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写真を始めたら最初に読みたい「撮影テクニック10選」

Twitterで「140字の写真教室」を開こうと思ったんですが、どう考えても140字じゃ情報量が少なすぎて分かる人にはつまらない内容になってしまい、分からない人には読んでも謎の文章になってしまうかと思い、きちんとnoteにまとめてみることにしました。

今回は撮影テクニックについて私なりに「これだけはぜひ知っておいてほしい!」と思うTIPSを10個に厳選してまとめてみました。それぞれについてなるべく簡潔になるべく画像も使いながら解説を付けてみましたので、写真を始めたばかりの方はもちろん、これからもっと写真をうまくなりたいと思う方も、参考になる部分があればぜひマルッと持って帰っていただければ嬉しいです!

「機材以外は全部盗んで大丈夫」の精神で、それでいて個々のトピックはなるべく簡潔にまとめられるよう頑張りましたので、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。

それではいってまいりましょー!


(1)絶対に押さえておきたい4つの基本動作

まずは写真の全ての基本であり、どんなにうまくなっても変わらずに重要であり続けることを語呂よく4つのまとめてみました。一気に全部やろうとするのではなく、1が出来るようになったら2、2が出来るようになったら3…という感じで、1から順に、1つずつ確実にマスターしていきましょう。

1.ピントはばっちり合わせよう
2.明るさは露出補正でお好みで
3.絞りでボケ具合を調整し
4.最後に構図は大丈夫?

ぶっちゃけこれさえ完璧にできていれば、撮影の部分に関してはもはやプロと同じレベルです。逆に言えばプロは、これらは出来て当たり前で、他の部分で差別化していかなければならないのです…


(2)ブレとボケは違います

フォトリップで参加者の方と話していたり写真を見たりしていたりすると、よく
「写真がブレちゃうんですけど、何でですか?」
と聞かれることがあります。このとき最初に私が必ず聞くのは
「そう思う写真を何枚か見せていただけますか?」
です。

というのも、実は狙った被写体が鮮明に写っていないとき、原因としては大きく「ブレ」と「ボケ」の2種類があるからです。

「ブレ」には細かく2種類あります。

1.手振れ:カメラ(自分)が動いてしまっている
2.被写体ブレ:被写体が動いてしまっている

そして「ボケ」は被写体にピントが合っていない状態です。

それぞれ実際の写真で見たほうが分かりやすいので載せてみますね!

1.OK

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2.手振れ

2.手ブレ

3.被写体ブレ

3.被写体ブレ

4.ピンずれ

4.ピンズレ


4つの違い、分かりましたでしょうか?
もし「なんかぼやっとしているな…」と思ったら「手振れ」「被写体ブレ」「ピンボケ」のどれが原因なのか1つずつ潰していく感じで考えてみてください。



(3)ピントはばっちり合わせよう

写真が上手!と感じさせる最も分かりやすい指標は、構図のバリエーションです。
構図を色々と変えながら撮るには、ピントを合わせた上でピント位置はそのまま変えずにカメラだけ動かして構図を変えるのが一番簡単です。

具体的に手順を書いていくと…

1.シャッター半押し
2.ピントが被写体に合ったら…
3.半押ししたまま手首だけを使ってカメラを回転させて構図変更
 →前後左右には動かさない
4.シャッター全押しし撮影!

こんな感じです。
最も重要なのは3番。

「手首を回転させるようにしてカメラを動かす」という動作は慣れないと難しいと思うので、家でカメラをグルグル回す練習してみてください。このとき、できれば「シャッター半押しでAF(オートフォーカス)」ではなく、「AF ON」ボタンでAFを行う「親指AF」という設定に変えておくと、便利です。

というのも、「ピントを合わせる」というのは「被写体とカメラの距離を決める」こととまったく同じ意味だからです。つまり、被写体とカメラの距離が変わらなければ、その範囲内でならカメラを動かしてしまっても良いわけです。そして距離が変わらないのであればAFし直す必要もないので、必要なときにだけAFを行うことが出来る「親指AF」にすると撮影が楽になる、というわけです。

脱・日の丸構図で一気に写真の雰囲気が変わりますよ♪



(4)撮影モードは「絞り優先」で

「写真うまい人は「マニュアル」で撮っているんですよね?」
なんてたまに聞かれることがありますが、少なくとも私の場合、
撮影の90%は「絞り優先(A、Av)」で撮っています。

なぜなら、個人的に撮影は「なるべく楽をする」ことを追求したいからです。
撮影中は、

・ボケ具合
・構図
・光の向き、方向、質
・背景

等々…考えることが無限にあるわけです。
さらにポートレートの時はこれに加え、

・被写体のポージング
・表情
・髪の毛
・服の乱れ

等々…さらに考えなければいけない要素が増えていきます。
なのでその場で考えなくても良いことはなるべく考えないように、そして楽にできる部分はなるべく楽にすることで、「意識のメモリ」を上記のようなことを考えることに割り振っている感じです。

では
そのときにしか決められないこと
って何?

