掃除のススメ
今から20年ほど前、私はある掃除機に出会いました。
それまで掃除機などに関心などなかったのですが、その掃除機について知るにつれ、機械として惚れ込んでしまい、その掃除機の販売仲介の仕事をすることにしました。
それは訪問販売の形で紹介する販売方法だったので、当時でも訪問販売というと胡散臭いイメージでしたから販売は振るわなかったのですが、おかげで掃除機と掃除については、多くの主婦の方よりも詳しくなりました。
それまで自分は掃除に割と無頓着だったし、今も片付けなどは得意ではないのですが、片付けるということと掃除をするというのは、私の中での意味合いが少し違います。
片付けは見た目の問題で、掃除は健康と衛生の問題なんですね。
「整理整頓」「清掃」、漢字を比べると、「整える」のと「掃いて清める」の違いになりますね。
もちろん部屋は片付いていた方が気持ちいいのですが、見た目は綺麗でも、部屋の中にたくさんのホコリが舞っていたら嫌ですよね? そのホコリにはカビの胞子やダニの排泄物やらが含まれていて、アレルギーを持っていたら、常にどこか体調が悪いということにもなります。
そういうことも、その掃除機に出会ってからたくさん勉強したり、実際に体験したりしました。その経験から伝えられることが誰かの役に立つとよいのですけど。
その掃除機は、ドイツVORWERK社のコーボルトといって、ドイツでは掃除機のデファクトスタンダードとも言える製品なのですが、そこらへんで売られているのとは、造りも性能も価格もちょっと比べられないので、やはり価格だけを見てしまうと購入する人はあまり多くないでしょう。
私はモデル違いを多い時で8台持っていましたが、だいぶ処分して、今は4台に減りました。
そんな風なので、家で掃除機を使うのはほとんど私の仕事です。
すごく簡単にホコリが取れるので、我が家では、わざと黒や濃紺のカーペットを敷いています。黒いカーペットってホコリが目立つから、マメに掃除しようという気になるのですよね。
ちょっと昔に書いたBlogのエントリーなのですが、紹介しますね。
健康と衛生 <アレルギー>
ダニは昆虫ではなく節足動物門、蛛型網、ダニ目に属し、クモに近い生物で、発生は3億年前、その種類は数万種にのぼり、日本でも3.5万種が見つかっているそうです。そのほとんどが、体長0.5mm以下です。
ダニの害と言うと、虫に食われるように刺されて血を吸われると思いがちですが、それはツメダニ類と言って比較的大きな種類で、これは2mm前後あって目にも見えます。アレルギーの原因になるのは、もっと小さなチリダニ類です。体長は0.1~0.5mmくらいで、肉眼では見えません。チリダニ類は動物の血を吸うかわりに、我々が常に出している老廃物などを主な食料にしています。人間が一日に出す老廃物(フケや垢)は平均1.5g(5人家族だと、1.5g×5人×30日で一ヶ月あたり225g?!)ほどで、これはチリダニ150万匹分の一日の食料に相当します(ということはウチだと750万匹分かっ!)。生息する場所は寝具やソファーの中、畳やカーペット、吹きだまりのホコリの中にもいるでしょう。困った事に彼らも生き物なので、当然代謝を繰り返しながら成長繁殖を繰り返し、脱皮し産卵し世代を交代しながら生きています。一匹のダニは2~4ヶ月の間に体重の約200倍の排泄物を出し、放置すればひたすら増えて行きます。
良く布団を干して表面を叩きますが、実際には布団の裏側に逃げ込んでしまいますし、卵などはかなり過酷な環境でも生き延びるので、乾燥させると言う観点からはいいのですが、ダニを死滅させることは出来ませんし、アレルゲンであるダストを取り除くことは出来ません。
目に見えないだけにやっかいですね ( ̄▽ ̄υ)アセ…
結論を先に言うと掃除しろってことになります。
