【「あなたはイエロー?」日本人も例外ではない!米国でアジア系偏見・嫌悪…】問題は「元からあった人種差別」背景にある構造的な差別~コロナで露わになった「人種差別」~
■新型コロナウイルスの流行で露わになった「世界の人種差別」
ニッポンあれやこれや ~“日独ハーフ”サンドラの視点~
GLOBE+(朝日新聞):2020.04.17
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・差別対象がどんどん広がる
ウイルスの発祥地として当初、武漢という特定の町の名前が出てきたときから嫌な予感はしていましたが、案の定、数日後には温泉地の箱根で「中国人お断り」と貼り紙を掲げる駄菓子店が登場したり(現在、貼り紙は外されました)、札幌市でも「中国人入店禁止」の貼り紙を掲げたラーメン店が物議を醸しました。
いうまでもなくこれらの貼り紙は人種差別的であり、場合によって民法の不法行為が成立する可能性がありますし、国連の人種差別撤廃条約にも違反しています。
それにしても興味深いのは「中国国内では武漢出身者が差別され」「日本国内では中国人が差別され」「ヨーロッパではアジア人が差別されている」という点です。
つまり地域によって、差別される対象の人々はどんどんひろくなっていっており、もはや合理的なウイルス対策とはいえない類の「対策」が目立ちます。
例えば、イタリア・ローマにあるサンタチェチ―リア国立音楽院は「すべての東洋人へのレッスン中止」を発表し物議を醸しました。
筆者の母国のドイツでは、よく知らない人であっても、相手がクシャミをすると、“Gesundheit“(英語のBless youに該当。
直訳すると「お大事に」という意味)と声をかけてコミュニケーションを図る習慣があります。
ところが、コロナウイルスが登場して以来、クシャミをしても、“Gesundheit“と声をかけてもらえるのは主に白人で、東洋人がクシャミをすると、周りがスーッといなくなる様を中国系ドイツ人のジャーナリストであるMartin Ku氏がユーモアたっぷりに書いています。
同氏がパンダの赤ちゃんの取材のためにベルリンの動物園に行き、動物園の職員から話を聞こうとしたところ、職員の人が後ずさりをし、明らかに遠ざかろうとしたエピソードがドイツのTagesspiegelに書かれています。
彼はその後、同園の別の職員に話しかけるも、その人は返事をせず無言で立ち去ったそう。
Ku氏は動物園で職員同士が「お前はやっぱりコロナが怖いのか」とからかうような口調で会話している様子も目撃しています。
このようにコロナウイルスの登場によって、ヨーロッパではアジア人への差別行為が起きていますが、前述のMartin Ku氏は記事を「中国人に見えるからといって、中国人だとは限りません。また中国人であっても、直近で中国を訪れた人ばかりではありません。尚、実際に中国を訪れた中国人であっても、全員が感染しているわけではありません。やはりコロナウイルスの対策として一番有効なのは手洗いとデリカシーです」と皮肉たっぷりに締めくくっています。
・問題は「元からあった人種差別」
この流れを見ると、コロナウイルスのせいで人種差別が起きていると思ってしまいそうですが、欧州での東洋人への人種差別は元からあったものです。
コロナウイルスの流行を受けて、フランスでは地方紙の「クーリエ・ピカール」が表紙に「黄色いアラート」というタイトルをつけ、批判を浴びましたが(同誌は後に謝罪)、とっさに「黄色」という言葉が出てかつ印刷してしまうのは、元から東洋人に対する人種差別的な考えがあったと考えて良いでしょう。
そんななか、フランスでは #JeNeSuisPasUnVirus (私はウイルスではありません)というハッシュタグがSNSで多く使われるようになり、ドイツ語#IchbinkeinVirusやイタリア語#NonSonoVirusでの投稿も目立ちます。
先週フランス旅行をした筆者の日本人の知人は、現地のタクシーで乗車拒否をされたそうです。
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新型コロナウイルスの流行で露わになった「世界の人種差別」
ニッポンあれやこれや ~“日独ハーフ”サンドラの視点~
GLOBE+(朝日新聞):2020.04.17
■国連職員向け人種調査「あなたはイエロー?」 批判続々
藤原学思2020年8月25日
