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エルメスを徹底的に調べてみた 『あのこは貴族』を読んで①

こんにちは、あらまほです。
最近『あのこは貴族』(山内マリコ、集英社文庫)という小説を読みました📚
小説自体はシスターフッド的で、さくさくするすると面白く読んだのですが、同時にとっても印象的だったことがあります。

作中で、✨それはもうたくさんのハイブランド✨が登場するんですね。
例えば「エルメスのカレ」、「セリーヌのラゲージ」、「ハリーウィンストンのクラスター」というような具合です。小説の中で、実在のブランド名をここまでたくさん目にしたのは初めてだったかもしれません。

せっかくブランドや商品をたくさん知ったのだから、生かさなければもったいない。自身の自問自答にもつなげていきたいな、との思いから、作中のハイブランドを徹底的に調べてみることにしました。
今回は華子の祖母が臙脂色のツーピースと一緒に身に着けていた「エルメスのカレ」より、エルメス」編です🧡

⚠️⚠️ちなみにですが、私はファッションにあまり詳しくはないので、おそらくファッション大好きな方々には当たり前の知識ばかりかと思います……! 何卒ご了承ください⚠️⚠️


エルメス基本情報

・創業:1837年
・創業者:Thierry Hermès(ティエリ・エルメス)
・創業以来の価値観:「職人によるものづくりとそれに関わるすべての人を大切にする」(「職人の緻密なものづくり」と「お客様のライフスタイル」の2軸)
・製造拠点:フランス(60カ所)、その他(12カ所)
・店舗:世界45か国に294店
・経営形態:ファミリー経営
・製品:レザー製品&乗馬、レディスシルク、メンズシルク、レディスプレタポルテ、メンズプレタポルテ、シューズ、ベルト、ハット、手袋、ジュエリー、ウォッチ、フレグランス、ビューティ、家具&アート・オブ・リビング、テーブルウェア、petit h(プティ アッシュ)

エルメスは1837年、創業者のティエリ・エルメスがパリのバス・デュ・ランパール通りに開いた小さな馬具工房から始まったそうです🐴 3代目のエミール・エルメスが馬具以外の製品の制作を始め、エルメスというブランドの幅を広げました。例えばメンズウェア、ジュエリー、時計などで、『あのこは貴族』にも出てきた「カレ」(シルクスカーフ)も1937年、エミールの頃に作られたといいます。

カレ(carré)とはフランス語で「正方形」「四角」を意味する単語だそうで、だからスカーフが正方形なのだなあと学びがありました。加えて、戦後には「食べ物が満足に食べられない不幸な時代からの脱却」を掲げてフランス料理を称える柄のカレを発売するなど、カレの柄にはすべて物語が存在しているそうです。

また現在エルメスは6代目。家族経営体制によってその独立性を保ち続けているとのこと。
生産拠点の大部分がフランス国内にあるのも、ノウハウを存続するためだそう。時代が変化していく中でもエルメスらしさを保ち続けるためのこだわりなのだと思います。

ブランドを象徴するアイコンバッグは「ケリー」、「バーキン」、「ピコタン」など。細長いスカーフの「ツイリー」も人気です。
アイコンバッグのコレクションはブランドがこちら(公式HP)にまとめてくださっていたので、ぜひご覧ください。

沿革

ブランド設立~現在に至るまでの発展の経緯が、竹宮恵子先生による漫画形式で詳しくまとまっています📝
職人によるものづくりを続けながらも、時代の流れを先読みして商品を増やしたり、改良したりしていくことで長く愛されるブランドとしての地位を確立していったのだとうかがえました。
また、Story09のカレの制作過程まとめは「こんなにも手間暇をかけて作られているのか……! まさに職人の手仕事!」と感動してしまいました。

ロゴマークの意味

エルメスのロゴ(商標)は1945年に登録された「四輪馬車と従者」です。

馬車の種類は《デュック》。
主人が自分で馬を御します。
そばに立つのは従者。
「エルメスは最高の品物を用意しますが、それを御すのはお客様自身です」ということを意味しています。

