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“天下の悪税”消費税、今こそ廃止すべき~「1000兆円の借金」「消費税の目的」という大ウソ~


【今日の気になったニュース・記事】



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【本日のニュース・記事】



■“天下の悪税”消費税、今こそ5%に減税か廃止すべき…「日本は世界一の借金大国」のウソ

Business Journal 2020.03.17



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恐れていた事態がやってきた。

 

新型コロナウイルスの影響で日経平均株価が1万7000円台に大暴落。

3月13日には一時、下げ幅が前日比1800円超となり、1万6690円と2016年11月以来の安値を記録した。

「アベノミクスの化けの皮が剥がれた」と言ってもいいだろう。

 

安倍晋三首相は「景気は緩やかに上昇している」と言い続け、昨年10月に消費税を10%に引き上げた。

しかし、大方の予想通り、同月の国内消費支出は前年比で5%も下落した。

「物価が上がれば消費は沈む。消費が沈めば売り上げが落ちて、庶民の給料は上がらない」――小学生でもわかる図式だ。


 

3%から5%、5%から8%と、過去に二度も経験してきた悪循環を知りながら、日本政府が「天下の悪税」を引き上げたのは、これほどお手軽で簡単な税収はないからだ。


・「日本は世界一の借金大国」のウソ
 


消費税増税の大義名分である「日本は世界一の借金大国」という論理が、そもそもウソである。

日本の国債残高約1000兆円(国民1人あたり900万円)は事実だが、金融資産と非金融資産を足した国内資産も1000兆円以上を保有している。

そして、日本の国債残高のうち海外に保有されているのは6%ほどだ。

つまり、ほとんどが日本国民からの借金であり、簡単に言えば「家庭内でお父さんがお母さんにお金を借りている」ような状態なのである。

 

筆者の家庭が年間に使う金額は、およそ300万円だ。

単純に考えると、消費税が10%なら30万円を余計に支払わなければならない。

おそらく、同じような状況の家庭も多いのではないだろうか。

つまり、消費税によって、国民1人あたり30万円という、本来なら貯蓄に回せる額を政府に取られているわけだ。

ちなみに、消費税が5%から8%に上がった14年、消費意欲の減退により家計の消費は年間34万円下がっている。

 

消費税とは、「国民の貯金を政府の資産にすり替える悪税」といえるのではないだろうか。

「高齢社会で介護費や医療費などの社会保障費が膨れ上がる」というのも増税の大義名分だったが、8%に引き上げられた際、社会保障費に回された額はわずか2割しかなかった。

実際は「何に使われているかわからない」のも消費税なのである。


・“アベノミクスで景気上昇”のまやかし
 


消費税が8%だった5年間、安倍首相はアベノミクスを推し進めた。

この間、景気の指標となる日経平均株価は13年以降、年次で1万0395円→1万6291円→1万7450円→1万9033円→1万9114円→2万2764円と上昇の一途をたどり、安倍首相は「景気は緩やかに上がっている」と言い続けてきた。

 

この裏で行われていたのが、日本銀行による年間約6兆円の上場投資信託(ETF)購入である。

14年から19年の5年間で約30兆円にも及び、日本の株を買い支えてきた。

わかりやすく言えば、好景気を演出して消費増税反対の意見を封じ込めるために、政府が金を出してきたわけだ。

 

19年に持ち上がった「老後資金2000万円問題」は、「国民に投資を喚起する」のが真の狙いであった。

タンス預金を引っ張り出して投資をさせることで、政府の支出を減らそうとしたわけだ。

 

政府がいくら“アベノミクス効果”を強調しても庶民が実感できないのは、こうした操作による“つくられた景気上昇”だったからではないだろうか


・今こそ消費税を撤廃すべき
 


消費税増税による景気減退に追い打ちをかけるかのように、コロナ・ショックが経済に打撃を与え始めた。

街から人がいなくなったことで、サービス業の9割が深刻な打撃を受けると言われている。

 

日本政府は中小企業や労働者への支援策を打ち出しているが、今後の見通しが不透明な以上、十分な対策とは言えないだろう。

所得補償や住宅ローン返済猶予などで「国民からせしめた消費税を還元」するのは当然として、今こそ消費税の5%への減税あるいは撤廃を行うべきだ。

 

10%への引き上げ時には軽減税率が導入されたものの、逆進性のある消費税は、基本的に国家と一部の高所得者だけが得をする仕組みだ。

そのため、消費税が上がれば上がるほど、経済格差は広がっていく。時間をかけて少しずつ消費税を上げてきた日本政府は、将来的に20%にまで引き上げようと目論んでいるとも言われる。

政府に好き放題させないためにも、今こそ庶民がNOを突き付けるべきである。

(文=井山良介/経済ライター)


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“天下の悪税”消費税、今こそ5%に減税か廃止すべき…「日本は世界一の借金大国」のウソ
Business Journal 2020.03.17
https://biz-journal.jp/2020/03/post_147058.html





