恋愛ノイローゼ
「カラメールごめんなさい!実は昨日から職場の先輩と付き合う事にしたのよ(*^o^*)浮かれていたのかしら?送信ミスしちゃったみたい(^_^;)今日も一日お疲れ様ね◎明日は週末だし頑張ろうね♪」
Aさんからのメールだった。
まず、時間が止まる(ような感覚になる)
次に、周りの音が聞こえなくなる。
そして、体の中を流れる血液の音が聞こえてくる。
しばらくして、周りの音が徐々に聞こえ始めて、我に返る。ここまで約30秒、体感は5分。
人間、驚くとこうなるんだな。
昨年の合コンでSさんに出会った。
Sさんは俺に好意的な態度を示してくれた。俺もいいなと思った。
女性側の幹事の子に言われた
「あの子は押しに弱いから超速攻で攻めないとだめよ」
でも、当時臆病な子鹿のように超へっぴり腰の俺は強く押すことができなかった。女性はみんな嘘つきだ、信じないぞって思ってた。
それでも何度か食事に誘い、いい感じになっていた。
5回目に会って食事をした後、帰り際に自分の思いを告げた。
彼女は少し考えさせてと言った。
今思うと恥ずかしいが、ちょっと自信があった
数日後、メールで返事が来た。
「先日はありがとうございました。自信がなくて躊躇してしまう気持ち、すごくよくわかります(^-^)その中で、告白してくれて嬉しいです☆正直、いまは付き合う気持ちはまだ無いです。でも、ご飯など行きましょうね」
ふられた理由を聞くと、あの時もっと早く言ってほしかったと。
最初に会った時の好意的な態度を俺は素直に受け取ることができなかった、どこか躊躇する自分がいた。
後に友人を通じて、Sさんに彼氏ができたと聞いた。
合コンで出会い、2回目にあったときに付き合うことになったらしい。
速攻ってそんなに速攻なの?でも、きっと回数なんて関係ない。素直に信じることが大切なんだ、そう思った。
その後の年末の合コンでAさんに出会った。すごく好印象だった。
彼女も俺に対してとても好意的だったと思う。
帰りの電車が一緒になり、そのとき連絡先を交換し、年末に会う約束をした。約束の1週間前から急に連絡が取れなくなり、その約束は何の連絡もなくすっぽかされた。でも、きっと何かあったんだろうと信じて、また次にしようとメールした。
年が明けてメールが来た。仕事と勉強で忙しくって疲れ果ててたらしい。こんな私でよければ今年もよろしくと。とりあえずメールが来てうれしかった。
その後はまた頻繁にメールが来るようになった。メールでAさんをさん付けで呼ぶと
「よそよそしいから名前で呼んでください(^-^)」
なんてメールが返ってきた。
いろんなことを相談してくれた。ちょっとその気になった。
2回目久しぶりに会い、ご飯を食べて、話をして、帰った。
次会った時は必ず、と思った。
その後もメールや電話でやりとりしていた。彼女は試験があるので勉強が忙しいらしい。その試験が終わったら会おうと約束した。
先日、彼女から来たメールが空メールだった。
俺は空メールだよと返事をした。
そしたら、次の日、冒頭のメールが返ってきた。
頭の中をいろんな想いがよぎった。
でも、その想いを噛み殺し
「よかったね、幸せなことはいいことだよ」
とメールを返した。
そして返す手でAさんのアドレスを消去した。
Sさんには素直に伝えることができなかった。人の想いを素直に信じることができなかった。
Aさんには伝えることすらできなかった。約束すっぽかされても信じてみた。彼女の一言一言に翻弄され、ちょっとその気になってみた。
なんのことはない、自分1人で勝手に浮かれてただけだった。
自分でもモテるなんてこれっぽっちも思っていないし、自分に自信もない。
なので女性が好意的な態度で接してくれても、素直に受け取れなかった。
それではだめだと思い、烏滸がましいがAさんの態度を信じてみた。
その気がないなら、なぜあんな態度をとったんだろう。
なぜあんなことを言ったのだろう。
いまとなってはわからない。そしてこれからもわからない
結果には原因があり、それはすべて自分のせいなのである。
こうなったのは自分に何か欠けていたから、それはわかってる。
でも何が欠けているのか正直わからない。
慎重になりすぎてだめ。
信じてもだめ。
どうすればいいのか完全にわからなくなった。
恋愛ノイローゼだ。
2006年始まったばかり。
今年もまだまだ修行の年になりそうだ。