白鉛筆さまの企画に応募 『令和桃伝🍑!』(830文字)
白鉛筆さまの企画↓
に応募させていただきます!
三羽 烏さまに教えていただけた企画なのでした↓
白鉛筆さま、お手数をお掛けいたします💦
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『令和桃伝🍑!』
「でーれー腹立つ!」
こぼしましたは桃太郎。
さすがは岡山っ子。
藤井風なみにナチュラルに、岡山弁を発します。
「鬼とか、もんげーヤな感じぃ」
言いながら駅地下で、銘菓『きびだんご』を購入。
「鬼滅の旅の始まりじゃあ!ウォッシャー!」
と拳を固めるのでありました。
それから桃太郎、駅前広場にすっくと立つと、
「ろぷろーす! ろでーむ! ぽせいどーん!」
と、髪をたなびかせながら絶叫。
みっつのしもべを呼ぶのでありました――。
と、呼び掛けに応えて、
「ぬぉぉぉりゃあああ! 呼んだかーっ!?」
イノシシの面を被った半裸の男が、どこからともなくダッシュして来ました。
「ダレデスカー?? ナンデスカー??」
目を点にして尋ねる桃太郎。
「オレサマを知らんのか! 何用かとか訊いてんじゃねぇぇぇ! 行くんだろ?? 鬼滅によう、鬼滅によう、鬼滅によう!」
「それ以上しゃべるな! 集英社に版権料取られかねないっ!」
だなんて揉めているイノシシと桃太郎。
そんなありさまを上空から雉が、
駅近の路地から犬が、
駅向こうの山から猿が(猿は望遠鏡を持っていたのです)見詰めていました。
「なんだかなー」と雉。
「やってらんねえ」と犬。
「ふぅ」と猿。
イノシシ仮面の男が去り、残された桃太郎、箱を開け、だんごを摘み、小さな声で歌います。
「こっれかっら鬼のセーバツにぃ……♪」
駅向こうの山に陽が沈んでゆきます。
「ついてーゆっくなら、あげましょお……うぅ」
「あほう!」
カラスが鳴きました。
きびだんごをもぐもぐやりながら桃太郎、
「出直すか……」
と呟き、新幹線のチケット売り場に向かうのでありました。
「あほう!あほう! あほう!」
おしまい。
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令和な平和――、なまあたたかな仕上がりではございますが、ご賞味いただけますと幸いです。
読んでくださりありがとうございました😃✌️!