本日は4つの記事をご紹介いたします。


2つ目の記事はこちらです。




■政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”の嘘

論座(朝日新聞)2019年09月20日 斎藤貴男



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・全世代型社会保障改革を掲げた新内閣


「新しい社会保障制度のあり方を大胆に構想してまいります」と安倍晋三首相は胸を張った。

9月12日、第4次再改造内閣発足に臨む記者会見。


「全世代型社会保障改革」を新内閣の“旗”に掲げ、その担当を兼務する西村康稔経済再生相(56)を中心に、「70歳までの就労機会の確保や年金受給年齢の選択肢の拡大」などの“改革”を進めるという。


いわゆる年金カット法(年金制度改革法)に基づくマクロ経済スライド方式の強化をはじめ、医療費や介護費用の自己負担比率増大、介護保険制度の利用者制限、生活保護の生活扶助費や住宅扶助費の減額等々、過去数年にわたって重ねられてきた社会保障の縮小あるいは削減に、よりいっそうの大ナタが振るわれていく。


側近の衛藤晟一氏が担当相に起用された「1億総活躍」の国策と合わせれば、権力に近くない人間は死ぬまで働くしかない時代が見えてくる。

ちなみに西村氏は内閣官房副長官だった2018年7月5日夜、安倍首相とその取り巻きたちによるどんちゃん騒ぎの大宴会「赤坂自民亭」の模様を、「いいなあ自民党」のコメントとともにツイートし、問題になった人物だ。


翌日にオウム真理教事件の死刑囚7人の死刑執行が予定され、また中国・四国・九州地方で200人以上の死者を出すことになる西日本大豪雨がすでにその予兆を示していたそのタイミングが、今も記憶に生々しい。


・社会保障の充実と安定化のための増税だったが……


“大胆”な社会保障“改革”の実相も、それを担う人々の資質も、しかし、マスメディアは特に報じも、論じもしなかった。


新閣僚の首相との距離感や、派閥の内幕については過剰なほど詳しい新聞は、国民生活を左右する政策の意図や意味には関心がないらしく、政権側の言い分をおおむねそのまま垂れ流す。

「全天候型社会保障改革」に批判的な報道が皆無だったとまでは言わないが、その場合でも、なぜか、この“改革”と、ある要素との関係だけは、とことん避けて通られているようだ。


「ある要素」とは何か。消費税増税の問題だ。

来たる10月1日に、消費税率は8%から10%に引き上げられることになっている。


そして、政府とマスメディアはこの間ずっと、“社会保障の充実と安定化”のための増税なのだと謳(うた)い続けてきた。

それが、どうだ。現実は、まるで正反対の姿にしかなっていないではないか。


・尻すぼみに終わった「老後2000万円問題」


例の「2000万円問題」を、改めて考えてみよう。

さる6月、政府の審議会が公表した報告書に、“今後の日本社会で高齢夫婦が老後を暮らすには、支給される公的年金の他に約2000万円が必要になる”旨が書かれていて、日本中が大騒ぎになった、あの問題だ。


だからどうするべきなのか、という問題提起ではない。

金融庁長官の諮問を受ける「金融審議会」の「市場ワーキンググループ」が、あくまでも金融サービス事業者向けに、だからこういう金融商品を作って売ったら儲かりまっせ、と“啓蒙”するのが狙いの文書であり、2000万円うんぬんは、その前提となるデータとして提示されていたのにすぎない。


目的はどうあれ、それでも多くの国民は反発しかけた。

官邸前の抗議集会や、デモがあった。


野党も結束して追及した……かに見えた。

だが、やがて尻すぼみになり、7月の参院選でも、さしたる争点にはならなかった。


原因は明確でない。

野党のだらしなさ、権力になびく一方のマスメディアといろいろあるが、それだけでは説明できない。


しかし、そうなった決定的な背景が、私にはわかるような気がする。


・消費税率は上がれど悪化する社会保障


1988年のことである。

ある不動産会社が、自社商品の宣伝本を出版した。


題して『パートナーシップ』。

一言に要約すると、こんな内容だった。


日本銀行の試算によれば、現役を退いた高齢夫妻の老後は公的年金だけでは賄えず、平均でざっと1500万円の貯蓄が必要です。

だから皆さん、当社のワンルームマンションに投資して、安心な老後に備えましょう。


時はまさに金ピカ・バブル経済の真っ盛り。週刊誌の記者だった私は、その本を地上げ絡みのネタ元にさせてもらっていた同社幹部にプレゼントされ、思うところあって、大切に保管してきた。

消費税が導入されたのは翌89年。


“高齢化社会への対応”が前面に打ち出され、紆余曲折を経てのスタートだったが、その後も同じ理由が繰り返し掲げられ、税率が3から5、8%へと引き上げられて、ついには2桁の大台に乗ろうとしている。

