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【あひろ場20】占い、信じるべからず――ないしは、占いの結果20(12600文字)

ここ、あひろ場で、

占い師の真似事みたいなことをさせていただいているのに、『占い、信じるべからず』とはなんたるタイトルであるか――!

と、呆れられちゃったかもしれませんね💦

思うところを述べます。

星占い、について。

ホロスコープって、真ん中に太陽があるんじゃないんですよね。

そうです。太陽も、水星や金星や火星や木星や土星や天王星や海王星や冥王星とおんなじように、中心点の周りを回っている図式となっているのであります。

ついでに月。これもやっぱり水星や金星や火星や木星や土星や天王星や海王星や冥王星なんかとおんなじように、中心点の周りを回っている。

実際の太陽系は、太陽が真ん中にあって、地球も含めた惑星がそれを回っていて、でもって月は地球を回っている――だなんてことは小学生さんでも知っているのに。

そう。天動説なんですよ、ホロスコープって。

地球が真ん中だという思い込みに基づいての見かけ上の天空――、これがホロスコープなわけです(だから天体が逆行したりもするんですよね)。

なんてこったい。

でも、ま、いいのです。ホロスコープは自然科学じゃないんですから。

実際の太陽系を象していなくたって問題ありません。

コペルニクスの大どんでん返し以前の宇宙――、すなわち、視点主中心主義(ジコチューじゃなくて、シテチュー、としときますか。なんか、キスミー💓みたいだけど💦)に基づく見かけ上の太陽系、これをホロスコープは象している――、

ってことはどういうことかっていうと、すなわち、ホロスコープが象しているのは、「主観的に捉えられるところの」私であり、彼であり、彼女であり、世界である――。

これ、すなわち内的配置。

僕はね、驚いているのですよ。この内的な配置が、なにゆえか、その人のありさまや、その人を取り巻くありさまを、わりとピタリと象している――ように思えるってことに。

ん?

気がつきましたか?

そぉーなんです!

「ように思える」って書きました。

そう。

思えるんですが、思えるだけなんです。

主観なんですよ。私やあなたの。

客観じゃないんです。

コペルニクス以前の主観的な自然観に似たなにかなんだって思うんですよ、星占いって。

だから、占いの結果を、客観的真理だなんて思わなくていいんですよ、たぶん。

占いの結果は、抗えない絶対――なんかではぜんぜんなくて、主観的にそう思えるところの、いわば思い込みなんです、きっと。

でもね、そもそもからして、そういうもんですよね、僕らの人格って、さらには、この世の諸々って。

視点主が認識するところの対象。

外から見渡した客観ではない。そう思います。

つまり、占いの結果ってのは、客観的な真理じゃなくて、主観的な心理なんだと思うわけです。

心理占星学だなんて言葉があるけど、まさにそれ。

星占いは、心理分析に似ている。

要は、その人が、自分の内的な配置を意識化して、魂の全体性を肯定的に受容できる――ようにするための方便なんだと思うわけです。

ツールだと。

だから、星占いで煩っちゃう必要も、患っちゃう必要もないわけです。

客観的な真理じゃないんだから。

ホロスコープは、呪縛ではなく、ツール。

参考にするための羅針盤。

実利のためではなく、自己実現のための。

んー。たとえていうなら、万有引力みたいなもん?

ある範囲においては正しいですよね。ニュートン力学って。

でもその外は、アインシュタインの相対性理論でなくては説明できない。

そしてその相対性理論の外側は相対性理論ではもう説明できず――。

真理は逃げ水みたいに遠ざかってゆく。

わからないことだけがわかっているありさまなんですよね、常に。

あらゆる決定事項が、やがては書き換えられてゆく。天動説が地動説にとってかわられたみたいに。

だから、ホロスコープは――、主観的に捉えられるところの、ある種の傾向であって、真理ではなく、部分においては通用するけど、全体に対して適用できる定規ではまったくなく、それゆえに、これに縛られて不自由になったり、絶望したりする必要はない――って僕は思います。

常に「その外」があるのだから。

無限――。

そうです。僕らの可能性は無限で、僕らは、そして世界も、――なんにでもなれる!