新版「エルメスの道」LE CHEMIN D'HERMÈS Story01

製品を御すのは自分自身。自分で製品を選び取り、製品とともに過ごす時間を大切にしていってほしい――。そんな思いの感じられる商標で、人生を共に歩むのにふさわしいブランドなのではないかと思いました。

エルメスを象徴する包装紙

パッと目を引くオレンジの包装紙ですが、戦前までは薄いベージュ色だったそう。しかし戦争の物不足で紙がなくなり、余っていたオレンジの紙を使わざるを得なくなったのだとか。
戦後改めて包装紙を決める際にも、その時の目の覚めるような印象が忘れられずに今でもオレンジの包装紙が使われているとのことです。

このオレンジの包装紙、ロゴマーク、そして毎年の年号とその年のテーマが記された濃い茶色のリボンの3つは「エルメス」のアイデンティティとも言えると思います。
なお今年2024年の年間テーマは「フォーブルの魂」。エルメスが本格的に鞍屋としての道を歩み始め、ヨーロッパ全土にその名を広める手助けとなった1号店の場所は「フォーブル・サントノーレ街24番地」ということで、言うなれば「初期の魂」でしょうか。

2025年SSコレクション感想

2025年のSSコレクション動画も見てみました📹
「Hermès women's spring-summer 2025 collection」

大きな木枠に、透け感のある白っぽい布をぴんと張ったものがたくさんある空間を、モデルさんが歩いていきます。お洋服が温かみのある照明を受け、空間になじみつつも赤いカーペットに映えるなあと、ほうっとなりました❤️

色は主に白、アイボリー、ベージュ、淡いカーキ、ブラウン、淡いイエロー、キャメル、マスタードイエロー、マゼンタで、ざっくり暖色系。
初めは少しくすんだ柔らかいイエロー系のお洋服がメインだったのですが、後半になるにつれてブラウンや激しいピンクが登場してきたので、目が覚めるようでした。

特徴としては透け感のある服の下に何かを透かすスタイリング、タイトとふわっとが共存しているスタイリング、レザー、アクセントの金具、面白い位置に入ったギャザーや切り込みなど。年間テーマが「フォーブルの魂」ということで、設立当時特に顕著であった職人気質な一面を感じさせる、端正な作りの服が多くなっているのかなとも感じました。

私が一番好きだなと思ったルックは、透け感のあるブラウンのセットアップ(動画3:03~です🤎🤎
トップスはノースリーブで、首元・袖・正面以外の大部分がシアー(シルクのメッシュだそうです)になっています。ボトムスもトップスと同じブラウンで、こちらはすべてがシアー素材。その下に鮮やかなマゼンタのハイウエストパンツをはいていて、ボトムスからちらりと覗く感じが最高にかわいいです。さらにゴールドの金具が付いたベルトや太めのバングル、大きなイヤリングがコーディネートを引き締めていて、上品さもうかがえます。
やはり私は品があってキリっとしていて、仕事ができそうな印象のコーディネートが好きなのだなあと思いました。

まとめ

ハイブランドでなくても、ブランドについてこんなにもきちんと調べたのは今回が初めてでした。とっても楽しかったです!!

今回のエルメスのまとめは以下の通りです。

  • エルメスは「職人の緻密なものづくり」と「お客様のライフスタイル」の2軸を大切にしている

  • 出発点は馬具工房

  • 時代の流れを先読みして生き残ってきた

  • 流行を作るよりもお客様のニーズに合わせた商品を用意しておいて、後は「選んでいただく」ブランド

今後したいこと

  • 別ブランドも同様に調べてまとめてみる

  • エルメスのアーティスティックディレクター/クリエイティブディレクターのインタビュー記事を読む

  • 過去のコレクション動画も見て、好きなコレクションを見つける

  • 銀座メゾンエルメスにカレを見に行って、その物語について聞く

  • 銀座メゾンエルメスのギャラリーに行く

どんどこ実現していきたいと思います💪💪

〜〜おわり〜〜


最後までお読みくださりありがとうございました!
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