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マーケティングの全体像とポイント整理 by桜井さんセミナー

おはこんばんちは。
あらいぐまたくまです。

先日、地方マーケで名高い桜井さんに会いに、
近くで開催されたセミナーへ。

学びが多いと同時に、
気付きもありました。

書いていきたいと思います。


地方のマーケター

あらいぐまは、
人口こそ多いけども、
商圏が独立してる地方に住んでます。

地方でマーケティングをしていると、
都心よりもはるかに予算が取れない中で、
上流だけで仕事をとることももちろんできず、
下流の仕事もして低単価なんてことは、
しょっちゅうです。

では、上流から下流と表現しましたが、
それは具体的にどういうことか?

桜井さんは、
経営戦略 / 事業戦略 / 販売戦略

と表現されていました。

上中下みたいなイメージです。

販売戦略は、
商品をどう消費者に届けるか?
の話。

事業戦略は、
ビジネスモデルや、ポジションの設計。
商品の強みなども含めて、
どこでどのように戦うか?の話。

経営戦略は、
ミッション、ビジョン、バリュー、
人事や労務、税務なども含まれます。

これらを、
どれか一つを一人で支援するのではなく、
全部を同時並行で、チームで動かすことが、
大切だということです。

干し芋事例

具体的な話に入ります。
今回は、新商品のタネを探すことを
目的としたセミナーで、
その中で桜井さんの干し芋の事例が紹介
されていました。

あくまでも、
私が話を聞いて簡易的にまとめたモノですので、
ご了承ください。

社名などは伏せます。
構造やプロセスをご参考ください。

前提

前提として、
「さつまいもを大量生産できる」
依頼者から、このリソースと使って何かできないか?
という内容です。

現状分析

分析のとっかかりは、
さつまいもの解像度を上げること。

歴史という切り口で見ていく。
さつまいものルーツは鹿児島。

そして、
想起集合が既にできている状態。
べにはるか、金時、シルクスイートなど。

後発では勝てないと判断し、
さつまいもをもう少し具体に分解。

その中で見つけた、
干し芋の市場を見てみることに。


するとどうやら、
干し芋のルーツは静岡にあると。


干し芋の現状を深ぼることに。
そこで見えてきたのが、
干し芋は「なんとなく市場」で、
第一想起商品がなかった。

これで明確にポジションが取れると、
判断されたみたいでした。


定性調査① N=3,000

直近一年で干し芋を買いましたか?
直近一年で干し芋をコンビニで買ったことがあるか?
直近一年で干し芋をスーパーで買ったことがあるか?

その場で話していた内容メモ

購入した人を対象とした400名に
さらに深堀の質問を実施。

定性調査② N=400

年間購入頻度は?
どこで購入したか?
干し芋を買ううえで大事にしてるポイントは?
干し芋を食べるタイミングは?
干し芋の商品名は?(フリーアンサー)
食べ方はどうしてるか?
ほしいもへのリクエストは?

その場で話していた内容メモ

上記をぶつけて得られた回答から
導きだされたのが、
干し芋の「第一想起がない」でした。

仮説構築

回答の詳細は省いてます。
しかし、結論だけ記載すると、

干し芋をよく食べているのに、
持ち運びはしていない。(90%)


しかし、質問の回答には、
ジップ、個包装などの、
持ち運びに関連する回答が多いと。


「実は持ち運びたいのでは?」

ここに商品開発の余地がありそう。
このような流れがありましたね。

競合状況

そうなると、
競合を調べる際に、

・干し芋の競合
・持ち運びの競合
・持ち運び干し芋の競合
・配荷の状況

を見ていく必要があります。


持ち運び干し芋の現状として、
・海外産が多い→味が落ちる
・ベタつき
・配荷のばらつき
が見受けられたとか。(簡易記載)

ベネフィット設計

上記から、
商品の機能性ベネフィットを、

・国産無添加
・持ち運べる
・ベタつきがない
・チョコやグミの代替品
・リピートできる価格

などに設計し、
他の競合商品より、
持ち運びにおいて
優位に立てる設計をされていました。

オケージョン

ベネフィットより先に書くべき
とも思いましたが、

持ち運び商品は、
一旦どんなシーンで買われるのか、
押さえておく必要があります。

今回の場合は、
・会社にもっていく
・こどもに買ってあげる(お菓子の代わり)
・小腹が空いた
とかありそうですが、

もう少し具体的に書くと、
会社にもっていきたいけど、
仕事しながら食べるには手のベタつきが
購入する阻害容易になっている。

とか。

子供にグミやチョコの小袋を買ってあげるのは、
身体のことを気にすると嫌だが、
干し芋ならいいかな。

とか。

そういうことになりますね。

資金調達

結果、クラファンでも資金調達ができ、
SNSによる拡散、コメントから、
買われた理由まで拾える状態に。
ベネフィットがちゃんと刺さっているかは、
そういったところで確認できますからね。

ちなみに、クラファンは130万円ほどの
調達に成功されてました。開始1週間で。

地方企業については、
資金の余裕がないので、
上流部分から緻密に設計できると、
クラファンでも成功しやすいんだろなと
思いました。

スケール

上記の実績ができれば、
あとは、小売のバイヤーに営業をかけ、
スケールの段階に入ります。

コンビニやスーパー、
ドンキなどは対象になってきますよね。

あらいぐまの気付き

オケージョンとCEP

マーケティングフレームでは、

WHO(誰に)
WHAT(何を)
HOW(どのように)
とよく言われますが、

このWHOの解像度をあげることが、
最も難しい且つ重要になります。

解像度をあげるのに、
よりWHOを具体化すると、

・なぜ買うか
・なぜ買わないか
・いつ買いたいと思うか
・どこで買うか
・どこで使うか(食べるか)