そんな僕らや、世界を、認知認識するためのツールとして、ホロスコープを使えばいい。

真理に向かって旅するために、心理を見つめてみたらいい。

そして、けれども、真理には到達し得ない。真理は終着地点ではない。逃げ水にも似たなにか。方向性でしかない。いや、方向性ですらたぶんない。真理はいつでも途上。

なんで生まれてきたのかわからないけど、いつのまにか存在しちゃってる僕らが、僕らの主観世界や、それを包む客観世界を、定位するための手掛かり、というか、取っ掛かり――みたいに掴めばいいと思う、ホロスコープってツールを。

ホロスコープは、当たって見える。

その人は、そういう人であると確かに見える。

でも、客観的には、その人はそういう人である――だけではない。

見方を変えたらまた違って見えてくる。

円錐を横から見て三角に思っていたり、下から見て円に思っていたり――みたいなこと。

ホロスコープが真実だなんて思っちゃいけない。

星占いも、発展途上であるはずのあらゆる占いも、いや、現代科学による世界認識も、すべては、部分的な正しさでしかない。

常にその外がある。

可能性は無限。

そう思うと、宇宙遊泳してるみたいな頼りなさを感じると同時に、解き放たれた爽快感もまた僕は覚えます。

「夢中遊泳」している僕らだから、ホロスコープみたいなツールを、止まり木にしたがっているに過ぎない。

ホロスコープにつかまりながらも、顎を上げ、ほんとの宇宙を見上げて、広く、外を感じたい。

占いなんて、信じちゃいけない。

占いを、探求しもしないで、ものぐさに、「占いなんて馬鹿馬鹿しい」だなんて言い捨てちゃう「信じるべからず」と、占いの有益性を十分に探求したのちの「信じるべからず」では意味が違う。

主観的な心理を分析し尽くすことは、客観的な真理に向かい合ってゆくための礎となる。

大袈裟にいうなら――、愛にたどり着くためにも、そこは避けて通れないんだぜ?



――ってなわけで今回も、あひろ場に参加してくださった方の内的な景色を見つめさせていただきました。

許可を得られましたので以下に転載いたします。

Sさんの配置。

複合アスペクトが目白押しの、パワフルな景色。

ここまで読んでくださったモノズキさま、――天空図を眺めるだけでも眺めていってくださいな。美しい配置であると思いませんか?

Sさん、ご参加ありがとうございました!

――

まさかの手書きですみません💦

■度数
太陽:獅子座17度
月:牡羊座0度
水星:乙女座14度
金星:蟹座25度
火星:牡牛座18度
木星:蟹座28度
土星:山羊座20度
天王星:山羊座6度
海王星:山羊座12度
冥王星:蠍座15度
アセンダント:蠍座8度