考えてももらいたい。


いくらなんでも、おかしすぎはしないか。

消費税の導入前は1500万円の不足。


税率10%を目前にした現在は2000万円の不足。

何も変わっていない、どころか、事態はかえって悪化している。


いったい何のための消費税だったのか。


・消費税は大企業や富裕層の減税の財源


……などと吠えてみせるのもカマトトではある。

財務省の資料「法人税率の推移」によれば、88年度に42%だった法人税の基本税率は、翌年に消費税が導入されてからは減税に次ぐ減税で、現在は半減に近い23・2%だ。


また、これも財務省のデータ「一般会計税収の推移」は、税収全体に占める税目別の割合が、消費税と法人税がほぼ反比例している様子を示している。

この間には所得税の累進性もかなり緩んだ。


99年からの8年間は累進の上限が年間所得1800万円超の37%。

少し大きな会社の部長さんも、大財閥のオーナーも、同じ税率だった。


財政健全化の財源にすると強調された局面もしばしばだった。

けれども、この点にしたところで、消費税が導入されて以降も、財政赤字は膨らむ一方であり続けてきた。


税収が増えると、増えた分だけ“土建屋政治”や“軍拡”に勤(いそ)しんできたからに他ならない。

要するに、消費税は社会保障の充実や安定化、財政健全化のために導入されたわけでも、増税されてきたわけでもない。


敢えて単純化してしまえば、それはただ、大企業や富裕層の減税の財源になった。

すなわち、この間に政府やマスメディアが国民に刷り込んできた“消費税の目的”なるものは、何もかも嘘(うそ)だったと断じて差し支えないのである。


・自己責任論が強調される社会保障


もっとも、ことの善悪の一切をさて置く限り、とりわけ近年における状況は、いわば必然的な結果でもあった。


民主党政権と自民、公明両党との「3党合意」で、国策「社会保障と税の一体改革」の目玉としての消費税増税が決められた2012年の冬、「社会保障制度改革推進法」が可決・成立している。


その第2条の1が、社会保障を、こう定義していた。


――自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと。

一般の認識とは、天と地ほどもかけ離れてはいないだろうか。


社会保障と言えば、普通は社会保険や公的扶助、公衆衛生、医療、社会福祉などの概念をまとめたものと理解されている。

1950年に当時の「社会保障審議会」が打ち出した「狭義の社会保障」の定義が、多くの人々には、なお生き続けているのだ。


いずれにせよ、今風の表現では「公助」のイメージだ。

「社会保障制度改革推進法」の定義と対比されたい。


そして、消費税率が8%に引き上げられる4カ月前の2013年12月、今度は「推進法」を具体化していくための「社会保障制度改革プログラム法」が可決・成立。


同法では社会保障における政府の役割が規定されているのだが、こちらはもっと凄まじい。


――政府は、住民相互の助け合いの重要性を認識し、自助・自立のための環境整備等の推進を図るものとする。

徹底的な自己責任論であり、政府は努力義務しか持たないと定めている。


書籍や雑誌の記事、講演会などの場で、私が幾度も幾度も書き、語り、批判してきたことである。

こう書くと確実に返ってくるのは、“消費税がなければ、社会保障そのものが解体していた”などといった反論だろう。


制度の“持続可能性”を錦の御旗とする政府やマスメディアが近年多用したがるロジックだが、これほどの本末転倒もない。

制度だけが持続しても、国民生活を支えることができない制度なら無意味だ。


「社会保障は国民生活に必優なものであるから、財源が足りなければ、どこからか財源を工面して、社会保障の充実に充てるのが、政治家の仕事ではないか」と、鹿児島大学の伊藤周平教授(社会保障法)は喝破してのけている(『社会保障入門』ちくま新書、2018年)。


生存権を規定した憲法25条を持ち出すまでもなく、消費税は上げるが社会保障の水準は下落の一途、などという“政策”は、本来、許されてよいはずがないのである。


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政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”の嘘
論座(朝日新聞)2019年09月20日 斎藤貴男
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019091900001.html





3つ目の記事はこちらです。





■元財務官僚「消費税引き上げは本当は必要ない」「1000兆円の借金」という大ウソ

PRESIDENT Online 髙橋 洋一 2019/09/18



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・「国の借金1000兆円」を冷静に読み解いてみると


「日本はいま1000兆円の借金を背負っている。

国民一人当たりに直すと800万円になる。


みなさん、こんな借金を自分の子や孫に背負わせていいのか。

借金を返すためには税が必要だ」といった話は誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。


財務省(かつての大蔵省)が1980年代から繰り返し言い続けてきていることである。

1000兆円の借金とは何を指して言っているのだろうか。


その正体と、実はここには大きなウソがあるということも、政府のバランスシートを見ればすぐにわかる。

経営者が企業を運営するように、政府は国を運営する。


当然、政府にもBSとPLがある。

政府の財務書類は財務省のウェブサイトで簡単に入手できる。


まず、このことを知らない人が多すぎる。

政府のBSを最初につくったのは私である。


単に実際の政策運営上、必要だったからで、1994年、大蔵省にいた時のことだ。

その時には大蔵省内部で、「そんなものは出すな!」という話になり公表は見送られた。


2004年頃、小泉純一郎総理(当時)に、「政府のバランスシートはこのようになります」と私が話すと、「すぐに出せ!」ということになって今に至っている。

つまり、政府のBSは2005年からずっと公開されている。


インターネットで閲覧できるようになっている。

政府のBSを読むうえでまず知っておく必要があるのは、「企業は負債よりも資産のほうが多いほど安泰だが、政府のBSの場合は資産よりも負債のほうがちょっと大きいくらいでも健全だ」ということである。


