子供が立って歩けるようになったら小物釣りを始めるのがおススメって話
全国200万人(超適当)はいらっしゃるであろうパパ&ママアングラーの皆さま! わけても独身時代、ルアーやフライに傾倒していた方々にぜひ表題の件を語りたく、筆をとった……もとい虹色に光るゲーミングキーボードを叩き出した次第でございます。ライフステージが変わっても大好きな釣りを続けていきたい――そんな願いを叶えてくれるのが、タナゴ釣りに代表される「小物釣り」なんです。本記事では小物釣りがいかにファミリー向きか? という点と、子供連れでゆく小物釣りのノウハウについて語って参ります!
①小物釣りはとにかく"結果が早い"!!
「魚釣り」とは言いますけれど、たとえば8時間のあいだ霞ヶ浦でブラックバスを狙ってルアーを投げたとしたら、糸の先に魚がついている時間なんて大げさでなく3分以下ですよね。管理釣り場のニジマス釣りだって、半日かけて10匹前後くらいの人が多いんじゃないでしょうか。釣りをしている時間の大半はまだ見ぬ魚体に出会うための試行錯誤やキャスティング・リトリーブ・定期的に発生する根掛かり回収などといった動作に費やされるわけですが、未就学児~小学校低学年くらいの子供にとってその時間は耐え難く退屈です。大人がフィールドでパズルを解くような楽しさを味わっているとき、釣り好きな親に引っ張られてなかば強制的に釣り場に立たされている子供(いやもちろんそういう子が全員だとは言いませんけれど!)は、もう飽きたなぁ、YouTubeでも見たいなぁ……などと考えているのです。人間の体感時間はそれまで生きてきた人生の長さに正比例するという説がありますが、親子で釣りをしているとその説が正しいことを如実に実感させられますね。
でも大丈夫! 小物釣り――赤虫やグルテン、人工餌などを利用した雑魚釣りは、仕掛けを投入してからはじめてのヒットが出るまでに普通なら5分以内、よほど調子が悪くても15分以内には何らかの反応が得られるのが普通ですから! もちろん水中にただの一匹も魚がいないような超不毛地帯に竿を出していれば話は別ですが、本noteのような超マイナー記事までご覧になられているほどのディープな釣り好き読者諸兄姉にそんな心配はご無用でしょう。魚の気配を感じて竿をさせば、すぐに結果が得られると思います。
②小物釣りは"延べ竿"でやれるのが楽だし安全!!
既に釣りが大好きな子供と一緒に出掛けるのなら、リール付きの本格的なタックルを持参するのも良いでしょう。が、多くのパパママアングラー、特に未就学児~小学校低学年くらいのお子さんがいらっしゃる方は自分の趣味に付き合わせる形で釣り竿を握らせることが多いんじゃないでしょうか!? 正直にいって筆者は完全にそのクチで、以前旅行先で物欲しそうに水面をのぞき込んでいたら、息子に「パパ釣りしていいよ」と言われたことがあります……親の心子知らずということわざがありますが、反対に親の心を察しすぎる子には申し訳なさを感じてしまいますね。まぁ釣りしますけど。
とはいえそんな心優しい子供に負担を掛けるのも親としては心苦しいですし、何より釣りの面倒くさい部分を味わわせてしまったら将来釣り嫌いに育ってしまうかもしれません。例えば河川敷で土手滑りをしたり、ボール遊びをしたりと楽しく遊んだ流れの一環で「ついでに魚釣りもする?」という提案を承諾してもらえたとて、その会話から仕掛けの投入までに10分以上も掛かってしまったら熱が冷めてしまうでしょう。ですが、振り出し式の延べ竿に仕掛けは出来合いの小物釣り用、餌はフィッシュワゲットを選べば、カバンを開けてから仕掛けを水面に投入するまでに2分も掛かりません! 釣りを始めたものの一匹も釣れなくて子供が飽きちゃう、というのはあるあるですし避けようがありませんが、道具を準備したり片付けたりする際のわずらわしさは自助努力で大幅に軽減できるんですよね。興味の移り変わりが激しい子供と釣り場に立つなら、リールから伸ばした糸をもたもたとガイドに通していくよりも、まずは延べ竿で速攻がおススメです!
また、安全面でもリール竿より延べ竿に分があります。理由はただひとつ――キャスティングをしなくていいから! なにを当たり前のことを言ってるんだお前はと思われた方もあるかもしれませんが、鋭利な針がついた重量物を遠くに投げる、という動作をさせなくて済むだけでも延べ竿は子供に向いています。小物釣り用の小さな針+針先を隠す形で餌を付ければさらに安全度は増しますね。リールは子供が自らの意思で釣りをしたいと言い出してから渡しても遅くはないと思いますよ。
③観察ケースを持って行こう!