■解読
天空図をご覧ください。星が、全体に、まんべんなく散っていて、一見バランスよく見えますね。
左半分はこの方自身を、右半分は他者を象すとされています。
左半分の代表的な星は冥王星、右半分の代表的な星は火星ですね、配置的に。
この方は、他者と競いがちかもしれません。
他者からの批判に晒されることもままありそうです。
しかし、この方が負けることはありません。
どんな力に対しても打ち克つでしょう。
アセンダントと冥王星が、緩やかなれどもコンジャンクション(ニアリー0度の合一角)を、激烈なる蠍座において形成していますので、この方はとてもタフなファイターであるかとお見受けいたします。
また、天空図の上半分は社会的なありさまを、下半分は家庭などプライベートなありさまを象すとされていますが、この方の上半分の、もっとも高いところに、社会的な在り方や人生の目的を象す太陽が位置しています。折しも獅子座のサインです。
この方は、社会での成功を人生の目標に据えがちでありましょう。
他方で、金星と木星が蟹座でコンジャンクション(ニアリー0度の合一角)を形成していたり、プライベートを象す月が、その金星や木星のコンジャンクションに対してトライン(ニアリー120度の調和角)を形成していることから、この方、女性的な外見にも恵まれていて、人気もあり、家庭的な一面も十分にありそうにお見受けいたします。
しかし、太陽や、冥王星や火星などの勇ましい星が、のちに詳述いたしますが、たいへんエネルギッシュな配置にありますため、家庭におさまるだけではあきたらない強い女性であることもこれ如実に見てとれるのであります。
人生の目的をさがし求め、それを実現するために、この方は、エネルギッシュに挑戦を重ねてゆくのではないかと思われるのです。
――ご連絡を受けました際に判明したのですが、この方、自身で十分に星の読める方でいらっしゃいますので、今回は、いつもほどには噛み砕くことをせず、サインや度数やオーブの詳細についても言及せず、なかなかに華やかな複合アスペクト満載の配置について、いきなり語り始めてしまいたいと思います。
――MC(という感受点)に近接しているカルミネート天体は太陽です。獅子座の太陽。
人生の目標を高く掲げ、誇らしく、力強く、そこに向かって邁進してゆかれます。
目立ち、かつ力のある立場に縁があるし、そこを目指します。社長さんだとか、あるいは売れっ子タレントだとか。
やらされ仕事には向かないので、サラリーマンでは物足りなさを感じそうです。
ただし、出生時刻を信用しますと、この方のアセンダントは蠍座であり、冥王星と、緩やかながらもコンジャンクション(ニアリー0度の合一角)を形成していて、となると冥王星は、太陽とも、MCともスクエア(ニアリー90度の葛藤角)を形成しているのでありますね。
冥王星とMCがスクエアでありますと、自らの力の悪用や、ひとさまに恨まれるような極端な言動を控えるよう注意する必要が出てきます。
――そんな冥王星の正面に位置する火星は、冥王星とともに、太陽やMCと『Tスクエア』(2つのスクエアと1つのオポジションで作られる複合アスペクト)を形成しています。
不動の宮における『Tスクエア』。じゃんけんのグー、チョキ、パー的な三竦みでありますね。スクエア(ニアリー90度の葛藤角)と、もう1つのスクエア(ニアリー90度の葛藤角)と、オポジション(ニアリー180度の対立角)。
いちばん強い天体は冥王星でありますから、0か100かな極端なありさまに、好むと好まざるとにかかわらず、事態は展開してゆきがちでしょう。
この方自身を象すアセンダントが冥王星と、緩やかながらもコンジャンクションでありますからね、ヤクザの世界で喩えるなら、チンピラ(火星)を睨み付けるオオオヤブン(冥王星)がこの方自身だということになりそうです。
毒をもって毒を制す配置と捉えて『Tスクエア』を、上手いこと統合してゆきたいものです。
でもって、この方が目指すのはやはり『Tスクエア』の頂点である太陽なのではないかなあ。
そのために、冥王星と火星の対立的なエネルギーを、こちらも建設的に利用してゆきたいですね。
役立ちそうなアスペクトがあります。
まずは水星。乙女座のインテリくん(水星)がオオオヤブン(冥王星)とチンピラ(火星)の対立を『調停』してくれています。180度(対立)を60度(調和)と120度(さらなる調和)に穏便に切り分けてくれているのですね。
