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広告文案家
当時(昭和44,5年頃)、求人広告が新聞に掲載されていた。
新聞1面、多い時は2面が求人広告で埋まっていた。
その中でも人気が高かったのは朝日新聞。
求職で最も多かったのは病院勤めしているから目についたのかもしれないが
看護婦さん募集。次いでデザイナー。
そんな中、時々、デザイナーの横に広告文案家というのがついていた。
これがコピーライターである。
デザイナーとコピーライターと横文字で並べた広告に興味をもった。
ちょっと進んだ会社ではと。
野坂昭如、五木寛之がコピーライター出身の小説家で、
とくに野坂はテレビの深夜番組などに出演していて
なんにも判っていないのに「コピーライター」に
憧れを持つようになった。
同時に、新聞求人広告を眺めながら
履歴書を出してみようかと思い始めていた。
医師になろうという現実的な目標が
なんとなくのコピーライター志望に変化したのである。
なんとなく履歴書を送付していた1社から面接の案内がきた。
まったくの素人のボクを面接すると言ってくれるのに狂喜し、
面接に行く。
従業員100名を超える、後で知るのだが、
大阪では1,2の大手制作会社であった。
どういう訳か、この素人に採用通知が来た。
病院、医師の道を断念するのか。
なにかと理屈をつくって、1か月の猶予をもらった。
給料が半分ほどになるのも、助手だから仕方がないが
気になっていた。
あまりに暑くて、昨日日曜日
かき氷を食べに出かけた。
メロンかき氷と言うらしい。
メロンを半切した器に氷が盛ってある。
氷はふわふわ。
もう少し反応がある方がいいのでは、
これでは綿アメだよ、と思いつつ
とても美味しく楽しんだ。
一瞬、冷たい時間だったが
すぐに暑くなった。