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国連が職員向けに行った、自認する人種についてのアンケートで選択肢に「イエロー(黄色)」を入れたところ、内部から批判の声が相次ぐ事態となった。
英語圏ではアジア系に対する蔑称として用いられた歴史があるためで、国連は19日、アンケートを中止して修正する意向を明らかにした。
オンラインで職員に送られたアンケートは、「人種・民族に基づく制度的レイシズムが、我々の組織にいかに作用してきたかをよりよく理解すること」が目的。
1問目は対象者の「人種的集団」を選ばせるもので、ブラック▽ブラウン▽ホワイト▽イエロー▽ミックス・複数▽その他、の六つが用意された。
しかし、「イエロー」は、主に東アジアにルーツがある人びとへの差別的な用語として用いられることが多い。
人種問題に詳しい一橋大学大学院の貴堂嘉之教授は、アジア系移民に対する警戒論が「黄禍論」と呼ばれてきたことなどを例に、「イエローは歴史的に、否定的文脈で使われることが極めて多かった」と語る。
アジア出身の国連職員は、「国連はレイシズム反対の先頭に立つべきであり、信じられないと同時に腹立たしい」と話した。
国連はアンケートで「区分は国連の立場を表すものではなく、網羅的でも排他的でもない。あなたを最もよく表すものを選んでほしい」と注記していた。
ただ、取材には「こうした分け方にはもっと敏感になる必要があったと認識している」と述べ、修正するとした。
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国連職員向け人種調査「あなたはイエロー?」 批判続々
藤原学思2020年8月25日
■なぜ世界中が「黒人の差別」に対して声をあげているのか #BlackLivesMatter |「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #061
exciteニュース 2020年06月19日 NEUT Magazine
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アメリカのミネソタ州最大の都市ミネアポリスで、黒人男性が白人警察官に首を圧迫されて死亡した事件を受けて、米国内だけでなく大阪や東京を含む世界の都市で大規模な抗議活動が行われている。
新型コロナウイルスの流行を気にしてマスクをしながらも、連日デモに参加する市民の様子をメディアで目にする人も少なくないだろう。
この事件がこれほどまでに人々を怒らせているのはなぜだろうか。
・これが初めての事件ではない
事件が起きたのは2020年5月25日のこと。
食料品店で偽の20ドル札を使用したと容疑をかけられ、46歳の黒人男性ジョージ・フロイドが白人警察官に捕らえられた。
彼は抵抗しなかったにも関わらず8分46秒にわたって首を足で押さえつけられ死亡した。
その過度な取り締まりの様子が通行人によって撮影され、すぐさまインターネット上に広がった。
そして彼を暴行した白人警察官はこれを受けて免職されたが罪に問われなかったことと相まって、市民の抗議に火がついたのだ。
同行していた3人の警察官は現場での暴行を止めず、ジョージ・フロイドの扱いに抗議する通行人を払いのけていたが処分されなかった。
このようにアメリカ国内で黒人が警察官から不当な扱いを受けて死亡する事件は今回が初めてではない。
2014年には帰宅する途中に警察官と言い争いになった18歳のマイケル・ブラウンが武器を持っていなかったにも関わらず6発以上の銃弾を浴びて亡くなった。
同年には不当に逮捕されそうになった43歳のエリック・ガーナーが警察官の手を振り払ったところ、首を圧迫する「締め技」を使用されジョージ・フロイドと同様に「息ができない」と苦しみながら訴えたが窒息死した。
いずれも警察官は不起訴となり、市民による抗議活動が広がった。(参照元:AlJAZEERA, BBC News, CBS NEWS)
これらは氷山の一角にすぎないが、防犯カメラだけでなく、現場に居合わせた市民によって暴行の映像が撮影されSNSで拡散されることでいくつかの事件が明るみに出ている。
そんななか黒人の人権がないがしろにされてきた問題に対する議論を生もうと、黒人女性のアクティビスト3人が始めたハッシュタグ・アクティビズムがある。
現在も黒人差別問題を訴える標語として活発に使われているハッシュタグ#BlackLivesMatter(ブラック・ライブス・マター)だ。