この方はとても頭のよい人です。コミュニケーション能力も高いし、交渉上手で、逃げ足もはやかったりします。ルパン三世みたいな方なのですね。
そのような知的な機転が、土(つち)組の内乱勃発を上手く『調停』してくれているようです。
――それから、冥王星を頂点とする『小三角』というアスペクトもあります。
水星と海王星のトライン(ニアリー120度の調和角)を、冥王星がセクスタイル(ニアリー60度の調和角)ずつに切り分けているかっこうです。
乙女座の水星と山羊座の海王星が、いくらか真面目すぎる、いってしまえば退屈なほどに調和的な関係を育んでいるところに、蠍座という激烈なポジションに位置する、また、その蠍座のルーラーでもある、とんでもなく激烈な冥王星が、激烈な刺激を、しかし調和的にぶち込んでくれているありさまです。
この方、アセンダントが蠍座であることからしても、蠍座に位置する冥王星が、生きてゆく上での重要なキーとなりそうですね。
ナイフ(というよりドスレベル?)は使いようで、便利なツールにもなれば、殺傷能力の高い凶器にもなります。
冥王星は、いちばん影響力の強い暴れ星さまでありますれば、これを使いこなすことは大変かと思われますが、味方に付けられたら実に頼もしい存在ですよね。
さて、冥王星オオオヤブンにド正面から睨まれて緊張している火星くんの、チンピラ魂を癒してくれそうなアスペクトもあります。
火星に対して土星がトライン(ニアリー120度の調和角)ですね。ヒリヒリした緊張感に耐えきれず暴発してしまいそうな火星くんに対して、土星さまが、年長者的な落ち着きのある抑制を効かせてくれています。
このトラインは、水星-火星のトライン、および水星-海王星とのトラインとあいまって、『グランドトライン』に近い三角形を形作っています。天空図全体にのびのびと表れている正三角形です。
『グランドトライン』に近いアスペクトを形成している海王星、火星、水星は、サイン的にはみな地のエレメントに配置されています。
――
海王星:山羊座
火星:牡牛座
水星:乙女座
――
――ハウスでみると、海王星は3ハウス在住、火星は7ハウス在住、水星は10ハウス在住。3、7、11ハウスの『グランドトライン』だと、この時代の特性に照らしても、仕事での躍進が自己実現の鍵となりそうですが、惜しくも3、7、10ハウスの三角形となっています。
また、海王星は逆行していますので、その象意は遅れて発揮されるかもしれません。
さらに、ハウスを特定する方式はいくつかありますし、ハウスはアセンダントと同じく出生時刻の正確さに依存しますので、参考程度に、あひろ場では捉えさせていただいています。
なので、サインに着目いたしますと、山羊座、牡牛座、乙女座在住の天体が『グランドトライン』に近いアスペクトを形成しているわけで、これは、経済的な、あるいは生活的な基盤の安定を象しているように思われます。良家のご令嬢さまでいらっしゃるとか。
食べるのに苦労をされる、みたいなことはなさそうです。
この安定的な三角形が、太陽-火星-冥王星の形成する『Tスクエア』の葛藤や緊張を、緩めているようにも、配置図全体からは観じられます。
――エレメントについて見てみますと、水星、火星、土星、天王星、海王星が地のエレメントに配置されています。
対して風のエレメントには星が1つもありません。
天空図全体にまんべんなく星が散っていて、一見バランスよく見えるのですが、エレメント的には、地に片寄り、風が欠如しているといえそうです。
――ついでにクオリティについてもチェックしてみましょう。
月、金星、木星、土星、天王星、海王星の6天体が活動宮です。活動宮は、日頃はわりとじっとしているのですが、ひとたび方針が定まると俄然行動的になる特性を象しています。
太陽、火星、冥王星は不動宮ですね。獅子座の太陽ですし、その太陽がカルミネート天体(MC近接天体)ですから、この方が目指すのは太陽による自己実現ではないかと私には観じられます。その太陽を含む3天体が不動宮であり、アセンダントもMCも不動宮でありますから、不動な特性も色濃く反映されている天空図に見えます。
対するに、柔軟宮にあるのは、ただ1つ水星だけです。柔軟性の欠如、という意味で、クオリティ的に見ても、片寄りがうかがえなくもありません。
――それでは、ポラリティはどうでしょうか?
陰に属する天体は、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星であり、また出生時刻を信用しますとアセンダントもまたしかりです。