つまり政府には「利益剰余金」は存在しない。

政府のBSの「純資産」は多くの場合マイナスである。


これは世界のどの国も同じことだ。

それでもよほど大きなマイナスでなければ破綻しない。


これは歴史の事実だ。


・際立った数字だけを拾い、細かい数字は読まなくていい


2019年(平成31年)1月29日に財務省のウェブサイトで公開された平成29年度の国の財務書類(一般会計・特別会計)から、政府のBSを見てみよう。


BSには細かい数字が並んでいるが、際立った数字だけを読んでいき、その意味がわかればよい。

財務書類を読みこなすには、数字を正しい単位で声に出して読むのがコツである。


BSやPLに書かれている数字は億単位、兆単位であり、キリのいい位以下が切り捨てられて書かれていない。

(単位:百万円)とあれば、数字の最後の位が「○百万円」となる。


「123、456」とあれば「1234億5600万円」のことである。

「この項目の数字が大きいな」というだけではだめで、「この項目の数字が大きい、約1235億もある」と言えて初めて数字が読めたことになる。


これに慣れるには、数字を正しい単位で声に出して言うのがいちばんだ。

平成29年度の政府のBSにおいて、負債の部で際立った数字は「公債」である。


966兆8986億2800万円。これが悪名高い「借金1000兆円」の正体だ。

ひとつ上に「政府短期証券76兆9877億9300万円」がある。


これと合わせることで堂々と「借金1000兆円」と騒いでいるのである。

借金ということで言えば、さらに「借入金31兆4434億4900万円」を足したものが日本政府の借金である。


・重要なのは「資産」と「負債」のバランス


「借金の額だけを見て批判するのは的はずれである」ということはすでに述べた。

重要なのは負債総額ではなく、“資産と負債のバランス”である。


先の日本政府のBSから、資産合計を見てみよう。

670兆5135億2200万円だ。


負債合計は、1238兆8753億1100万円である。

資産合計から負債合計を引いた資産・負債差額を出せばバランスがわかるが、この数字は計算するまでもなくBSに書いてある。


568兆3617億8800万円である。

資産・負債差額がすでに書いてあるのだから、それだけ見ればいいではないかと思われるかもしれない。


しかし、大きく際立った数字の勘定項目を確認するクセはつけておいたほうがいい。

そうしたからこそ、「政府の負債のほとんどは公債だ」ということもわかったのだ。


「借金1000兆円」と騒ぐ人たちは、「資産・負債差額568兆3617億8800万円」が見えていない。

何度も言うように負債の額が問題なのではない。


「日本政府の純資産は約マイナス568兆円」が正しい言い方なのである。


・「子会社」である日銀のBSも連結させてみると


問題は「日本政府の純資産は約マイナス568兆円」をどう見るかということだ。

568兆円は、一般人の感覚では途方もない額だが、政府の話として見れば問題のないレベルの数字だ。


さらに政府はいろいろな、いわば「子会社」を持ち、グループ企業となっている。

日本銀行はその代表的なものだ。


つまり、日銀のBSを連結させていいのである。

そこで、本書執筆時点で最新である2019年2月10日現在の営業毎旬報告による日銀のBSを見てみよう。


日銀は10日おきにデータを公表している。

日銀のBSは(単位:千円)だ。


「123、456」は「1億2345万6000円」である。

ここでも数字を声に出して読むクセをつけておこう。


日銀にはいろいろな「資産」があるが、際立って大きい数字は「国債」の473兆877億9235万8000円である。


・「お金」が日銀にとって負債である理由


日銀の「負債」で最も大きいのは「当座預金/376兆8004億9798万円」、次に大きいのが「発行銀行券/106兆5571億5865万3000円」だ。


当座預金とは「民間金融機関の日銀当座預金」、銀行発行券とは「発行された日本銀行券つまり紙幣」のことである。両方とも、言うまでもないが「お金」のことだ。

「お金がなぜ日銀の負債になるのか」といえば、「お金」は、会計的に言えば「日銀が発行する債務証券」だからである。


会計の用語はこのように、普通の人々が日常生活の中で使っている言葉のイメージを超えている。

だから、学習が必要なのだ。


日銀は、民間金融機関が保有している国債を買い、その代金を民間金融機関の当座預金に振り込むか、日銀券つまり紙幣を発行して渡す。

その価値を保証するのは発行元であるところの日銀である。


つまり、「お金」は日銀が発行する「証文」である。したがって「発行銀行券=日銀券=紙幣」も「当座預金」も日銀の「負債」となる。

このように、BSが読めると日銀がどんな仕組みの金融機関であるかということも理解できるようになる。


凡百の評論家の解説を読むよりも明解にわかるはずである。


・日銀の負債がほとんどゼロであるカラクリ


発行銀行券が日銀の「負債」となることは前項で述べた。

しかし、負債とはいえ、銀行券に対して日銀が利子を支払うことはない。


ここが日銀のBSを読むときのひとつのポイントである。

別の「負債」である「当座預金」はどうか。


当座預金とは、一般的には小切手や手形などの決済専用の口座のことを指し、民間金融機関においては無利子である。

これは法令で定められている。


しかし、実は日銀の当座預金に関しては、民間金融機関は利子を受け取っている。

本来は不合理な話なのだが、リーマンショック後の2008年10月、資金供給円滑化のための措置として日銀は補完当座預金制度を導入した。


金融機関には「準備預金制度」といって「受け入れている預金等の一定比率以上の金額を日本銀行に預け入れること」が義務づけられている。

金融機関は必ずいくらかの金額を日銀に預けておかなければならない、ということだ。


