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体外受精の限界

採卵された卵子は、新鮮胚移植と凍結胚移植に分かれる。

細かい説明はなしにして、私はPPOS法なので全胚凍結する。
そして、1周期は丸々お休みだ。

取れた卵子はそのまま凍結できるわけではない。クリニックの方針にもよるが、受精させて2〜3日の初期胚、5〜6日の胚盤胞の状態で凍結する。
胚盤胞移植の方が成績が良い。
ならなぜ初期胚で凍結するのかって?
胚盤胞まで分割が進むのは割合が低く、全胚で胚盤胞を目指して培養したら、苦労して採卵した卵子が全滅する可能性があるからだ。

ここで存在する壁が
①受精するのか?
②分割は進むのか
③グレードは?

①は体外受精で受精しなければ顕微授精で直接的に精子を卵子に入れる方法がある。また、それは受精障害があったことになるが、体外受精のこの段階でないと受精障害の有無は判定できない。
つまり事前に検査ができるものではなく、やってみなきゃわからないのだ。
不妊治療はこれが多い。

②分割が進まなければ、何もできない。ここは受精卵の力に任せるしかなく、これができなくて、採卵・受精はしたけど、卵は全滅ですってこともあり得る。

③細かいグレードは調べたらすぐ出てくるので書かないが、凍結・移植できるグレードとそうでないとグレードがある。悪いグレードは脱落させるので、ここでふるいにかかられ、採卵・受精はしたけど、卵は全滅ですってこともあり得る。
グレードが悪ければ妊娠率は下がる。

採卵して体調が悪くても、2日経って受精はできてるのか?初期胚になってるのか?、5日経って胚盤胞になってるのか?
気にすることがたくさん。

全滅した人はどうするかって?
今までの過程また、やり直しです。
採卵+凍結・培養で40〜50万するかな。でも卵残らなかったんだから、もう一回払って下さいね。結果はまたダメかもしれませんけど。
そんな世界。
補助金は採卵〜移植までで30万。
移植が出来ず採卵を40万払って2回やって移植しても、同金額の補助しかでません…酷ですよね。
保険適用になったらまた違うのかもしれませんが、保険適用もいろいろ穴がありそうです。(全てが保険適用されるわけではないので)
それに私はそんなの待ってられません。
どれだけ病気があっても、今の医学を使えば何とかできるかも知れませんが、老化だけは治療法が無いのです。

幸いにも、私は受精障害はなく、100%体外受精で受精した。その後も初期胚凍結も胚盤胞凍結もできた。
はっきり言ってグレードも良い。

手放しで喜べるだろうか?
それは違う。

受精障害はなく、分割・グレードも良いということは、そこに問題がなかったことの証明にはなる。そこは素直に嬉しい。
しかし、排卵→受精→分割して卵管を進み→着床→そのまま育つ
この過程で体外受精だけで解決できる問題は着床までだ。
あとはさっき言ったようにやってみなきゃわからないのだ。(免疫系、エマエラアリス検査、pgt検査などは一応あるが…)

今までは排卵のタイミングが悪かった、受精しなかった、卵管をうまく通れなかった、分割が進まなかった…いろいろな原因で一度も妊娠しなかったが、ここから先妊娠できないとなると、そもそも着床しないか流産の2択になってくるのだ。

ここから先、妊娠できないとなると、今まで以上のダメージを負うことになる。
妊娠できないショックだけではなく、我が子を亡くす、手術で取り出すリスクが常に付き纏う

そして、受精・分割が良かった私は別の部分に何かはあるという証明をしたも同然。

まず、採卵が出来なかった・卵子が全滅した人もいる中で、勝負ができることには純粋に感謝する。
ここから先が本当の勝負になります。

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