これは「黒人の命は大切だ」「黒人の命を軽視するな」「黒人の命の危機」*1などと訳される。
発端となったのは2012年に地域の自警ボランティアであるラティーノ*2の青年に17歳の黒人トレイボン・マーティンが射殺された事件で、加害者が他の事件と同様で正当防衛を主張し翌年に無罪判決を受けたため市民から批判が相次いでいた。(参照元:BLACK LIVES MATTER, Neighborhood Funders Group)
今回のデモではこれまで以上に、人種的マジョリティである白人の参加者も目立つなど若者を中心とした多様なバックグラウンドの人々が、人種差別を許さない考えを示し警察や司法の改革を求めて声をあげている。(参照元:BBC News)
・背景にある構造的な差別
黒人に対し暴力が繰り返されている背景には、アメリカで建国前から続く複雑で構造的な人種差別がある。
アメリカはイギリスから渡ってきた白人がネイティブアメリカンが居住していた土地に建設した植民地に始まった国で、黒人はアフリカから奴隷として連れて来られ長きに渡って制度上で人権が制限されてきた。
また支配層であった白人が黒人を暴力性と結びつけ、“脅威”とみなすことで意識的にも管理と排除の対象とされてきたといえる。(参照元:『13TH』)
公民権運動が盛んに行われ人種隔離政策が撤廃された後も、黒人居住区に充てられる予算は白人居住区のものより少ないなどの差別が続き、経済・教育・健康の格差が現在においても広がっているのだ。(参照元:Financial Times, Mapping Ineuality)
さらには、度々問題視される過剰な権力の行使などの警察の残虐性、“現代の奴隷制度”とも評され経済システムに組み込まれている刑務所ビジネス、“白人に優しく黒人に厳しい”司法の問題などが絡み合う。
アメリカの警察には“黒人差別法”の履行をしてきた歴史があり、犯罪者を投獄することで管理しようとする考えとレイシャル・プロファイリング*3により、他の人種的マイノリティに比べても多くの黒人が投獄されてきたといわれる。
白人と黒人が同じ犯罪を犯しても、黒人のほうが重刑を下されたり、高い保釈金を要求されたりすることが少なくないのだ。(参照元:American Sociological Association ? Department of reserch and development, Britannica, The Guardian)
アメリカ自由人権協会によると一生のうちに収監される男性の割合は、黒人では男性全体の1/3なのに対して白人では男性全体の1/17。(参照元:American Civil Rights Union)
改革が一部で進むものの、アメリカの刑務所では更生させることではなく罰することに重きが置かれるために収容者の低賃金労働が正当化されているケースがみられ、施設にサービスを提供することで利益を得る業者も存在する。(参照元:Kamau Littletree-Holston, Mission Inverstors Exchange, The Guardian, TIME)
このように交差した構造はすでに根深いもので、負の連鎖から抜け出すのはたやすくない。
加えて、黒人のなかでも性別やセクシュアリティなど他の面でもマイノリティであるとより弱い立場に立たされてしまう。
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なぜ世界中が「黒人の差別」に対して声をあげているのか #BlackLivesMatter |「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #061
exciteニュース 2020年06月19日 NEUT Magazine
■米国でアジア系を狙った犯罪が続発 何が起きているのか
(上)ヘイトクライム。コロナ下、大都市でアジア系市民をターゲットにした憎悪に満ちた事件が相次いでいる
日経xwoman(日経BP)2021.04.26
■アジア系への偏見・嫌悪… 今、加熱する理由とは
(下)ヘイトクライムは、日本人も例外ではない。アジア系市民が初めて連帯する抗議活動が始まった
日経xwoman(日経BP)2021.04.27
