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「広報会議サミット」に行ってきた。
2/20に「広報会議サミット」というカンファレンスがあったので、勉強がてら行ってきました!
場所は表参道にある宣伝会議のセミナールーム。去年の3〜5月に広報担当者セミナーに通っていたので、おなじみの場所です。
自分のアウトプットとして、セッションの概要と、私のよもやま話も含めた心の声をお届けします(笑)。
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【session①】経営と従業員をつなぐインターナルコミュニケーション〜オウンドメディアと社内動画の効率的活用法〜(グリーホールディングス)
年々事業が増えていき、組織がめちゃくちゃ拡大していたGREE。社員目線では、自分が携わっている事業以外の状況が分からず、どんな人が働いているのか分からない。経営陣目線では、中長期ビジョンを伝える場が少なくなっていた。
うん。めっちゃ想像できる。スマレジはもちろんGREEさんほど大きな会社ではないから、まだここまで大きな課題感ではないかもしれないけど、少なくともここ数年で状況が変化してきてることは間違いない。
そこでGREEでは、社内外向けにオウンドメディア、社内限定で動画・ポータル記事の制作を実施。ツールによって情報の濃さにグラデーションを設けるようにしている。
コンテンツ公開後の告知は、社内にはSlackチャンネルに投稿、社外にはSNSに投稿。
社内限定のコンテンツを別に作れる余力があるのはさすが。私は今完全に一人で自転車操業なので、もう「あらゆるステークホルダーに届け〜〜!!」って感じで作ってしまっている(もちろんメインターゲットは内容によって変えるように意識はしているけど)。実際に一部の動画のサムネイルとかも見ましたが、さすがエンタメ企業という感じでデザインのクオリティも高かったです。
告知の仕方については割とノーマルというか、現在のスマレジと同じ感じでした。ただ、投稿の時間帯とか、事業側の動きと連動して一番話題になりそうな日程に公開するなどしているらしいです。ここの考え方はPRに通ずるものがあるなと。
オープン社内報は、社員向けではあるものの、サービスのファンの皆さんに届く媒体へと進化している。ゲームの開発秘話を綴った記事が、ファンの中でも拡散されてバズった。
社内動画は、経営陣の対談など。ホールディングス化など、経営に関わる話題は経営陣の言葉で伝えてもらう。社員からは「経営陣がラフに話している雰囲気が良い」と好評。
BtoCだからというのはもちろんあると思うけど、ファンにも届くコンテンツを作れるなんて、広報冥利に尽きるなあ。理想の形だと思いました。
🍊POINT🍊
社員の先にいるステークホルダーまで届ける意識を持つ
組織の状況に応じてしなやかに対応する
【session②】インナーブランディングの新常識 アプリで『伝わる』情報発信の最新手法(ヤプリ)
続いて、スマレジと連携もしているヤプリさん。今回はヤプリさんが提供している「yappli UNITE」という社内向けアプリの宣伝?ぽかったので、こういうサービスもあるのね!という感じでした。
スマレジみたいなIT企業だとあまりない課題感だけど、確かに製造現場がある会社や、実店舗を持つ会社など、全社員がPCを持ってるわけじゃないよ!という会社だと、今の時代アプリが最適解なのかもしれない。仮にPC持っていたとしても、フルリモートだと冊子の社内報も配布しにくいしね。
アプリの中にいろんな情報を集約しているので、緊急時のお知らせの既読率も高いんだとか。健康促進の歩数記録とかログインボーナスでポイントを貯めるみたいなゲーム性もあるらしく、面白そうでした。
【session③】多様化する広報の役割~ホーユーが実践する、オウンドメディアを活用した企業PRとカラーリング文化啓発への取り組み~(ホーユー)
続いて、セルフカラーリング材で有名なホーユーさん。「ビゲン香りのヘアカラー♪」ってCMソングを思い出しますね(古い?)。ホーユーさん、創立100年を超える老舗企業だそうで、しかも本社は名古屋なのだそう。地方本社の企業事例としても参考になりました。
名古屋を拠点としているため、メディアリレーションが取りにくく、伝統的な広報手報が苦手。メディア露出をするための素材もなかなか集められなかった。そこで、既にあるオウンドメディアや社内の資産を再活用していくことを決めた。
おお〜、なんか色々共感できる点があるぞ(笑)。とはいえ、めちゃくちゃBtoC製品を扱っている企業でもこんな悩みがあるんだと驚きました。定番商品を安定的に生産しているからこそ、新規性のあるニュースバリューを作りにくいという意味なんですかね。
オウンドメディアは単なるWEBサイトとしてではなく、リアルイベントなどを含めた全ての広報活動の起点として活用している。またリアル活動をコンテンツ化することで、外部メディアの目に留まることもある。
ホーユーさんの場合、「LICOCO」というオウンドメディアを運営されていて、ここでイベント情報やレポート記事を出されてるんですね。私も最近イベント開催と事後広報の合わせ技はマストだなと思っていて、イベントレポートとしてちゃんと残すことを意識してます。戦略的には間違ってないみたい。