これは体験談なんですが、長男が生まれて一年近く経った頃、時はちょうど花粉の時期。長男は夜になって布団に入ると咳き込んでおり、私は花粉のせいで鼻水が止まらず、枕元にティッシュペーパーの箱が無いといられないほどでした。それまでホコリには無頓着だったんですが、やはり親になると変わるもんですね。寝室の隅々と、すべての布団に念入りに掃除機をかけてみた(デモ用のキットがあって、取れたホコリを直接見られるんですが、毛布などゾッとする量が取れます)んです。するとその夜は長男も咳がぴたりと止まり、私も鼻をかまずに熟睡出来ました。当たり前の事とは言え、これには正直驚きましたね。その後一週間ほどで咳や鼻水は戻って来ましたが・・・・
アレルギーと言うと鼻炎や喘息、じんましんなどが良くある症状ですが、大抵の場合は医者で薬などを処方されて症状を抑えているのではないでしょうか? ステロイドなんかは即効性で効き目も強いのですが、対症療法であって決して治るわけではありません。喘息で気道閉塞などを起こしてしまった場合に点滴などで治療するのは当然としても、そうなる以前に原因を取り除かなければ、いつまでたっても高い頻度で発作に見舞われる不安を抱えていなければなりません。
では、まとめてみます。
・なるべく湿度を低く保つ(40~60%)
ダニが好む湿度は60~80%で、人間が快適な湿度まで下げると、ダニに取っては居心地が悪くなります。
・ヘッドに回転ブラシ(電動が望ましい)が付いていて、排気が出来る限りきれいな掃除機で念入りに掃除をする。
吸引力はあまり必要ありません。ホコリはきわめて軽いので大丈夫なのです。
むしろ強いと寝具などは張り付いてしまって掃除が大変です。本当はファブリックに対して最強の掃除機があるのですが、ここには書きません。少々高価ですしそこらに売っていません。ドイツ製で原型は1930年に開発された世界最初のアップライトタイプ。現在のモデルはTÜV の室内空気衛生研究会が、アレルギー患者が使うのに適当だと認証している唯一の掃除機です。我が家では8年ほど前からこれを使っています。(ここの委託販売店契約をしているので、ブランドは書けないんです。)
最近では国産の掃除機も排気性能も上がっていますし、密閉度(実は排気用のHEPAフィルターを装備していても、ケースの継ぎ目からダストが吹き出していたものもあります)も上がっているようですし、そこそこのものを買って念入りにかければある程度取れると思います。
・きちんと掃除する前提でカーペットを敷く。
カーペットを敷く利点はたくさんあるのですが、この場合ダストの飛散を防ぐのが主な目的です。
小さなラグでもいいですし、カーペットを敷くと敷かないでは換気扇の汚れ方が変わるので、カーペットがホコリをとどめているのかがわかります。フローリングはホコリが留まらないため、常にホコリが空気の対流とともに舞ってしまいます。また、副次的には、足裏がべたべたせず、冬は暖かく、吸音効果もあって、かつ断熱効果もあり、冷暖房の効きが良くなります。うっかり転んでも怪我の確率が減りますし、物を落としても破損の割合は少なくなります。我が家でも分不相応なほど質のいいカーペット(実は先述の掃除機メーカーは老舗のカーペットメーカー でもあり、そこの製品 )を敷いていまして、もうカーペットの無い生活は考えられません。もちろん私が掃除しています。当たり前ですが私が掃除をするので、子供たちも協力してくれます。
なんだかたくさん書いてしまいましたが、ようするにしっかりと見えないダストまで掃除しましょうってことです。
目に見える部分が片付いていても、それが健康的・衛生的な空間であるとは限らないと言う事ですね。
花粉の時期、閉め切った部屋の中だけでもきれいにすれば、家の中では快適に過ごせますし、喘息や鼻炎などのアレルギーをお持ちのお子さんがいる家庭では、念入りに掃除した後は、子供の咳やくしゃみの頻度が減りますよ。もちろん眠りもより深くなりますから、疲れも取れるでしょう。
なによりもきれいな住環境は気持ちいいですよね。
以上私が考える掃除についてでした。
今後はこういうこともお伝えしていきたいと思います。