しかるに陽のポラリティに属するのは太陽、月、それからMC。
エネルギッシュな配置に見えます天空図の方であるにも関わらず、陰陽で見ますと、意外や、陰にかぶいていることがわかります。
――さて、水星-火星-海王星を、『グランドトライン』類似のアスペクトとして捉えた場合、火星の真向かいにある冥王星を考慮しますと、この4天体は、なんと、複合アスペクトである『カイト』を形成していることにもなります。
『カイト』って、成功者の配置によく見られるアスペクトのようですね。
乙女座という潔癖なサインに位置する水星、山羊座という古風で慎重なサインに位置する海王星、牡牛座という堅実なサインに位置する火星、これら土(つち)サインに位置する3天体が形成する『グランドトライン』――に近い正三角形、これは安定を象していると読めます。
安定的な土(つち)サインを結ぶ安定的な三角形。
よい配置であるのは間違いないのですが、よすぎるきらいがなくもありません。
すなわち、安定的に安定(!)しすぎて、刺激が足らず、自らの成長を阻害する――というような。
そんな配置に対して効果的に刺さっているのが冥王星です。
火星の真向かいに位置する冥王星は、火星とのオポジション(ニアリー180度の対立角)により、正三角形を真っ2つにぶった切っています。
これ、すなわち刺激です。『グランドトライン』に近い配置に安眠しかねない魂に対する気付け薬として作用しています。
冥王星こそが、この方の全体の、やはりキーとなるのでありましょう。
――すなわち、
1、この方が最終的に目指したいのは、獅子座の太陽である。華やかな成功。これが人生の目的。
2、この目的達成に対する葛藤(スクエア)として、火星-冥王星の対立(オポジション)がある。
3、苦しい葛藤、かつ対立をなだめるべく水星が、『調停』の位置に輝いている。
4、のみならず、水星-火星-海王星(土星)が形成する『グランドトライン』類似の正三角形が、天空図全体を調和的に癒している。
5、正三角形に甘やかされすぎないよう冥王星が、激烈なる蠍座の位置から、激烈なる睨みを火星に対して効かせて刺激を与えてくれている(『カイト』)。
これら力学的な総合が、MCにコンジャンクション(ニアリー0度の合一角)してもいる太陽に対して肯定的に作用することで、この方は、物語のゴールテープを切るよう運命づけられている――。
というのが、天空図の力学を「統合的に観じて」得られた物語となります。
――さてさて、太陽とMCのコンジャンクション(ニアリー0度の合一角)、『Tスクエア』、『調停』、『小三角』、『グランドトライン(類似)』、『カイト』――と見てまいりました。
なかなかにエネルギッシュな配置であるなと思われました。
――が、それで終わりではありません。
この方には、もう1つ、『トールハンマー』というアスペクトが認められるのでありました。
『トールハンマー』とは、90度と、135度と、135度で形成される二等辺三角形です。
この方の場合、太陽と冥王星のスクエア(90度)に対して、頂点を担う月が、135度の2辺を振り分けています。
「神の拳」などという異名もあるこの激烈なるアスペクトに、またもや絡んでいるのでありますね、冥王星さま。
太陽(意思)と月(感情)が、魂の基本となる天体であることは言うまでもありませんが、そこに、影響力が最大である、天空のラスボス的な冥王星(変容、徹底、100か0か、を象徴)が加わって形成されている三角形ですから、その力はのっぴきならないものとなります。
底辺を形成する太陽と冥王星の、葛藤から生じるストレスがパワーとなって、頂点の月から噴出する――みたいな読み方もされます。
月は、「日常」や、「個人的無意識」や、「幼少期の自分」や、「母親」や、「妻となった場合の自分」や、「母となった場合の自分」を象します。
この方の母君が激しい人であったかもしれず、幼少期にこの方は激しく感情を昂らせたかもしれず、また、この方が結婚された場合、激しい妻や母になるかもしれず――、いずれにしましても、感情を昂らせて鉄槌を下す――、というような場面に縁があることは間違いなさそうです。
また、『トールハンマー』の解釈として、頂点の天体に関することで危機に晒されやすい――というものもありますので、月すなわち「メンタル」の危機に晒されたとき、この方は、太陽-冥王星の葛藤から吹き上がるパワーにより、激しく何かに反発し、その何かに鉄槌を下そうとするかもしれません。
