
15. THE DEVIL / オリジナルタロットカード解説
オリジナルタロット版のカードに込めた物語
『風船あげるよ』
「ぎゃー」
何やら声が聞こえてくる。声の方に視線を送ると、風船を受け取った人がどこかに飛ばされている様子が見えた。
『ほら、君にもあげる。楽になるよ』
風船を配っていた着ぐるみが声をかけてきた。
「・・・楽になるって・・・なに・・?」
『もう先に無理して進まなくていいんだよ。楽になれるよ、戻れるよ』
差し出された悪魔の風船。
ためらいながらも愚者は受け取ってしまった。

タロットカードにおける『悪魔』の意味
タロットカード本来の意味に加えて、私版のオリジナルタロットの解釈も載せています。広義では同じ意味ですので、どちらを採用してもらっても構いません。ピンときたものを受け取ってください。
タロットカード本来の『悪魔』の意味
正位置の意味
裏切り、拘束、堕落、束縛、誘惑、悪循環、嗜虐的、破天荒、憎悪、嫉妬心、憎しみ、恨み、根に持つ、憤怒、破滅
逆位置の意味
回復、覚醒、新たな出会い、リセット、生真面目、反省、猛省、出直し、転生
オリジナルタロット版『悪魔』の意味
正位置の意味
誘惑と依存、無意識の影響、選択の瞬間、内面的な解放と変革(自分の内面にある闇に目を向けなさい)
逆位置の意味
自己逃避と依存からの脱却、不安や恐れから解放される兆し、誘惑に勝つ、自由を手に入れるために必要な変化を受け入れる準備が整った
これは私独自の解釈なので少し飛躍してる部分があります。
愚者が『自分を知ろう』と自分と向き合うことを決め、自分の中に飛び込んでいく旅です。その旅路の途中で、色んなことを思い出してきた愚者、それらを内包するように色んなものが計らいとして表れ始めます。次に現れたのは『悪魔』でした。
死神に合い、未来の道『天国』を選択し、苦しみながらも進んできた愚者。
これでもう完璧、もっと楽に先に進めると頑張ってきたけれど、節制で出逢った子どもたちに心の傷をつつかれてしまいます。
また自分と向き合って傷を癒さなきゃいけないのか・・・どれだけ頑張っても僕は完璧になんかなれない、もう傷など見たくない・・・。
愚者は苦しくて仕方がありません。
そこに現れたのが悪魔です。
『もういいじゃん、臭いものにはふたしちゃおうよ。別に成長しなくてもいいじゃん、過去だって別に地獄じゃないって』
甘い言葉でささやきます。
自分を愛し始め、自分を信じて進んできた愚者でしたが、心にある大きな傷が障害となって先に進めません。ここを乗り越えてこそ自分にとって生きやすい未来につながるのですが、ここまで頑張ってきたからこそ、何も変わらない現実に苦しみ、また逃げ出したくなるんです。
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2024年4月5日
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