皆さまは魚類の「観察ケース」をお持ちでしょうか? ひとことで言うと虫カゴの魚用バージョンです。プラスチックやアクリル、ビニールなどで出来た透明のケースに定規の目盛りが印字された商品が一般的で、手のひらサイズの小さなものから金魚の飼育に使えそうな大き目のものまでがネットショップや釣具店などで販売されています。タナゴ類やトラウト類など、体色が美しい淡水魚を釣る方が主なユーザーの商品ですが、これが子供と一緒に出掛ける釣行にピッタリのアイテムなんです!
年齢を問わず「釣り」をしない人でも「水族館」には出かけますよね? 観察ケースを用いれば、釣り場で即席のミニ水族館を作ることができるんです。なにかと煩雑な作業が求められる釣りにはハードルの高さを感じてしまう子でも、釣りあげた魚を見たらきっと楽しんでくれるハズ。大き目の観察ケースがあるなら中に小枝や砂利、水草などを入れて自然の環境を再現してみるのも面白いかもしれません。
わざわざ専用のケースを買うのはハードルが高い、という方はペットボトルを半分に切って使ってみてはいかがでしょうか。小魚が入る大きさがあって透明なケースであればジャムの瓶でもビニールの筆箱でもなんでも良いのですが、もともと水を運ぶために設計されており、おもちゃや水筒が入ったカバンへ乱雑に放り込んでも壊れにいペットボトルは何かと使い勝手が良いです。余談になりますが、筆者はグルテン餌を練るためのトレイとしてワンカップ大関のフタ(軟質プラスチックの方)を使っています。1時間以内で使い終わるような、少量の餌を練るのに便利なんですよね。
また、子供が観察ケースに入れた魚を眺めている間に、親の方はさりげなく釣りを続けることもできます。ケースに入っていれば釣れた魚のリリースも手軽にできますから、子供にやってもらうのも面白いでしょう。筆者の息子は「お魚さんバイバーイ」と言いながら嬉しそうにケースをひっくり返してくれます。
④子供と釣りをするうえで気を付けたいこと
ここからは自戒を込めて。鋭い釣り針や細くて強い釣り糸は、特に道具の扱いに慣れていない子供にとって大変危険なものです。例えば先端に針が付いた仕掛けをぶら下げた釣り竿をチャンバラのように振り回したら、近くにいる人の身体を釣ってしまうことだってあるでしょう。このようなわんぱくっ子のイタズラについては皆さま気を付けて見ているでしょうし、必要に応じて注意されるかと存じますが、時には思わぬアクシデントも発生します。
釣りOKな池がある公園や、大規模河川の河川敷など人が多い場所で釣り糸を垂れていると……特に親子で並んで釣りをしていると、小さな子供に話しかけられる機会が多くあります。そして狙いの魚や本日の釣果について熱心に聞かれたあなたはきっとこう発言するでしょう……「君もやってみる?」と。少しでも釣りに興味を持ってくれた子供に対して、魚と触れ合う喜びを体験させてあげたいと感じるのはごくごく自然なことです。
が、釣りをしたことのない子供に釣り竿を手渡すならば――絶対にその子から一瞬たりとも目を離してはいけません! 何故なら子供は「工夫」の達人で、あなたが教えた方法とは全く異なる方法で竿を取り扱ったり、魚に餌を取られた後あなたにもう一つ餌をくれと頼むのではなく、ポケットに入っていたお菓子の切れ端を針先に付けてみようと考えたりする生き物だからです。ほかにも絡まった糸をほどこうとして針を手に刺しそうになったり、釣れた魚を取り込もうとして水面に大きく身を乗り出したりと、息をするように自らのピンチを作り出します。思わぬケガを招かないため、釣り道具の貸主は細心の注意を払う義務と責任があるのです…!
それにもし、初めて興味を持って体験した釣りの最中に痛い思いをしたり、危険な目にあったりしたら……その子は釣りや魚に対してネガティブな印象を持つでしょう。不意のケガをさせないことは勿論ですが、子供から未来の釣り人になる可能性を奪わないためにも、よその子に釣り竿を手渡す際には最大限慎重でありたいですね!
なんだか最後はマジメな話になってしまいましたが、子供連れで出かける「小物釣り」が最高のアクティビティなのは間違いありません。単に楽しいだけではなく、自然に触れ合う機会が乏しい最近の子供にとっては貴重な勉強の機会にもなるかも……? だいぶ寒くなってきた今日この頃ですが、皆さま、ぜひ次の週末はお出かけカバンの片隅に振り出し竿とタナゴ釣り仕掛けを忍ばせてみてはいかがでしょうか!