補完当座預金制度によって日銀は、一定比率以上の金額つまり法定準備預金額を上回って預けている金額=超過準備金に対して利子をつけることにした。

いわば、日銀の金融機関への「お小遣い」のようなものである。


企業を経営している人なら、企業の金融機関への当座預金は無利子であることを知っているだろう。

企融機関の日銀への当座預金は利子が付いているわけで、この意味で金融機関の「お小遣い」なのだ。


ただし、日銀は2016年、「マイナス金利政策」を実施して話題になった。

これはつまり以前の補完当座預金制度とは逆で、「これからは超過準備金に対しては利子を取りますよ」ということである。


2008年以来、利子がもらえていたのに取られることへ逆転したので民間金融機関は大騒ぎをしたが、ここは正確な理解が必要だ。

日銀当座預金は400兆円程度ある。


しかし、マイナス金利が適用になるのはほんの一部である。

ほとんどの部分にプラスの金利が付与されており、金融機関が日銀からお小遣いをもらっている状況に変わりはない。


ともあれ、「当座預金」は「銀行発行券」といつでも代替でき、「銀行発行券」は日銀にとって負債ではあっても無利子・無償還で実質的な借金ではないと言うことができる。

つまり、返す必要のないお金だ。


したがって日銀のBSにおいて、「負債」は実質ほとんどゼロとして読むことができる。

つまり日銀の「資産」は、国債分の約474兆円と読むことができるのである。


・実は国の財務状況は心配するレベルではない


これを政府のBSに連結してみよう。

日銀の資産474兆円が、ほぼそのまま政府の「資産」に加わることになる。


政府の「資産・負債差額」はマイナス568兆円からマイナス94兆円まで下がる。

すでに述べたが、政府のBSは負債がちょっと多いくらいでも問題はない。一般に公開されており、かつまたネットで簡単に入手できるBSを読みさえすれば、日本政府の財務状況は問題のない健全なレベルにあることがすぐにわかる。


逆に言えば、国の借金1000兆円などといって騒いでいる人は、それすらしていない残念な人、または知識の薄い国民を騙そうとしている人ということになる。

政府と中央銀行のBSを連結したものは「統合BS」と呼ばれている。統合BSで政府の財務状況を見るのは世界の常識だ。


・「国債発行額が増えれば増税につながる」というウソ


平成29年度の政府のBSを見ると、確かに政府は「公債/966兆8986億2800万円」「政府短期証券/76兆9877億9300万円」「借入金/31兆4434億4900万円」といった借金をしている。


これをもって、「借金がたくさんあってけしからん」という声をよく聞く。

すでに述べてきたように、BSの右側のお金は左側へと流れている。


つまり変化している。

政府の「負債」は、多くの場合「資産」に変わっているのである。


お金をどのように使ったかは、企業の場合にはPLに明らかにされる。

政府の場合、PLに相当するものが「予算書」だ。


予算書は一般会計だけで1000ページ、特別会計まで含めると2000ページにもなる。

在職の官僚ですら読みきれるものではないから詳細は放っておいてよい。


基本的なところをおさえておこう。

政府の場合、税収ではまかないきれない支出を補うための「建設国債」と「特例国債」というものがある。

インフラ整備など「建設」に関わる費用をまかなうのが建設国債で、それ以外が特例国債だ。


この特例国債が一般的に「赤字国債」などと呼ばれてイメージを悪くしている。

国債にはもうひとつ、「財政債」と呼ばれるものがあるが、財政債はBS上で資産に変わる公債だからまったく問題ない。


「建設国債」と「特例国債」は、国家運営に必要な「費用」を得るために発行されるものである。

「政府は借金をするな」つまり「国債を発行するな」とした場合、どうなるだろうか。政府の収入は税金だけになる。


「足りなければ増税する以外になくなる」ということは明らかだろう。


・増税は天下りを助長する可能性すらある


借金がダメならば、政府は増税をしてBSの右側を増やさずに、左側の資産を維持することになる。

政府のBSをみれば明らかだが、政府の資産の多くは「有価証券」だ。


「有価証券」は相手先法人への天下りの源泉になる。

つまり、国民の税負担によって、「お金と権力の関係」を維持することになる。


「借金をするな。費用を支払うのも資産を得るのも税収だけを財源とせよ」と言うのは、「足りなければ好きなだけ増税せよ」と言うのと似たようなものである。

政府にとって借金はあって当然で、なくては国家運営が成り立たない。


もちろん、どの程度までの借金が許容範囲なのかという問題はあるが、それは、すでに政府のBSと日銀のBSで見た通り、今の日本政府の財務状況に問題はない。

もちろん国債は借金だから、期日までに必ず利息と元本を支払わなくてはいけない。


「償還費には税金が使われるから、国債発行額が増えれば増税につながる」という批判をよく聞くが、これはミスリーディングである。

国債の償還は、借り換え債で対応することが原則だ。


たとえば100万円の国債が償還期日を迎えたら、あらたに100万円の国債を発行して償還する。

これを繰り返す。


結果的に借金の残高は変わらないことになる。

政府の借金が一向に減っていかないのは、償還期日が来るたびに借り換えているからである。


実質的に政府は借金を返していない。

返していないところで税金が使われるはずはない。


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元財務官僚「消費税引き上げは本当は必要ない」「1000兆円の借金」という大ウソ
PRESIDENT Online 髙橋 洋一 2019/09/18
https://president.jp/articles/-/29932?page=1