『トールハンマー』は、確かにパワーではありますが、扱いが難しく、これを上手に使いこなせなかった場合、この方ですと、月(母親、ないしは大衆)からの批判を受けざるを得なくなるかもしれません。
――以上、複合アスペクトを中心に、目立った配置を概観させていただきました。
次に、各アスペクトについて各論的に考察いたします。しかるがのちに、もう一度全体を統合して語らせてください。
以下、メジャーアスペクトについてのみ見ます――。
●太陽と火星と冥王星の『Tスクエア』
【太陽と火星のスクエア(ニアリー90度の葛藤角)】
闘争的。勝ち気。強引。冒険心。恐れを知らない。
怒りを溜め込まないよう注意。
【太陽と冥王星のスクエア(ニアリー90度の葛藤角)】
完璧主義。目立ちたがり。野心的。権力志向。徹底主義。
100か0かで考えて、積み上げてきたものをたやすく抛擲しないよう注意。
【火星と冥王星のオポジション(ニアリー180度の対立角)】
パワフル。欲望的。攻撃的。アグレッシッブ。
その対立は内的な対立の投影かもしれません。
●水星と火星と冥王星の『調停』
【水星と火星のトライン(ニアリー120度の調和角)】
理知的。ハイスピード。好奇心が強い。口が上手い。挑戦的。行動的。
ビジネスでの成功が望めそうです。
【水星と冥王星のセクスタイル(ニアリー60度の調和角)】
知的。洞察的。緻密。粘り強い。
問題解決能力が高いでしょう。
●水星と海王星と冥王星の『小三角』
【水星と海王星のトライン(ニアリー120度の調和角)】
直感的。インスピレーションが働く。要領が良い。逃げ足がはやい。美的。イマジネーションを発揮。
感情を抑えて、理知的に語れる方でありましょう。
【水星と冥王星のセクスタイル(ニアリー60度の調和角)】
前出どおり。
知的。洞察的。緻密。粘り強い。
問題解決能力が高いでしょう。
【海王星と冥王星のセクスタイル(ニアリー60度の調和角)】
精神的。霊的。
読心術を身につけることもできそうです。
●水星と火星と土星(海王星)の『グランドトライン(類似)』
【水星と火星のトライン(ニアリー120度の調和角)】
前出どおり。
理知的。ハイスピード。好奇心。口が上手い。挑戦的。行動的。
ビジネスでの成功が望めそうです。
【火星と土星のトライン(ニアリー120度の調和角)】
努力家。責任感が強い。忍耐力がある。バイタリティがある。
健康を害した過去があるかもしれませんが、そのために、より摂生を意識できるようになったのでは?
【水星と海王星のトライン(ニアリー120度の調和角)】
前出どおり。
直感的。インスピレーションが働く。要領が良い。逃げ足がはやい。美的。イマジネーションを発揮。
感情を抑えて、理知的に語れる方でありましょう。
●他
【金星と木星がコンジャンクション(ニアリー0度の合一角)】
好感される容姿。幸運に恵まれる。経済的にも環境的にも豊か。
ポジティヴなアドヴァイスでひとを励ましてください。
【月と木星がトライン(ニアリー120度の調和角)】
楽天的。おおらか。モラリスト。弱きを助ける。人望。
社会的地位の高い人からの引き揚げが期待できるかもしれません。
【天王星がノーアスペクト(有意な角度なし)】
環境の変化。転職。距離感が極端。
副業時代の寵児となるやもしれません。
――アスペクトの各論は以上となります。
――トータルで、この方は、現実的で、物質的に困窮することはなく、頑固なところがあり、なかなか動かないけど、ひとたび動くと大胆で、いくらか暴発ぎみなほどにパワフルで、陽気で享楽的な自分を目指し、実際に人気もありそうなものの、内実はどちらかというとダーク、ときにネガティブだったり、ともすると冥王星からの影響に晒されて、破壊的な感情に支配されてしまうこともありそうな――、そんな人物であるかと思われました。
社会に見せている自分は、獅子座の太陽や、あるいは、金星と木星のコンジャンクション(ニアリー0度の合一角)が象すような楽天的な自分なのかもしれませんし、実際、それを目指して旅を続けておられるのではないかと思われます。
グツグツと煮えたぎるようなパワーを意識的にハンドリングして、獅子座の太陽を目指してゆかれるのがよろしいのではないでしょうか?
複合アスペクトが目白押しのパワフルな景色を見つめさせていただきました。
配置を読ませてくださりありがとうございました!

