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05:The Hierophant/オリジナルタロット解説


オリジナルタロット版のカードに込めた物語

「やだやだ~!」
「ほらほら、そんなこと言わないで。本当は違うでしょ」
「恥ずかしいもん」
・・・
「素直になれないだけだから、許してあげてね」

『仲良くしようね』と手を繋がされたことを思い出す。

相手が素直になれないから「嫌だ」と僕のことを言ってても、僕は許してあげるべきなんだって。

僕が悲しくなったのはいいの?
向こうは僕に優しくしてくれないの?
どうして『じゃない方』にばかり配慮して、僕はいつもするべき側なの?
それは思い遣りなの?
おかしくないの?

僕は嘘でも嫌だなんて言われたくないよ。
だって僕はそんなこと言わないもん。
相手が傷つくもん。
そんなことしないよ。
僕の優しさに甘えないで欲しいんだよ。

カード『法王』の意味

タロットカード本来の意味に加えて、私版のオリジナルタロットの解釈も載せています。広義では同じ意味ですので、どちらを採用してもらっても構いません。
ピンときたものを受け取ってください。

タロットカード本来の『法王』の意味

正位置の意味
慈悲、連帯・協調性、信頼、尊敬、優しさ、思いやり、自信、法令・規律の遵守、人徳。
逆位置の意味
守旧性(アンシャン・レジーム)、束縛、躊躇、不信感、独りよがり、逃避、虚栄、怠惰、お節介、固着。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

オリジナルタロット版『皇帝』の意味

これは私独自の解釈なので少し飛躍してる部分があります。

正位置の意味
思い遣り、優しさ、慈悲、見返りを求めない愛、穏やかさ
逆位置の意味
意見の押しつけ、見返りを求める、エゴ、浅はか、表面だけの理解、見栄、虚栄、同調圧力、お節介

愚者が『自分を知ろう』と自分と向き合うことを決め、自分の中に飛び込んでいく旅です。その旅路の途中で、色んなことを思い出します。

物語では愚者の幼い頃の嫌だった記憶を描きました。

法王は『秩序』や『思い遣り』を示す存在です。
素直になれない子に配慮し、優しくあろうと促すでしょう。
その子を受け入れることが優しさだとしたら、受け入れる側の苦しみに対して遣われる優しさだったり配慮もまた、その受入れる側のものでしかありません。
それは受け入れる側が無償でなかった場合、苦しみを生む切っ掛けとなるでしょう。

法王の言う『優しさ』や『思い遣り』は『無償であってこそ成り立つ』のだと思います。

誰かが言う「人に優しくしましょう」「他人を愛しましょう」確かにそれは素晴らしい考えですが、全てのものに対して行う必要があるのかどうか甚だ疑問でした。まずは自己尊重があって然るべきだと思うのです。
本来のカードの逆位置の意味の中に「独りよがり」や「束縛」があるのが頷けます。

誰かのいう「人にやさしく」そんな意見にそって、望みもしないのに、それを行うことは自己尊重にかけます。自分がしたい時にだけ行う事で見返りや期待が発生せずに心穏やかに居られるのではないでしょうか。

そしてその心穏やかな気持ちの中にある事こそ、思い遣りや優しさなのだと思います。それこそが愛なんです。

法王が解く慈悲は、実は深い場所にあり、言葉の表面だけを拾うべきではないのかもしれません。

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2024年3月13日
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