というと、カメラの設定という意味では下記2つです。

・ボケ具合:絞り(Fの数字)で調整
・明るさ:露出補正で調整

光がコロコロ変わるような外での撮影で、いちいちマニュアルで露出を合わせていたら撮影のテンポ悪くなってしまいますもんね…

ただ、絞り優先時の露出は背景等の色に引きずられてしまうという弱点もあるので、

・光が変わらない場所や室内
・ストロボを使うとき

はマニュアルの方が便利なので、うまく使い分けてみてください。

ご参考まで最後に、絞り優先、シャッター速度優先、マニュアル、で撮ったそれぞれの写真とポイントをまとめておきますね!

▽絞り優先

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▽シャッター速度優先

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▽マニュアル

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(5)誰でもボケが作れる4つの法則

(4)では「絞り優先」を使って撮影することと、そのときに考えるのは「絞り(ボケ具合)」と「露出(明るさ)」だと書きましたので、それぞれもう少し掘り下げて見ていきたいと思います。

まずはボケから!

綺麗なボケが作れると嬉しいですよね♪
ボケは高いカメラやレンズじゃないと作れないと思っている方、結構多いようですが、実は4つの法則さえ知っていれば、誰でも簡単に、いつでもどこでもボケが作れちゃいます。

1.ズームしよう(なるべく望遠で)
2.絞りを開けよう(F値を小さくしよう)
3.被写体に近づこう
4.被写体と背景の距離を離そう

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このテクニックを使えば、一眼はもちろん、コンデジでも背景のボケた素敵な写真が撮れるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね♪

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また、iPhone限定のテクニックですが、「ポートレートモード」で撮ることで大きなボケが作れたりもするので、こちらも併せて試してみてください!

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(6)逆光で撮ると顔が暗くなっちゃった!?ときは露出補正!

そして次に、露出についてです。

写真を撮って液晶で確認したら明るすぎたり暗すぎたりしたことってありませんか?

でも今はデジタルカメラの時代なので失敗上等!露出補正して撮り直せばいいだけです♪

▽プラス補正の例(+1.7段)

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▽マイナス補正の例(-2段)

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こんな感じで、思い通りの明るさに写真をコントロールしちゃいましょう!

たとえば逆光の時なんかは普通に撮ると顔が暗くなりがちですが、プラス補正にすれば、ほらこの通り♪

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こちらは+3.3段分明るくしています。

また、敢えて全体を暗く、しっとりした雰囲気に仕上げたいときはマイナス補正をするのが有効です。

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こちらは-1.7段分暗くしています。

そして、デジタルの時代に最もやってはいけないことは「横着をすること

横着して、、
・縦か横どちらかの構図でしか撮らない
・寄ったり引いたり、上から覗き込んだり、下から見上げたり、色々な視点で撮らない
・絞りを変えてボケ具合を色々試してみない
・露出補正して明るかったり暗かったりする写真を撮らない

というのは非常にもったいないです。

何枚撮ってもほぼ無料なので、沢山撮ってその中から自分の「好き」を見つけてみましょう♪

ちなみにこのとき、「うまく撮れなかった…」からといってその写真は消さずにとっておきましょう。後から見返すと、きっと良い勉強になるはずです。



(7)お勧めの設定例

(4)撮影モードは「絞り優先」で
でも書きましたが、写真を撮るときのポイントは

後で変えられる部分はオートで楽しよう

です♪

じゃ具体的にどういう設定で撮るのが良いの?
ということで、私が普段撮っているときに実際に使っているお勧めの設定をまとめてみました。

・撮影モード:絞り優先
・ISO:オート
・記録形式:RAW(or RAW+JPEG)
・ホワイトバランス:オート
・AFエリア:中央1点
・AFモード:シングル
・測光方式:評価測光
・ドライブモード:連射
・ストロボ:発光禁止

もし外でポートレートを撮るのであればこの設定に加え
・シャッター低速限界:1/200秒

とかにしておくと無用なブレも抑えることが出来るので良いかもしれません。



(8)RAWで撮ろう!

後で変えられる部分はオートで楽しよう

と、今回しつこいくらいに書いていますが、もう一回書かせてください。
RAWは編集耐性が強いので、撮影時に意識すべきパラメーターを減らすことができ、撮影に集中することが出来るようになるので、絶対のお勧めです。

そしてこれまでに書いたことをまとめると…
撮影時に意識することは以下の3つだけ!

1.ピント
2.ボケ具合
3.構図

ピントとボケ具合については既に書いた通りですが、ばっちりでしょうか?

もしニーズがありそうであれば③は改めてnoteにまとめてみたいと思いますのでぜひtwitter等で反応いただけると嬉しいです!