創立100周年を機にホーユー記念館をオープン。ヘアカラー文化の発展に貢献すること、社会とお客さんとの接点を作ることが目的。また、同じタイミングでnoteでの投稿キャンペーンを実施。「#髪を染めた日」をテーマにしたところ、著名人が記事を書いてくれたり自発的に宣伝してくれた。
記念館があるんですね〜。しかも高級住宅街の一角にあるんだそうです。創業家の思い入れがすごいですね。いつかスマレジ記念館ができるくらい会社が大きくなったらいいな。連動企画としてのnoteのキャンペーンも参考になりました。お金をかけずに話題を作れるって本当にすごい。
余談ですが、初めて髪を染めた日のことって、思い出すとなんかエモいですね。誰も興味ないと思いますが、私は中学の卒業式の翌日くらいに待ってましたと言わんばかりに初めて髪を染めました。しかもよく分からずセルフでやったので金に近い茶髪に仕上がり、時代的に眉毛も極細だったことも相まって、謎のヤンキー化を果たしました。皆さんの思い出はどうですか?(笑)
🍊POINT🍊
目的やミッションを明確にすることは大事だが、既読数などのデータや数値に引っ張られすぎない。
コストはかけず、とことん内製化(創意工夫を楽しむ心)。
デジタル・リアルを横断的に使い、従来の広報手報だけに固執しない。
大事なのは社員とお客様。人と人とのコミュニケーションづくり。
【session④】パナソニック コネクトに学ぶ、広報効果測定のアプローチ(パナソニックコネクト)
続いて、レッツノートで有名なパナソニックコネクトさん。「広報の効果測定」って多分広報担当者の悩みNo.1な気がする。多分それもあって、会場も一気に人が増えていました。
効果測定には、ゴールの設定とアウトカムの2つが不可欠。広告換算はコミュニケーションの価値にはならない。組織にとってのインパクトを図るには、コミュニケーション全体で見ないと意味がない。
なんか難しい言葉で言ってますが、分かる気がする。広告換算の数字見ても根拠がよく分からないし、それだけで測れない影響ってあるよね。そもそも今の時代、メディアの影響力ってどんなもん?と思うし……。広報担当としてあるまじきかもしれないけど、家にTVすらないよ(笑)。
経営に貢献することではなく、計測できる指標で広報のための効果測定をしていないか。
これめっちゃ響いた。開発でいう「技術は手段」的な話だと思う。広報のための効果測定してても何の意味もないんだよね。
途中で「経営者が広報はいらないと言ったら、あなたたちは広報をやめますか?」という問いがあって、グサァァって感じでした(笑)。そりゃあ自分がやってる仕事不要って言われたら心折れるんですよ。でもそう言われてしまうということは、経営に貢献できていない(できていたとしてもそれを示せていない)からなんですよねきっと。
🍊POINT🍊
広報のための効果測定をしない。
経営へのインパクトを与えられるようになるためにも、経営者と対等に話せるようなパートナーを目指す。
【session⑤】乃村工藝社が実践!コーポレートサイト全面リニューアルと、多言語対応の効率化(乃村工藝社/Wovn Technologies)
最後のセッションは、空間デザインなど幅広い事業を手がける乃村工藝社さん。コーポレートサイトのリニューアルに伴い、多言語対応に取り組んだそうです。セッション内容的には、Wovn Technologiesさんのサービス宣伝ぽかったので、これまたそんなサービスもあるのね〜という感じでした。
実績が面に出にくい事業内容であること、老舗であることもあり営業が頑張れば仕事は来るので、広報に頼らなくても困らないという状況だった。しかしコロナ禍などを経て、デジタル上での存在感を出す必要は高まり、脱“黒子”企業を目指すことに。
事業内容は全然違うけど、状況がなんかスマレジに似てる。サービスが強いからそれだけでちゃんと収益上がっているから、あまり広報に力を入れてこなかったという経緯。
乃村工藝社さんは、上記の状況からコーポレートサイトを刷新することになって、その際に海外対応しなければということで、英語・中国語対応を行ったそうです。結果的にPV数+40%、セッション数+35%、ユーザー数+33%と改善。ちゃんと成果出せていてすごい。
スマレジのサイトは現状は英語対応だけなので、今後は中国語も増えたりするのかな。これだけちゃんと成果が出るなら取り組む価値がありそうですね。
ということで、セッションは以上で終了!広報系のイベントって結構多いのですが、インナー系のネタがメインのことがあまりないので、良い機会でした。
私自身は外向けの広報はほぼ初心者だし、特に先輩もおらず一人でやってるので、自信がないこともたくさんあります。なので、たまにはこういうインプットの日も大事だなと。
企業規模もさまざまなので、実現性あるかというとうーん…という話もありましたが、エッセンスとして参考にしていきたいなと思いました。noteとかももっと戦略もってちゃんとやっていきたいし、少しでも経営にインパクトを残せるようなことができたらいいな。
見習い広報の旅は続く……。
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