ひ、お10月14日「瞳の泥のスケッチで」
瞳の泥のスケッチ
川底に
泥けむり
線状のいきものをかくし
カーテンのように走っていく
(ゆっくり剥がれていく
ウ、ロ、コ、)
誰が掃除するわけでもない
泥を生む瞳は
少しもみえずに
ゆらゆらビルのかげ
昨日までの缶詰めの深さ
缶の底で蝉は
こんにちは
眼、カーテン
泥が出るのでカーテンをひく
泥にだから言えることを並べ
底はにくずれ
水にだから食べてください 覚えのない声をながすと泥けむり
どろどろ混じり合う兄者
泳ぐように朝方
川べりに行くと
水にもなれず
川の底とひびきあう時間が
しずめてくれると
缶の底を探るだけでも
誰かにつながってそのうち
後ろめたさが消えていくと
今日一日分 煮えていく
温度は深さをはかれない
・・・ウ、ロ、コ?
(すこし慌てて きゅうりとこたえた)
泥のなかに、ひそんでいた
水の弟たち