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■米国でアジア系を狙った犯罪が続発 何が起きているのか『(上)ヘイトクライム。コロナ下、大都市でアジア系市民をターゲットにした憎悪に満ちた事件が相次いでいる』
・アジア人へのヘイトクライムが続発。約7割は女性が標的
人の活動が活発化するにつれ、犯罪の報道も増えている。
実際、ニューヨーク市の犯罪件数はコロナ禍前に比べて明らかに増加した。
例えば、年初から6週の間に起きた銃を使った犯罪は、2020年の同じ時期に比べて20%増えた。
そんな中、アジア人を標的にしたヘイトクライム(憎悪犯罪。肉体的あるいは言語による暴力、攻撃)が続発している。
コロナ禍以降、西海岸や東海岸のアジア系が多い大都市、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、ボストンなどで次々に発生。
ニューヨークでも、今年3月25日時点で、暴力を伴うアジア系へのヘイトクライムが12件確認されている(昨年同時期は0件)。
アジア系の人権団体「ストップAAPIヘイト」によると、2020年3月19日から約1年間で約3800件ものヘイトクライムが全米で報告された。
そのうち68%は女性が標的にされ、老人を狙ったものも多い。
とりわけ2021年になってから件数が増えており、1月からの2カ月間だけで500件を超えている。
カリフォルニア州立大学サンバナディーノ校「憎悪・過激思想研究センター」の調査によると、全米の主要な都市で2020年に起こったヘイトクライムは全体では前年比7%減少したものの、アジア系市民に対するヘイトクライムの件数だけを見ると、前年比2.5倍に跳ね上がっている。
■アジア系への偏見・嫌悪… 今、加熱する理由とは『(下)ヘイトクライムは、日本人も例外ではない。アジア系市民が初めて連帯する抗議活動が始まった』
アジア人への偏見・嫌悪、ヘイトクライム自体は、今に始まったことではない。
100年以上前、19世紀後半から20世紀前半の「黄禍論」は、米国をはじめ、カナダ、欧州、オーストラリアなど白人国家で広まったアジア人脅威論だし、第2次大戦中の米国には日系人への激しい差別があった。
記憶に新しいところでは、1980年代の日米貿易摩擦時代にあった日本たたき「ジャパンバッシング」。
そして中国の脅威が大きくなっている現在では「反中(anti-Chinese)」の世論がかまびすしい。
・米国でアジア人に対する偏見や嫌悪は、100年以上前からあった
今、アジア人へのヘイトが表面化している理由の一つは、ドナルド・トランプ前大統領にあるだろう。
彼は新型コロナを中国のせいだと、声高に言い続けてきた。
3月17日、アトランタの事件(詳細は「米国でアジア人を狙った犯罪が多発。何が起きているのか」参照)を受け、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は「新型コロナウイルスを武漢ウイルスと呼ぶなど、前政権による有害な表現の一部がアジア系米国人コミュニティーに対する不正確で不当な認識につながり、それがアジア系米国人への脅威を高めたことに疑問の余地はない」と、はっきり述べた。
サキ報道官の指摘するとおり、トランプ前大統領は、新型コロナを「Chinese Virus」と呼び、さらには「カンフー」と「フルー(インフルエンザ)」をかけた「カンフルー」という造語まで作った。
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米国でアジア系を狙った犯罪が続発 何が起きているのか
(上)ヘイトクライム。コロナ下、大都市でアジア系市民をターゲットにした憎悪に満ちた事件が相次いでいる
日経xwoman(日経BP)2021.04.26
アジア系への偏見・嫌悪… 今、加熱する理由とは
(下)ヘイトクライムは、日本人も例外ではない。アジア系市民が初めて連帯する抗議活動が始まった
日経xwoman(日経BP)2021.04.27
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TBS NEWS 2021/05/09
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TBS NEWS 2021/06/01
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YouTube 2020/12/26