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生花を長持ちさせるには、 水を張った桶の中で茎を切り その口を火で焼いてやるのだという。 …
抱きしめられる 腕の、繊維のほどけるまで 水の中をいく のだ と いうより 先に あなたが ほん…
いまはまだ はらはらと ふられています 春の雨は ほそくほそく落ちるから ま…
たとえば 10年陽射しを浴びつづけたおふとん さらされつづけた飛び出し注意の男の子 …
まとわせた糸の その色色を その両端を つまんで互い違いに ひっぱってほしい その独立しなが…
首をぐにゃねて 背をかくツルのように それで下を見る君 ひだりほほに添えられた 花瓶の取っ手…
ふれる白雪の 朝を待ちます そっと手で桶の水をすくい、 鏡がわりに顔を見る 冷たい産毛 ぱきりと柱から音がして ひろがる煙のような不在の気配 窓から灰色のひかりがにじむ もうこんなにも経ってしまったのですね 今日も米を食べ衣を洗い敷くように眠ります ふさわしい生活です ときおりこの家の隅から けもののようにもうもうと湧く怪物をのぞいては どうしてでしょう、どうしてでしょう 必死に問いかける頃にはもう すべて終わっているのは
ちょきん 思わずわたしは その花の一輪の根元に刃を差し込み、 太い糸の切れるような感覚を指…