(9)写真における時間配分

これまでずっと「撮影」時のことを書いてきましたが、実は写真を撮る上で「撮影」が占める割合は、写真のステージが上がれば上がるほど、低くなっていきます。逆に言えば、写真のステージを上げたいのであれば、撮影以外の部分にどれだけ時間(=価値)をかけられるかが重要だとも言えそうです。

感覚的ではありますが、写真のアウトプットまでに必要な工程を大まかに3つに分けたとすると、それぞれの時間配分は下記のイメージになります。

・事前準備:50%~90%
・撮影:5%~10%
・現像:5%~40%

しかしほとんどの人は「撮影」に1番力を入れてるので、それ以外の部分でいかに差別化するかがポイントかもしれません。実際、事前準備をしっかり行いさえすれば、現場ではごを承知で言えば「シャッターを押すだけの簡単なお仕事」です。

例えば事前準備として「これくらいは最低考えたいポイント」を5つにまとめてみたので、参考にしてみてください!

・場所:どこで、何を、どう撮る?
・時間:太陽をどう使う?
・天気:全てがシャッターチャンス
・風:reflection=朝。強ければ活用
・設定:当日の1stカットをイメージした設定値に


そしてここまで読んでくれた方は、間違っても「写真タダで撮って!」なんて気軽に言えないことに気付いていただけるはずです…(笑)



(10)人物撮影における光の読み方

最後に、私の専門であるポートレート撮影を例に取り、少し応用編になりますがこれまでの知識をフル活用した上でどういうことを考えながら撮影しているか、簡単にまとめてみました。あとは意図に合わせてレンズや絞りを選べば完璧です♪

・光:向きや硬さ
・景色:景色の中にどう被写体を配置するか
・空:青空?くもり?
・色:背景と被写体で調和のある色遣いに
・障害物:周りの人や余計な物
・風:風が強い日は注意
・被写体:髪の毛、着衣の乱れに注意

例えばある日の晴れた山下公園でのポートレート撮影を例にするとこんな感じでしょうか。
分かりやすいよう、画像の中に色々と書き込んでみました。

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上のような状況だったため、

・影を消したい
・人を目立たせないようにしたい
・空と雲と並木を要素として活用したい
・風も活かしたい

ということを考え、下記のアイテムや取り方を瞬時に選択しました。

・レンズは広角レンズ(16mm)を選択
:人を目立たせ無くしつつ背景を取り込むことが可能なため

・下からあおるように撮る
:同じく人を目立たせないことと、景色を取り込むため。ただし女性ポートレートでは基本下から撮らないほうが望ましいため、あごのラインや影の付き方には細心の注意を忘れずに!また広角レンズならではの歪みにも注意。

・ストロボはトランスルーセント越しに
:なるべく柔らかい光にするため、そして光量を昼間の太陽に負けないようにするためモデルにぎりぎりまで近づけます

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こうして撮れた写真がこちらになります。

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また、仕事や作品撮りの場合、絵コンテベースで進めることも多いです。たとえば絵コンテというか撮影イメージとして事前に提示したものがこちら。

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そして実際に撮影した写真がこちらです。

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ちなみにこの写真を撮ったときの、上の7つの要素はこんな感じです♪

・光:夏の朝の横からの強めの光。予想通り。
・景色:波はそこそこ。関東の海は汚い。予想通り。
・空:雲一つない快晴
・色:白いワンピースと青が素敵。赤いアイテムを活用
・障害物:海にサーファー多数。早起きすぎる!海の上にベイ
・風:風は強い。予想通り
・被写体:細かいポージングや指示出しはせず、具体的なシーンや感情を共有しながら撮影を進めていこう

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■最後に:綺麗な写真より、気持ちいい写真■

5,000字を超える長文にもかかわらず最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。もしニーズがあるようでしたらこのシリーズをもう少し深め、より実践的で尖った続編も準備していますので、いいねとかコメントで教えてください♪


さて、思えば、素敵な写真が撮れた時って

1.気持ちが高まる
2.気持ちが高まったものを撮る
3.撮った写真を見たら、撮る前の感動が甦ってくる

というプロセスな気がしていますが、そのためには

・覗き込んだりしゃがんだり…色々な視点で世界を見て「発見」し
・何に/なぜ気持ちが高まったのか?を「理解」し
・心の情景を写真に落とし込むのに必要な「技術」で撮る

という、いわば

発見→理解→技術のループ

が上手く働いた結果だと思うんですよね。そしてこれは同時に写真上達の最短距離だとも思います。皆さまもぜひ写真を通じて「日常の素敵」を沢山見つけてみてください。

もし今回の記事が少しでも皆様のお役に立てたのであれば、ぜひ「いいね」で応援してください。また、twitterではもうちょっとシンプルに「私が見つけた世の中の素敵」を写真中心にお届けしていますので、美しい世界を見たい方はこちらもフォローいただければ幸いです♬


本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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