最後、4つ目の記事はこちらです。




■消費増税の「ヤバい真実」…40人のエコノミストが明かす衝撃の中身

元日銀総裁、元内閣参与らが緊急提言

週刊現代 2019.06.01



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・元日銀副総裁、安倍ブレーンが開いた「ある会合」「消費増税で深刻な経済被害が発生する」「消費増税で失われた時代が続く」


5月21日、衆議院会館である会合が開かれ、20人ほどのエコノミストが集った。

彼らから次々と発せられたのは「消費増税すべきでない」数々の理由だ。


この会合の呼びかけ人は日本銀行副総裁としてアベノミクスを支えた岩田規久男氏と、昨年まで安倍首相のブレーンとして内閣官房参与を務めていた京都大学教授の藤井聡氏である。

呼びかけに応じて「増税反対」の声明を出したエコノミストは40人。


冒頭の言葉はそこで寄せられた意見の一部だ。

そこで出されたエコノミストたちの意見に耳を傾けると、消費増税が日本経済にもたらす危険性について考えさせられるものがある。


・デフレ脱却が「不可能になる」


安倍政権の看板政策「アベノミクス」。

その最大の目的は「デフレからの脱却」であった。


日本銀行は2%の物価安定目標というインフレターゲットを設定し、「異次元の金融緩和」を実践してきたが、6年経ってもデフレ脱却は実現していない。

日銀時代に異次元の緩和を主導した岩田規久男氏は「日本経済の最大の問題はデフレ完全脱却である」とした上で、「大規模な金融緩和により進んでいた脱デフレの動きが止まったのは14年の消費増税による消費低迷だ」と指摘した。


さらに、「その低迷し続ける消費を19年10月にさらに消費増税により弱体化させれば、デフレ脱却は不可能になる」とまで断じ、「政府がやるべきことは、消費を活性化させ、内需主導型成長軌道に乗せることだ」と主張する。エコノミストの安達誠司氏も「世界経済が不透明感を増すいま、これまで以上に財政拡大をテコにした内需拡大が重要になる。このような時期に消費税率を引き上げることは、アクセル(金融緩和)とブレーキ(緊縮財政)を同時に踏むことを意味する」と指摘する。


消費増税はデフレ脱却を遅らせ、景気をさらに悪化させる。

「消費税は、経済成長のメインエンジンである『消費』に対する『罰金』として機能する」(藤井聡氏)からである。


「消費増税は、デフレの脱却を遅らせるどころか、さらなる消費の落ち込みをもたらしてデフレをより深刻なものとしていく。とりわけ、中小零細企業の経営に深刻なダメージを与えるだろう」(滋賀大学教授・小野善生氏)


「内需を確実に下落させる消費増税は日本経済に破壊的ダメージをもたらし、財政基盤を毀損し、財政をさらに悪化させることは必至だ。デフレ完全脱却が果たされていない中で世界経済が悪化していく状況における消費増税は、確実に深刻な経済財政被害をもたらす」(評論家・宮崎哲弥氏)


・惨めな経済状況へ


こうした意見に代表されるように、デフレ状況下での消費増税は消費を冷え込ませる。

需要が減ると企業も設備投資を増やすことはない。


その象徴が400兆円を超えるまでに積み上がった内部留保である。内部留保は「企業が溜め込んでいる」と批判の対象になりやすいが、設備投資に回せない経済状況にこそ問題があるというわけだ。


ソシエテ・ジェネラル証券チーフエコノミスト・会田卓司氏は「投資が抑制されて生産性向上できず、家計は実質所得が減少して疲弊し、高齢化でさらに惨めな経済状況に陥るリスクが高まる」と語る。立命館大学教授の松尾匡氏の表現を借りると、「今、消費税を上げることは風邪の引きはじめに冷水に飛び込むようなもの」なのである。


・タイミングが最悪


安倍政権は「確実に消費増税を実行できるようにする」という答弁を繰り返す。

しかし、「10月の消費税引き上げは最悪のタイミングである」と断じるのはUBS証券日本地域最高投資責任者の青木大樹氏だ。
青木氏は「グローバル経済では、中国から米国への全輸出品に対する追加関税リスクとそれによる影響が懸念される」とした上で、「イギリスのEU離脱期限」や「連立政権が崩壊しているギリシャ総選挙」など世界情勢の不安定性が増している状況を懸念する。


