
03 : THE EMPRESS / オリジナルタロットカード解説
オリジナルタロット版のカードに込めた物語
自分を深く知るために飛び込んだ自分の中。
ふと思い出すのは母の顔。
あの美しい人に愛してほしかった。
自分をもっと見てほしかった。
愛してほしくて差し出し続けた僕の愛、僕が望むような反応を示してくれず、ずっとずっと不安だった。
あの美しい人は僕の母。色んな人に愛されて幸せそうでいつもあったかい。誰に対しても平等に愛を注いでくれる。
それでも僕は彼女の特別でありたかった。
僕は彼女に愛されていると感じていたかっただけなんだ。

カード『女帝』の意味
タロットカード本来の意味に加えて、私版のオリジナルタロットの解釈も載せています。広義では同じ意味ですので、どちらを採用してもらっても構いません。
ピンときたものを受け取ってください。
タロットカード本来の『女帝』の意味
正位置の意味
繁栄、豊穣、母権、愛情、情熱、豊満、包容力、女性的魅力、家庭の形成、謙虚、結婚、子作り、適度なセックス、妊娠、出産
逆位置の意味
挫折、軽率、虚栄心、嫉妬、感情的、浪費、情緒不安定、怠惰、虚言、過度なセックス
オリジナルタロット版『女帝』の意味
正位置の意味
充たされる想い、母の愛情、無償の愛、安心、リラックス、
逆位置
充たされない想い、有償の愛、不安、おちつかない、依存
これは私独自の解釈なので少し飛躍してる部分があります。
愚者が『自分を知ろう』と自分と向き合うことを決め、自分の中に飛び込んでいく旅です。その旅路の途中で、色んなことを思い出します。
幼い愚者にとって一番大好きな人は母でした。
誰に対しても平等に愛することが出来る母なのはわかっており、それが愚者の誇りでもありましたが、それでも彼女の一番になりたかった愚者。
彼女から「深く愛されている」と無償に感じていたかったんですですね。
愚者が彼女にとって特別な存在であると認識するのはもう少し後になりますが、ちゃんと深く愛されていたんですね。
恋愛でこのカードが出たなら「嬉しい」と感じるかもしれません。
けれど私のカードの場合ちょっと含みが強いので、感じるものがあればそれを受取った方が良かったりします。
女帝の絵にある少年、これは愚者なのですが、愛されようと自分の大事なものを差し出している様子を描いています。けれど相手の女帝はその『渡そうとしているもの』にそこまで関心を示してないですよね。
女帝が『愚者の大事なもの』そのものを受取る事はありません。それを渡そうとする気持ちを受けとりますが、彼の大事なものを受けとることはません。
愚者の大事なものは、彼の命そのもの、そんなふうに考えてもらえれば判りやすいです。自分の命は人にあげられないし、あげるものではないですよね。
それぐらいその人にとって大事なものは、他人に渡すものではなく、自分で大事に持っておくものだから、愛される為に差し出すものではないのです。
自分が大事なものを大事にすること、それは自分を大事にすること他なりません。女帝は愛される象徴でもありますが、私のカードの女帝は『自分を愛する事の大切さ』を教える存在でもあります。
もし、恋愛に限らず人間関係、会社関係などで女帝のカードを引いたときに、何となくモヤモヤしたのなら。
あなたを大切にしてくれる人や場所に今あなたは居ますか。
そう問われているのかもしれません。
その環境から抜け出すことが出来るのは、あなただけです。
大切にしてくれない人や場所、会社もそうですが、そういった場所に居続けると、その感覚は麻痺していき「そういう扱いを受けるのが当たり前」になります。
そうなると、やがて自己肯定感を失い、狭い価値観に囚われた世界でしか生きていけなくなります。それで人は満足して生きていければいいですが、魂はそうはさせてくれません。忘れようとしたり飲み込もうとした悲しみを心に留ませつづけ、気付いて欲しくて体験として辛い出来事ばかりが起きるようになります。これは逆説的にいえば、何もなければ何も感じない事に苦しさを感じるということでもあります。
「他者のために自分を犠牲にすること」は無意味です。自分自身を大切にすることが最も重要であり、生きていく指針ではないでしょうか。
たとえば恋愛。彼に好かれる為に自分を曲げてまで一緒にいる意味があるでしょうか。
例えば仕事。努力を評価もされない会社で頑張りつづける必要はあるでしょうか。自分のスキルアップの為に繋がって頑張り続けていたとしても、共に成長できない会社であれば限界がきます。
スキルが育ったなら、次へ羽ばたいてもいいのではないでしょうか。スキルが育ち切ったあとそこに留まり続けることは、あなたを腐らせていくだけにもなります。
あなたを大切にしてくれる人や場所に今あなたは居ますか。
そうじゃないなら抜け出してください。その結果1人になっても大丈夫。あなたが大事なものを守り続けていれば、きっと共感してくれる人や会社がやってきます。
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2024年1月28日
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