の視点で干し芋を見ている気がしました。

オケージョンとは、
消費者視点からみた、
購買のタイミング。
最も財布の紐が緩む時です。

CEPはほぼ同じ解釈で良いですが、
事業者側から見た消費者のタイミングです。


文脈(コンテクスト)とは少し違います。

会社で食べる人
子供に買ってあげる人
は、文脈が違います。

そして、
それぞれで買いたいと思うタイミングも
違ってくるからです。

文脈は、
オケージョンやCEPよりも上位概念かな?
と捉えています。

浸透率(ダブルジョバティ)

ダブルジョバティの法則があります。
リピート施策 < 新規獲得 が大切だよ。
くらいの解釈で良いと思います。

浸透率を上げてリピートを増やすことが最も重要。つまり新規顧客の獲得が必須。実際に売上を見てもスタートアップ時は少数の顧客をファンにしたとて、市場浸透率が低く売上は上がらない。逆に大手は新規顧客獲得からファン化に進むべき。

あらいぐまの解釈メモ

ダブルジョバティ or ファンマーケ
この2つは対立してますが、
どちらか施策として必要かは、事業のタイミングによる。
そう思います。

大手こそファンマーケは意識しなければなりません。

逆にスタートアップは、
顧客数が少ない時は、市場浸透率を意識し、
新規顧客獲得を目指した方が売上が上がりやすいです。
(戦略ごっこを見てください)

そこまで深く掘りませんが、
意思決定する上で、その視点は覚えておきたくメモりました。

価格弾力性の話

価格弾力性のメモを記載しときます。

【小さい(価格感度が低い)】
顧客費用対にあったPOD
HEDONIC(楽や快を求める)
社会的消費
特別なオケージョン(旅行先での買い物)
感情面でのブランド構築ができている

→値段を上げても需要が変わらない。

【大きい(価格感度が高い)】
カテゴリーヘビーユーザー(かならずではない)
Utilitarian消費(機能で買われる)
個人的消費
普段の生活文脈(普段の買い物)
ブランド構築できていない

あらいぐまのメモ

詳細を知りたい方は是非調べてください。

値段に大きく左右されることのない、
ブランドづくりを行う必要があるので、
機能面だけでなく、情緒面を含め、
社会的意義やスタンスを証明し、
意味を買ってもらうようにしてく必要がある。

みたいな感じですね。

ベネフィットについて

今回の干し芋は、第一想起がなく、
持ち運びにおては、国産がなかったり、
機能面で戦える余裕があったので、
それで市場を取っていけそうですが、
競合が多く、機能面がどんぐりの背比べ状態なら、
意味づけによる情緒的価値の組み立てが、
必須になるよなーって思います。

想起

とにもかくにも想起の概念が大切です。
第一想起を取りにくことですね。

刀のブートキャンプにも行きましたし、
たくさんの書籍を読んだり実行したりしてますが、

売上
=市場×認知×配荷×プレファレンス×単価

プレファレンス
=製品パフォーマンス×価格×ブランドエクイティ

刀ブートキャンプ

上記を前提に考えると、
ブランドエクイティの向上が最も大切になります。

エクイティとは簡単にいうと、
ブランドに対するイメージ。
好意度ですが、

これが高いと、
カテゴリー選択→ブランド選択 の時に、
まず、自社ブランドが選択肢に入りやすく、
次に、自社ブランドが選択されやすくなる。

ということになります。

その選択確率をあげるためにも、
1番に商品を思い出されるようにしていこう!
つまりエクイティをあげよう!
つまり第1想起獲得しよう!
となります。

応用できるできない

今回の干し芋は、
有形商品で、かつ市場が全国です。

何が言いたいかというと、
今日聞いた話を、店舗ビジネスで応用できるか?
というと全ては難しいということですね。

マーケティングの視点はもちろん応用可。

しかし。
業種や業態、オフラインかオンライン、
有形か無形、市場がレッドかブルー、

によって押さえなければならないポイントが
違うなーと思いました。

特に店舗ビジネスは、
商圏が固定されがちです。
何よりも立地が重要ですし、
商圏範囲で第一想起を取っていくことが、
大切になります。

稼働状況によっては、
売上の天井も見えますので、
その辺を考慮してどう戦うか。

戦略を構築していかないといけませんね。

最後に

押さえておきたい公式を貼り付けときます。

売上=市場×認知×配荷×プレファレンス×単価

プレファレンス=製品パフォーマンス×価格×ブランドエクイティ

WHO - WHAT - HOW

ターゲット(文脈) × オケージョン × プレファレンス
=プレミアム価格

ポジション→純粋/助成想起→CEP→浸透率→リピ率

機能的価値,情緒的価値


ターゲットの中に、
オケージョンやCEP、インサイトとしても良さそう。


ターゲットと表記するか、
文脈と表記するか難しいところではあります。

メモ

クリエイティブがなぜそうなったのか?
そういった話は聞けませんでした。
生粋のマーケッターです。

クリエイティブディレクター視点としての
視点ではないですからね。

あらいぐまとしては、
最近CD目線が強すぎたかもと思い直せた、
めちゃくちゃ素晴らしい時間でした。

最高です。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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