一方、政府は、「リーマンショック級の事態にならない限り」という但し書きで「消費増税凍結」の逃げ道を残してある。

しかし、「すでにリーマンショック級の状況にある」と指摘をするのは経済アナリストの森永卓郎氏だ。


「IMFが4月9日に発表した世界経済見通しでは、2019年の世界の実質経済成長率が1月発表の3.5%から下方修正されて3.3%となった。この成長率は、リーマンショックの翌年から5年間の長期停滞局面の成長率と同じです。つまり、(世界)経済の現状は、すでに『リーマンショック並みの経済危機』に陥っています」


京都大学准教授の柴山桂太氏はこうした世界経済の状況も加味してこう指摘する。

「世界的に金融市場の動きが不安定になっていることを考えても、タイミングは最悪だ。消費増税は延期ではなく『凍結』にして次の大きな危機に備えるべきだ」


もはや「リーマンショック級の事態にならない限り」などと悠長なことを言っていられる状況ではないのである。


・「大企業」と「富裕層」に有利


消費税がもたらす悪影響はデフレや景気悪化だけにとどまらない。

税理士の湖東京至氏は消費税の持つ特性が対米貿易にも悪影響をもたらすと指摘する。


「消費税には『輸出還付金制度』があります。例えば自動車メーカーであれば仕入れ段階で消費税を払っているが、輸出品には消費税をかけられないため、その消費税分を国から還付してもらえるのです。米国はこれを『輸出企業に対する実質的な輸出補助金であり、リベートだ』とみなし、消費税の高い税率や税率引き上げに反対しています。米国には消費税タイプの税制がないため、米国の輸出企業には還付金はない。米国はこの不公平を除くため、(対抗措置として)25%もの関税をかけるという。消費税・付加価値税は熾烈な貿易戦争を招く危険な税制です」


この輸出還付金制度の問題はそれだけではない。

大企業と下請企業が取引をする際、圧倒的に大企業側が有利になり得るのだ。


取引先に対して形式的には消費税を支払ったとしても、その分値引きをさせていれば大企業は実質的に「仕入れ段階では消費税を払っていないのに、還付金を受け取る」という構造となってしまう。

ジャーナリストの斎藤貴男氏はそうした消費税の悪質性を批判する。


「消費税ほど不公平・不公正で、複雑で、恣意的に使われている税制も珍しい。あらゆる取引において、常に立場の弱い側がより多くを負担させられるしかない結果になるのはわかりきった話。消費税の実態は『取引税』であり、卑怯きわまりない税制だ」

立命館大学教授の唐鎌直義氏は「消費税の本性は富裕層優遇、民主主義破壊にあることに気づかなければならない」と警鐘を鳴らす。


消費税のこうした弊害にももっと目を向ける必要があるだろう。


・消費増税するたびに税収減…!?


政府は「少子高齢化による社会保障費の増大に対応し、同時に財政を健全化するためには消費税の引き上げは避けられない」という主張を続けている。


消費増税の必要性を認める意見の多くはこの財源論だ。

しかし、京都大学特任教授の青木泰樹氏は「自国通貨建ての国債が償還不能になることはあり得ない」として、「財源不足というのは大きな嘘だ」と断じる。


さらに前出の森永氏は「政府債務を純債務で捉え、通貨発行益を加味すると、日本の中央政府は無借金であり、財政も黒字だから、増税の必要性がそもそもない」と語る。

嘉悦大学教授の高橋洋一氏も「統合政府で見る限り、今の日本は財政危機ではない」と財政再建論を一蹴する。


経済学者の菊池英博氏は「消費税導入後の期間(1989ー2014年)の消費税収の累計は282兆円であるが、その90%にあたる255兆円は法人税収の減少に充てられており、社会保障の財源にはなっていない」と述べ、「社会保障費のための財源確保のため」という増税理由にも疑問を呈する。

「財政健全化のため」という理由に対しても疑問の声が続く。


これまでも消費増税の結果、さらに財政が悪化させてきたからだ。

「財政健全化のために、増税か歳出削減か、という方法を取ろうとするが、日本の現状ではどちらもうまくいかない。それは家計と(国家)財政は違うからです。財政は全体でお金が回るかどうかです。(消費増税は)ブレーキをかけることになるので、税収が減る」(エコノミスト・榊原可人氏)


「消費増税がデフレ圧力を招き、日本経済再生を困難にし、政府債務を増やしてきたデータを無視する。それこそ日本自滅の道だ」(産経新聞編集委員・田村秀男氏)

消費増税は財源にもなり得ないのである。では、どうしたらいいのか。


・累進課税と法人税


立正大学客員教授の浦野広明氏は「消費税ではなく、きめ細かな累進課税をすべき」と主張する。

「1974年における所得税は、最低10%から最高75%までの19段階の超過累進税率だった。その税率で2017年申告所得額を当てはめて計算すると、約13兆2千億円の税収となる。17年度予算では約3兆円であるから、10兆円の増収が可能である」と指摘する。


中央大学名誉教授の富岡幸雄氏は「法人3税(法人税・法人住民税・法人事業税)の法定総合税率は29.97%だが、私が2018年3月期の決算に基づき調査したところ、企業が実際に払っている実行税負担率は17.59%にとどまっている。