▲Sさんの結果


11/26追記:Sさんからご感想をいただけました。
許可を得られましたのでこちらも転載させていただきます😃↓

長文の解説ありがとうございました!
以前お送りしていたように、なんとなく独学で自分のホロスコープを読解していましたが、やはり詳しい方に客観的に解説いただいて、自分のことを客観視できたような気がします。
特に印象的だった部分をいくつかピックアップさせていただきます。

▲Sさん

山羊座、牡牛座、乙女座在住の天体が『グランドトライン』に近いアスペクトを形成しているわけで、これは、経済的な、あるいは生活的な基盤の安定を象しているように思われます。良家のご令嬢さまでいらっしゃるとか。
食べるのに苦労をされる、みたいなことはなさそうです。

▲あひろ

→実家が大富豪ということはないのですが笑、ありがたいことに父親はそこそこ収入のある大企業勤めでしたので幼少期も経済的に困ることはなく、実家を出て自分で稼ぐようになってからもそれなりの大手企業で働いているので、圧倒的に裕福、ということはありませんが汗、今までの人生の安定度は高めだったと思います。

▲Sさん

月、金星、木星、土星、天王星、海王星の6天体が活動宮です。活動宮は、日頃はわりとじっとしているのですが、ひとたび方針が定まると俄然行動的になる特性を象しています。

▲あひろ

→1回目の転職の時には、安定の権化のような会社から海外勤務への転身だったので、家族はもちろん、友達や職場の皆さんを大層驚かせました。。笑

▲Sさん

安定的な土(つち)サインを結ぶ安定的な三角形。
よい配置であるのは間違いないのですが、よすぎるきらいがなくもありません。
すなわち、安定的に安定(!)しすぎて、刺激が足らず、自らの成長を阻害する――というような。
そんな配置に対して効果的に刺さっているのが冥王星です。
火星の真向かいに位置する冥王星は、火星とのオポジション(ニアリー180度の対立角)により、正三角形を真っ2つにぶった切っています。
これ、すなわち刺激です。『グランドトライン』に近い配置に安眠しかねない魂に対する気付け薬として作用しています。

▲あひろ

→これは本当にそうですね。。
上記の通り、安定した会社に勤務していたものの、その刺激の無さ、安定した仕事内容・環境に耐えきれず苦しくなり海外に飛び出て、ハードワークめな仕事に従事して、その後「数年頑張ったから一旦緩めな仕事にしよう。。」と思って帰国後、別の大手企業に転職して「恵まれた環境だし、一生この会社でいいのでは」と最初思っていたのですが、数年経ってまた「私が生きる場所はここじゃないかも。。」ともやもや感じている、という次第です。。
「ゆっくり楽して生きたい」と思っている自分と、「これじゃだめだ!」と囁いて突き動かそうとしてくる自分との狭間でこの10数年生きてきたのですが、いっそ安定・安住・のんびり楽して生きる、は諦めた方が良さそうですね。。笑

▲Sさん

この方の母君が激しい人であったかもしれず、幼少期にこの方は激しく感情を昂らせたかもしれず、また、この方が結婚された場合、激しい妻や母になるかもしれず――、いずれにしましても、感情を昂らせて鉄槌を下す――、というような場面に縁があることは間違いなさそうです。

▲あひろ

→母親は確かに情緒豊かめな性格ではあるのですが笑、激昂するようなことはなかったので、私自身がそのような妻・母にならないように気をつけようと思います・・・!

▲Sさん

トータルで、この方は、現実的で、物質的に困窮することはなく、頑固なところがあり、なかなか動かないけど、ひとたび動くと大胆で、いくらか暴発ぎみなほどにパワフルで、陽気で享楽的な自分を目指し、実際に人気もありそうなものの、内実はどちらかというとダーク、ときにネガティブだったり、ともすると冥王星からの影響に晒されて、破壊的な感情に支配されてしまうこともありそうな――、そんな人物であるかと思われました。

▲あひろ

→このまとめに全てが詰まりすぎていてびっくりしました…!
特に「内実は〜」のところが本当にそうで、陽キャな自分(「皆と楽しくワイワイ過ごしたい!人生1度だし楽しいことしていたい!」という自分)と陰キャな自分(「いや人と一緒にいると疲れるしそんな刹那の楽しみに何の意味があるんだ。1人で家に篭っていたい」という自分)が私の中に同居していることを自覚できたのがようやくここ数年の話で、自分でもそのバランスを取るのが難しいし、課題なんだと思っています。(書いてて思いましたが改めてめんどくさい性格ですね。笑)
今の安定的な生き方だと、自分の太陽を生かしきれない・本当の意味で太陽を獲得できない。
だから社会人になって以来ずっともやもやしているし、こうやって占星術などにも頼りながら自分の生き方探しをしているんだなと改めて思いました。
自分の出生図を受け入れて、いい意味で安定・安心を諦めて覚悟して自分の人生を生きます…!
以前どこかのサイトで「Tスクエア克服の一つのヒントは、グランドクロスから欠けている星座を意識・活用すること」(私の場合は水瓶座ですね)と読んだことがあります。
奇しくも冥王星水瓶座入りしたタイミングであひろさんに読み解きをしていただいたのも、冥王星オヤブンの愛あるメッセージのような気がしています。
本当にありがとうございました。

▲Sさん

Sさん、丁寧なご感想をありがとうございました😀!


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