」「岩盤規制」「国の借金問題」という短いフレーズだけで意図的に印象を操作してしまうのだ。
この短くてわかりやすいフレーズを繰り返し聞かされることで馴染んでしまえば、脳は簡単にはそれを否定できなくなるのだ。
つまり、私たちを取り巻く状況が「思考停止」の条件を満たしているのである。
現在、私たち人類は新型ウイルスという見えない脅威に晒されている。
「新規感染者数」のニュースを毎日聞かされ、否が応にも「不安」は強まる一方である。
「まん防(蔓延防止)」や「自粛」「不要不急」「時短営業」「リモート」「黙食」といった短いフレーズを互いに使わされ、何とも抗いにくい閉塞感に包まれた日々を送っている。
私たちのストレスは相当深刻な状況にあり、思考停止に陥りやすい条件は完璧に整っているといっていい。
かつて欧州全土を戦争に巻き込み、ユダヤ人を大量虐殺したナチス・ドイツ。
理知的なドイツ民族を蛮行に駆り立てた原因は「思考停止」にあったと私は考えている。
第一次世界大戦後、敗戦国のドイツは巨額の戦後賠償を抱えていた。
そのため経済は崩壊し、ハイパーインフレが国民の生活を襲い、治安は極度に悪化し、飢餓による死者も増加の一途を辿っていた。
ドイツ国民の多くが先の見えない恐怖と失望に晒されていた。
ナチスの指導者ヒトラーは、「思考停止」の国民を「選民思想」とメディアを使って洗脳し熱狂させていったのである。
当時のドイツでは、全国民はラジオから流れるヒトラーのすべての演説を視聴することが義務づけられていた。
国民は繰り返しヒトラーの演説を聞かされ、また新聞や書籍などは検閲され、ナチス政権に不都合な情報や表現は徹底的に排除された。
ヒトラーは著書『我が闘争』(角川文庫 1973)において「プロパガンダ」について以下のように述べている。
「プロパガンダとは、絶え間なく大衆を自らの意のままにすることである。そのためには、都合の悪い情報は遮断しテーマと標語を限定して大衆に伝えること。また、コントロールする大衆に知性を求めないこと、つまり考えさせてはいけない。そして、同じことを何千回と繰り返して伝えることが重要だ」
この手法は政治心理学では「議題設定効果」と呼ばれているもので、国民の関心を特定のものに向けさせ固定化させるのである。
後にナチス台頭の心理的メカニズムを解明した社会心理学者のエーリッヒ・フロムは著書『自由からの逃走』(東京創元社 1952)において次のように解説している。
「大規模な危機が社会を襲った時、人は他者に対して攻撃的になり、権威あるものにすがりたくなる特性を持っている」
ドイツ国民の「思考停止」がナチスを生み出し、「全体主義」という名の「怪物」を跋扈(ばっこ)させる結果を招いたのだ。
そして、現在の日本人もこれと同じ状況にあることを私たちは注意するべきである。
「陰謀論」というレッテルで都合の悪い情報は遮断され、わかりやすいフレーズを毎日繰り返し聞かされている。
つまり、それだけ「議題設定効果」がよく表れているということだ。
「全体主義」という名の「怪物」が完全にでき上がってしまったら最後、崩壊まで突き進まなければ大衆が目を覚ますことはできないのである。
歴史がそれを証明している。
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「思考停止」が生み出す怪物。ヒトラーがドイツ国民を熱狂させたたった1つの技術とは
ZUU online 2021/12/03






■自民党の憲法草案を丁寧に読んでみてビックリ、問題は9条以外の部分だった。
2016年10月23日  杉江義浩(ジャーナリスト)





■コロナ禍で改憲目論む 自民案「緊急事態条項」の正体とは
日刊ゲンダイ:2021/05/07




■【ホントコ#13】吉田照美・垣花浩志 日本の民主主義が崩壊しようとしている!本当の三権分立とは何か?わかりやすく解説。
▼閣議決定が独裁への道へ!?
YouTube2022/11/30





■自民党憲法改正案の緊急事態条項が、スターウォーズよりヤバい4つの理由
HuffPost(ハフポスト) 2016年01月04日 内山宙(弁護士)





■なぜ、いま「緊急事態条項」が注目されているのか?
#みんなのWHY
TBS NEWS 2020/05/03




■独裁「前夜」の危うさ ナチスの手口と緊急事態条項
神奈川新聞 | 2017年8月31日




■緊急事態条項の創設是非で論争激化 人権制限につながる恐れも 衆参憲法審
東京新聞 2022年5月3日





■憲法改正による緊急事態条項の創設及び衆議院議員の任期延長に反対する会長声明
日本弁護士連合会 2022年5月2日




■緊急事態条項は権力濫用の危険高い 日弁連指摘
exciteニュース 2022年5月6日




■【図解・政治】自民党憲法改正草案のポイント(2016年7月)
時事通信社 2016年7月17日





■国会前デモもできなくなる!? 憲法21条改正草案の“問題点”
infoseekニュース 2016年7月7日 女性自身




■自民党の改憲草案で憲法はどう変わる?
「政府による戦争をしない決意 が前文からなくなります。」
「「徴兵制」を合憲とする事が可能になります。」
「基本的人権の対価に責任と義務が求められ、基本的人権より国益と社会秩序が優先されます。」
「「政治的な」または「軍事的な」拘束や拷問が可能になります。」
「国会議員などの公人に対する報道の自由が制限されます。」




■知らなきゃヤバい!緊急事態宣言と緊急事態条項の違いについて
YouTube 2021/05/09





■憲法への新設が議論 「緊急事態条項」の危険性
2022/06/23 サンテレビニュース(兵庫県)




■伊藤真 弁護士が語る「加憲」の危険性②「緊急事態条項」
2017/10/12





■『ナチスの「手口」と緊急事態条項』刊行記念 長谷部恭男先生×石田勇治先生 トークイベント
2017/10/03 集英社新書




■【緊急事態条項】9割の国民が知らない危険な中身
2023/01/19 堤未果 / 月刊アンダーワールド / 公式チャンネル





■憲法改正 古舘伊知郎が語る緊急事態条項の危険性  報道ステーション  改憲阻止!
YouTube 2022/07/14






■集団的自衛権、黒幕の米国が考えていること
日米安保体制はますます米国の思うまま
東洋経済オンライン 2014/07/01 高橋 浩祐





■現実味を帯びてきた、日本が米中「代理戦争」に利用される日
 
まぐまぐニュース 2016.04.21





■「台湾有事の時、メインで戦うのは日本」アーミテージ発言で露見した米国の“本当の計画”
TOCANA  2022.07.05


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