法定税率通りに納税してもらえば約9兆円の増収が想定される」と語る。


税収を上げるための方法が消費増税である必要性はない。それどころか消費増税では景気悪化を招き、総税収が減少するという可能性がある。

経済評論家の三橋貴明氏は「日本は消費税を増税するどころか、凍結、減税、さらには廃止すらも検討しなければならない局面だ」と主張する。


この会合後、藤井氏はこれら取りまとめた意見を首相官邸に提出した。

エコノミストたちの懸念の声は安倍首相に届くのだろうか。


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消費増税の「ヤバい真実」…40人のエコノミストが明かす衝撃の中身
元日銀総裁、元内閣参与らが緊急提言
週刊現代 2019.06.01
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64856







2022年4月1日から消費税込みの総額表示が義務化というニュースがありました。

ご存知の方も多いかと思います。


ただ。

お店で消費税込みの価格表示となった場合、懸念されるのが、消費税を徴収されているという現実感消失という問題です。


今までは、消費税金額も表示されていることから、消費税負担を実際に感じる機会となっていたはずです。

4月から総額表示となった場合、消費税という「悪税」を感じる痛みを忘れ去ってしまう方々も増える可能性があります。


さらに。

昨今各種金融機関による「両替有料化」のニュース。


1円や5円などの小銭を用意するデメリットを増やし、各種店舗の料金を「500円」「1,000円」などの端数をなくさせるための施策とも、思えてなりません。


ただでさえ、円安のデメリットによる各種値上げのニュースも相次いでいます。

石油製品や各種輸入品は、すべて値上げされていくでしょう。


収入が上がらないのに、支出が増えていく。

まさに、日本人総貧困化を進めているかのような施策とも言えそうです。


「悪税」と言われる「消費税」。

そもそも、なぜ、消費税が悪税なのでしょうか。


その要因の一つとして、消費税が、富裕層も貧困層も、一律に課税される税金だからです。

コンビニやスーパーなどで購入したパンやおにぎりは、富裕層も貧困層も、同一な税金を支払う仕組みです。

たとえ、年収1億円の方々も、年収300万円の方々も。


貧富の差を減らす「富の再分配」は政治の大きな役割の一つとも言われています。

しかしながら。

日本は消費税が上がるたびに、法人税や高所得者中心の所得税が減額されてきたのが、消費税登場以来の税金の歴史です。


言い換えれば、大企業や富裕層の減税を、多くの貧困層から徴収増額され賄ってきたのが、消費税とも言えます。

つまり、消費税率が増えれば増えるほど、貧富の差を拡大させてきた、というのが事実ではないでしょうか。


問題は、これだけではありません。

消費税は、経済をも悪化させてきました。


戦後、消費税を導入するまで、日本の経済は堅調でした。

しかしながら消費税導入と、アメリカの赤字縮小を目的としたプラザ合意により、日本経済は失われたとも言われています。


度重なる消費税増税の度に日本経済は縮小。

ボーナス減額、リストラ敢行等。


消費税増税→個人消費減退→企業の収支悪化→給与減額やリストラ→さらに個人消費減退→さらに企業収益悪化・・・。

マイナスのスパイラルを続けてきたとも言えます。


結果、国際的に見ても日本人の賃金は相対的に下がり続けています。

今や、韓国にも平均賃金は抜かれています。


その元凶、その大きな要因が消費税とも言われています。


では、なぜ敢えて日本経済を悪化させる消費税をやめようとしないのか。

コロナになって世界各国が引き下げている消費税を、なぜ日本は引き下げないのか。


なぜでしょう。

どうしてでしょうか。


日本経済の弱体化を望む海外からの圧力もあるでしょう。

そして、それらの意向に沿うような財務省、政府があるのも事実でしょう。


さらには、現与党をサポートする大企業や富裕層が、消費税増税でメリットを感じている、という背景もあるでしょう。


つまり、国内外の富裕層・財務省などが、消費税を望んでいるという図式がある、とも言えそうです。


いわば、少数派の富裕層優遇税制に、多数派の中間層や貧困層が屈しているのかもしれません。


なぜ、国内外富裕層の意向通りの、政治となってしまっているのでしょうか。

なぜ、貧富の差を拡大させる経済政策を優先してしまうのでしょうか。

なぜ、日本の個人消費を押し下げる、日本経済を悪化させる消費税が上がり続けてしまっているのでしょうか。


上がらない給与。

上がり続けてきた消費税。

生活必需品値上げの元凶、円安政策。


私たち一人一人が、能力がないから昇進できないのではありません。

私たち一人一人が、不甲斐ないから収入が上がらないのではありません。

私たち一人一人が、努力が足りないのではありません。


米国や英国はコロナ過、空前の好景気です。


どう見ても。

お金が回らない、経済が回らない。

日本全体が地盤沈下し、日本総体として経済が縮小している背景が、大きく影響しているのは間違いありません。


政治による、経済の失速は、私たちの個人の生活に大きな影響を及ぼしています。


国内外富裕層が大きな影響を有する「政治」が、大多数の日本人を苦しめている、とも言えそうです。


誰が、どの政党が、どの派閥が、富裕層中心の政策を進めているのか。


そして、誰が、どの政党が、大多数の上がらない給与・中間層や貧困層の味方なのか。


2022年7月までに、参議院国政選挙があります。


私たちは、しっかりと見定め、声を上げて行動していく必要があるのかもしれません。


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